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七以転生~転生先で人生謳歌しちゃるきに~  作者: 矢野 肇
以蔵と異世界
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一章 その3 殺意を向けるときって大体相手の方が有利。

サブタイトルどうやってつけてこうか悩む日々。

サブタイトルをズバッと上手に再現できてる作家の皆様に私脱帽です。はい。

いや、ほんとマジでサブタイどうにかしなきゃ……(;´Д`)

「で、どこから見てたがじゃ?」

 そういいながら以蔵は先ほど自身が食べていたものと、同種のキノコが刺さった枝をラトに渡した。落ち着いて見てみると、青っぽい色と縦縞が見るからに毒物です。

と、訴えているようなキノコだ。とてもじゃないが、極度の空腹でもなければ進んで手を伸ばすことは無いだろう。

しかし、火を挟んで対面に浮いているラトは、気にする素振りも見せずにそんな毒々しいキノコを平然と受け取っている。


自称だが神は神じゃき、お供え物で気を悪くすることは無かろう。腹も下さんじゃろうし。


「うーん、君が後悔しながら茂みに入って、いそいそとちり紙代わりになるものを探してたあたりかな。声を掛けるのも気まずいし、笑いを堪えるのに必死だったよ。」

 ラトは渡されたキノコをペロリと食べると、ごちそうさまと上機嫌で答えた。どちらが本音か、いやラトに関して言えば両方とも本音なのかも知れない。ケタケタと笑いながらもラトは話を続けた。

「君さ~まだ魔法も錬気も使えないんだから、もっと色々気を付けなよ。特に食べ物とかさ。まぁ今回は食べ物に毒が有った訳じゃ無かいんだけどね。」


 毒がない?あの見るからに怪しいキノコに?


 自分で採取した時は空腹からか、きっと美味いに違いない。と思って疑わなかったが、腹痛に襲われたせいか、今では冷静に考えられる。何故、そう思ったのかと、半時前の自分にコンコンと問い詰めたくなるが、ラトの言う通り毒がないのであれば、空腹ゆえの蛮勇はしかと結果を残したようだ。


「あんキノコ毒じゃなかったがか?そんじゃ、儂はなして腹ば下したちゃの?」

「ん~ふふ。それはね君が種火を作るときに使った樹皮だよ。あれが燃えるときに出る気化ガスはちょっとした毒でね。吸い込みすぎると、吐き気や腹痛に襲われて、酷い時なんて幻覚も見れちゃう一品さ。あの量なら、ちょっと腹痛やら吐き気に襲われるぐらいだろうけど、次からは気を付けなよ。

まぁちゃんとした手順で樹液から精製してやれば、貴族様に人気の媚薬にもなるんだけどね。」

「ほーう、要は阿片の類がか。良薬とは言えんが薬になる分まだましかのう。」 

どうやら、あのキノコには本当に毒キノコでは無かったらしい。見た目にさえ目を瞑れば、確かに深みのある味わいとコリコリした触感が癖になるなかなかの一品だ。


 以蔵は新しく焼けたキノコを一口で頬張ると、手元に残った枝を使い、燃えてる木々の中から焦げた樹皮を取り出し器用に投げ捨てた。すでに燃え尽きている様だが、毒ガスの発生源と聞いたものを近くで燃やし続ける理由もない。


「でさ、華麗にスルーされたけど、以蔵君。君魔法とか錬気に興味ないわけ。結構なパワーワードだと思うんだけど。」

 ラトは若干不機嫌そうだが、以蔵はさして気にせず例の毒々しいキノコをパクついた。

「錬気っちゅうんはなんとなくできそうじゃが、魔法は無理じゃろ。そないなもん使えたら拳銃も刀もいらんきに」

「ふーん結構リアリストなんだね。まぁちょうどいいからこの美少女女神ラトちゃんが手ほどきしてあげましょう。以蔵君いま若干気持ち悪いでしょう?」

「さっきのガスじゃろ。だいぶ燻してしもうたきにまだ残っとるんじゃろ。」


 そう、ラトに指摘された通り以蔵は今立ち眩みの様な気分の悪さに襲われている。

まるで籠で長距離を運ばれた後の様な、地面が波打つ感覚が座っているはずの以蔵を襲ってくるのだ。 もっとも、先ほどラトに説明されてた、ガスが原因だとあたりを付けているので、危機感も無いのだが。


「いやいや、その気持ち悪さは君がさっきからパクついてるキノコが原因なんだよね~」

 その言葉を聞いて以蔵は盛大に噴出した。指を二本入れてわざと嘔吐いて見せる

「うわっきったな。僕みたいな娘が噴き出すならご褒美だけど、君みたいな男が噴き出しても需要無いよ。も~勘弁してよ」


 プンプンと言った擬音語が、見えてもおかしくない様子で文句を言いつつも、サッと対面から移動していたラトに被害は出ていない。

このあたりの対応の迅速さが彼女を自称神として憚らせない理由なのかもしれないが、以蔵にはそのあたりを考察する余裕なんて無かった。

この時、彼の思考を支配していたのは自身の体内に入った毒物らしきもの除去。その一点である。



「おまんさっき毒は無いゆうたがじゃ。嘘ついたんか~儂はもう人を信じられんきに。」

涙ながらに訴える以蔵をどこ吹く風とラトは眺め、ちっちっちと顔の前で指を揺らしながら答える。

「僕は人じゃないからね。女神様ならそんな以蔵君でも信じられるでしょ?」

「ほたえなや‼こっちは必死じゃきにそんな戯れに付きおう気はないがじゃ。」

「まぁまぁ、1、2個くらいなら毒じゃないのは本当さ。さっきの君みたいにいっぱい食べちゃうと平衡感覚失ってぶっ倒れちゃうけどね。」

笑顔でサムズアップをしてくるラトに自然と殺意が湧いてくるが、残念ながら今の以蔵に殺意をぶつける余力は無かった。

「フフッ、だまされたと思ってさ、ちょっと姿勢を正しておへその辺りに力を入れてみてよ。そんで利き手で体内の毒を吸い取るように想像しながら、撫でてみて。」


 以蔵はラトに言われた通りに姿勢を正し、言われた手順に従っていく。疑いが無い訳ではないが、手持ちの物にちょっとした丸薬も無いのだから、ダメでもともと自称神の言葉に従うしかなかった。


