1.再会
「君は気が付かないうちに俺が既に景色に現れた。」
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「いいね...世界は初めでこんなに静かです。」
慌てる顔をしてる人々、壊れた自転車、血に濡れた社員証...池袋のある道で自転車事故が起こって、一名女性が倒れている。
女子はただの自転車事故で死ねないと思ってる。でも、考えてみれば、死ねない理由もないし、叶わなければ行けない夢もないし、この世界も好きじゃないし、恋人もいないし、会いたい人も...
「アッ、とても会いたいけど、会えない人がいる。もう一度会えたら、幽霊もかまわず、ちゃんと抱っこしたいの。」
女子は別に世界を嫌うというものではないが、ただ厭きることが多すぎだ。26年人生における唯あの男を愛したのに彼は生きているかどうか分からない。その時ほど本気で誰が好きになることはないようだ。
女子は現実に興味を失って、いっそ二次元の漫画世界で生きられるものならいいと思っていた。
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でも、彼女が絶対にそこまで想像できなかった。
「へんな景色...絵に見えるわね。
エッ、体が軽くて透明になった。」
彼女が知らない所で歩んでる。
「漫画の世界かな?こんな夢は初めだ。
漫画ならば、体の毛とかにきびとかないだろう...」
女子が自分の顔に触って、手と足も細かしく見ている。
「本当んだ!」
道両方に大きな木ばかり植えられている。緑の葉っぱが風にそよそよ揺れている。そして、道の突き当たりに木のような大きな何かある。
大きな白い犬の前に見覚えのある顔...志貴夏目と呼ばれる人がそこにいる。女子はずっと会いたい男だ。
「手が届く瞬間に消えるか?夢から目覚めるかもしれないけど、今じゃなきゃ...
夏兄さんの顔をちゃんと見なければ行かない!」
小柄な彼女がどんどん速い足取りで走っている。
涙のせいで、よく見えないけど、彼を抱き締めてることにほかならない。
「喋るな!このままで...夢から目覚めまで...
やっと兄さんを見つけた。」
夏目はちょっと悲しげな顔で微笑をもらして、彼女の頭を撫でた。そして、知るように意識を失った彼女を横抱いた。
白い犬が手伝うために、馬ほど小さく変身した。
「ありがとう。でも、俺がいい。
俺が兄にしては役に立たなかった。」