表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/27

じゅうよんわ

 くぅ、とどこか可愛らしい音を僕の耳が捉えたのは丁度お昼時であった。程よく話が終わりエンディングが流れ始める直前、どこか緊張する話の内容だったためか緊張が解けると同時に、といった具合である。ちらりと横目で確認すると桜井さんがお腹を押さえながら此方をチラ見していた。


「僕お腹減ってきたなぁ、そろそろお昼の時間だし切りが良いから作ってくるね」

「あ、はい、わかりまし」


 くぅ、という音が再度鳴る。一瞬ばれてないと思った桜井さんが油断して再生を止め、静かになった瞬間の出来事であった。せっかく誤魔化したにもかかわらず駄目だった辺り、桜井さんのお腹は限界なのかもしれない。


「なるべく早めに作るね」

「オ、オネガイシマス……」


 そうと決まればさっさと作ってしまおう。勿論妥協はしないが。今日はとりあえずオムライスにしようと思っていたのでそこまで時間はかからない。流石に今すぐ餓死するほどではないだろうし?


 玉ねぎ、ニンジン、ピーマンをさくさくみじん切りにし、油を引いたフライパンで炒めていく。しんなりと火が通ってきたところで更に鶏肉を投下、更に火を通していく。


 程よい炒め具合になったら一旦火を止め……ることなくケチャップを投下し少々炒め、後から炊いた後冷ましておいたご飯も投下しパラパラ炒めていく。まんべんなく混ぜたところで返しながら適当に塩コショウを振っていき、程よく味を付けたところで別に用意しておいた器に移す。


 フライパンをさっと洗った後キッチンペーパーでぬぐい火にかけ、ボウルに卵を割っていく。牛乳とバジルを混ぜ、白身を切る様にかき混ぜていき、フライパンにバターを投下。程よく広げたところでボウルの卵液を一気に投下。さっきから投下してばっかりだな僕。


 火力強めで半熟になったら火から一旦離し、先程作っておいたチキンライスを投下する。包み込むように卵をかぶせたら蓋を閉じるように端を閉じ焼き、破れないよう優しく返しながら形を整え、皿へと移す。結果としてはそれほど時間を掛けずにオムライスが二つ出来上がった。


 野菜もあった方が良いだろうと、適当にキャベツをちぎって盛る。千切りにでもしなければ時間はかからない。まあこんなものでいいだろう。と、そこで僕はかんぜんにむいしきのうちにオムライスにケチャップをかけてしまった。むいしきだったからしょうがないなー。


「さあ桜井さん、たんとおあがりよ!」

「」


 ほら、料理は愛情が大事ってよく言うじゃん? つまりオムライスの上にケチャップでハートマーク書くのは必然というか、まあ無意識だったからしょうがない。無意識だし無罪。完全無欠の論理的な帰結すぎて最早反論の余地が無さ過ぎる。お、今日も良くできてるな美味しい。


 固まった桜井さんであったが、すぐにくぅぅぅーという音と共に振動を始め、真っ赤になりながらもオムライスを食べ始めるのであった。割と多めに作ったけど完食してくれたし、多分満足いただけたのではないだろうか?

なお食べ過ぎても余分な脂肪は胸に行く模様。成長期が終わってないんやろ多分(適当)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