じゅうごわ
春特有の暖かさ、熱い展開を抜けてダレ始めた日常回特有の雰囲気、そして最初は女の子だし少なめでも良いかな、いや多くても多分大丈夫っしょ、お腹も鳴ってたしこれは一杯食べさせなきゃのコンボにより膨れたお腹具合が生み出すものはなんだろうか。
「すぅ……むゃ……」
アンサー、眠気。最初身体に衝突されたときは一瞬何が起きたのかわからな過ぎてびっくりしたが、座る位置の距離と身長差のせいでこてんと肩に頭が乗るような体勢ではなく辛うじてもたれかかる様になっている状態で、それとなく腕が幸せに包まれたりしている所為でその程度のびっくりは吹き飛んだ。
しばらくはもたれる様にしていたのだが、次第にずるずると重力に負けて滑り落ちていく桜井さん。せっかく気持ちよさそうに寝ているのに床にぶつかっては痛いだろうしかわいそうなので頭を太ももに誘導しておく。まあ普通に膝枕の形になるな。
つまり僕が行ったのはあくまで善意の救命救助みたいなものであって、起きた時の桜井さんの反応が面白そうだとかそういった感情がまぁ無かったかと言われればそら多少はあったかもしれないですけれども? むしろありましたけど? それが何か問題でも? あぁん? おぉん?
まあ寝顔を見ているのも楽しいが、アニメの視聴中なので視線が自然とそちらに向かう。二年前のアニメで桜井さんは視聴済みだし、まあ名作アニメは何回見ても良いものだからそこは気にしていないとして、先に見ちゃう系の罪悪感も無い。
と、そこで桜井さんが寝やすい体勢を求めてか寝返りを発動! 仰向けになった桜井さんの豊満な胸部装甲は重力に負けきることなくその圧倒的存在感を主張。呼吸に伴い上下動するそれはさながら鳴動する名のある山々のようであった!
「ふぁー……みゅ……うぅ……」
その圧倒的質量はさながらブラックホールの如く視線を吸引しに来る。柔らかさ故にか潰れながらも決して平らになることなく、パーカーという存在がはたしてこのような光景を生み出すことになるとはこの僕の目を以てしても見抜けなかった! 桜井さん、なんて恐ろしい娘!
「ふぁ……ぁ? ぇ!?!?!?」
「おはよう桜井さん」
誰かに目撃されたらセクハラで訴えられかねない桜井山遊覧は(渾身の激うまギャグ)、胸に潰されて息苦しくなったせいか桜井さんの目が覚めた時点で終了となった。何かのエラーを起こしたのか動かない桜井さんに、そういえば変に落ちないように頭に手を添えていたことを思い出す。
「あ、手? ごめんね?」
「くぁwせdrftgyふじこ」
がばりと起き上がり、形容しがたい叫びをあげる桜井さん。完全に目がぐるぐるしていらっしゃる。口をパクパクさせながら手をわちゃわちゃさせており、そのせいで胸もたゆんたゆんしてる光景は正にパニックを起こしている典型例であろう。
桜井さんのテンションが最高にハイなので、僕の心の腹筋も最高にハイ! ってやつになる。実にのどかな昼下がりであった。
この世界のブラは高性能なのでナイトブラやスポブラ並みの矯正補正が利くとでも思ってください。天然素材なので何もなしの桜井山は仰向けだと科学実験のちょっと水入れすぎたスライムみたいになって横に流れます。なおそれでも存在感ry