【小ネタ】公爵令嬢の牧場物語計画
「散々わたしのことバカにしてるけど、わたしだってやれば出来る子なんですからね!」
「出来てませんよ」
「出来ます!」
「ところで、牧場は買ってもらえました?」
「――い、今は実績作りの最中よ!! だけど、見てらっしゃい! わたしが本気を出せば、牧場なんてすぐに買って貰えるんだから! なんたってわたしは国一番のお姫様よ! 望めば何だって手に入るんですからね! おーほほほっほっ、けほっ……! けほっ……! けほっけほっ……!」
「またすぐそうやって出来ないことをやろうとする」
「でき、ます!」
「ああ、もう。咳き込みすぎて涙目じゃないですか」
「できる子、だもん……!」
「分かりました、分かりました。義姉さまは何でも出来る子ですね。凄いですね」
「(バカにされてる……?)」
「してません。してません。大丈夫です」
「(Σ(゜д゜;)心読まれた……??)」
「お父様~」
「ああ、どうしたんだい、私のかわいい薔薇の妖精姫。お父様に何かおねだりかい? 何でも言ってごらん」
「あのね、リア、そろそろ牧場」
「ああ、そう言えば、メリレーヴから珍しい苗木を贈ってくれるそうだよ。庭に温室を建ててあげるから、ジュリアが育ててみなさい」
「牧場……」
「まずは家の庭で出来ることから始めなさい」
「はい……( ´•ω•` )あ! じゃあ、お庭を全部リアの畑にしたら、次こそ牧場?」
「そうだな。その時は考えよう」
「やったー! お父様大好きー! リア頑張る!‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/››」
「義姉さまは何で本気で公爵令嬢が、牧場経営できると思ってるのかな」
「そこがあの子のかわいいところじゃないか」
「さあ今日も元気に開墾よー!…………え?」
「どうしたの義姉さま」
「な、なんで……何で庭が広がってるのー?!」
「ああ。あそこの山までうちの庭にするって義父さまが」
「山まで……?」
「山まで」
「orz」
「もうウチの庭が義姉さまの牧場ってことでいいんじゃない?」
「それは、なんか……違う気がする……コレジャナイ」
「違わない違わない。気のせい気のせい。合ってる合ってる」
「一番チョロいと思っていたお父様の攻略が意外と難しい。誤算だったわ……」