「利き手が熱を持ってきたら毒物を掴むように手を閉じて。それから遠くへ投げてみよう。」

ニコニコと身振り手振りで説明する姿は、ふざけているようにしか見えない。だが、今の以蔵にはそんな自称神しか縋る物がないのもまた事実だ。なにより、先ほどから体温が上がり、体が軽く感じる。自分の体ながら、なんとなしにしか理解できないが、体内の血液が流れるのが速くなっているような、血管が太く増強されているような、不思議な感覚だ。


 「どうだい?体がスッと楽になっただろう。もうふら付いたり吐き気も感じないはずさ。」

 

言われてから、確かめてみると、先ほどの言いようのない吐き気はなくなっている。その場でトントンと足を使ってはねてもみたが、やはり体がとても軽くなっている。今なら夜通し走って山を下りても、多少疲れる程度で済みそうなほど調子がいい。副次効果なのか、気温の低さからくる寒さも感じないのがさらに有難い。慣れているとはいえ、寒さに耐えながらの野宿は体に堪えるのだ。


「これが錬気って奴さ。君の想像以上だったろ?これなら魔法も新手見たくなったでしょ。だからその刀に掛ってる右手を外してくれないかな?」

 ラトがクスクス笑いながら説明している最中で、以蔵は体の調子を確かめながら、一歩後ろに下がる。そして、流水のように滑らかな動きで、そっと七以斬に手をかけていた。次に怪しいことをしたらそっ首落とすぞ。という、以蔵なりの威嚇だ。

 

 流れるような動きを目の当たりにしたラトは自分の心が昂るのを感じる。動きとしては速い訳ではない動きだった。ただ、綺麗な動きでしかなかった。しかし、その動きを追っていたはずのラトが認識できたのは、事の始まりと結末だけだった。

 全部を見ていたはずなのに、気付けば目の間に臨戦態勢の以蔵が居合の構えを取っている。それは自身が瞬時に警戒できなかったという結果だった。


 いいじゃない。とてもいいじゃないか。ラトはただ心に響く面白そうという感情の昂りを感じる事しかできなかったのだが、それをおくびにも出さずに言葉を続けた。


「それにさ、さっきの解毒は僕が補助してやったんだぜ。解毒ってのは、錬気のレの字も知らないやつが聞いただけで、できるようになるもんじゃないんだよ。そして、往々にして、手ほどきができる奴は逆の事もできものさ。もちろん次は補助なんかしないよ。」


 ラトは今までにないような表情でニタリと微笑みながら以蔵を睨む。その視線を感じて以蔵の体に悪寒が走る。本能的に相手にしたくないタイプだ。そもそも、相手は自称神、人のように斬れる保証もない。


「おまん、本当にいい性格してるぜよ。まぁいい、次はほたえんなや。」

以蔵がスッと刀に掛けた手を下ろすと、ラトは普段の…人を小馬鹿にしたようなニコニコ顔に戻る。

 こうしてみていると確かに美少女だ。喜んで距離を開けるタイプと付け加えられるが…


「おいおい、無貌の神がおふざけをしないなんて、この世の末だよ。大体、君がこうして生きているのは、僕の純真なおふざけの結果なんだぜ?もう少しこの女神様に感謝してもいいんじゃないかな。」

「その代わりに儂はおまんの玩具なんじゃろ?なら、感謝する筋はないがじゃ。」

「アハっ良いね。やっぱり君を拾ってよかったよ。日本の同族は褊狭だね。こんな面白そうな人を投げ捨てちゃうんだもの。」

 そこで言葉を切ると、ラトはスッと一本の獣道指さす。ラトの指を追うように、以蔵もその方角に注意を向けると、微かにだが女性の叫び声が聞こえる。怪訝な表情を浮かべる以蔵とは反するようにワクワクした表情をラトは浮かべている。この場にいる神と人は物事に対する捉え方が極端に違うのだ。


「ほら、以蔵。走っていかないと間に合わないぞ。」

「おまん、コレを見に来たがか。なんちゅーかホンに暇なんじゃの。」

 以蔵はそっと毒づくがその口調は強い憤りと、ラトに対する呆れにも似た感情を含んでいた。言葉を発するのと同時に臨戦態勢を整えた。腰から外した小刀と小銃を拾いながら颯爽とラトの指さした方角に全速力で走っていく。ラトは相変わらずといった様子で以蔵の斜め後ろあたりに浮きながら付いて行く。


「さぁさ以蔵君。魂の第2ステージだ。君のこれからの冒険が、暗い夜道になるか、月明かり程度の夜道になるかは、彼女の物語の結果次第だ。存分にこの無貌の神を楽しませてくれたまえ。」


実は、前回の2話が長すぎたので分割したのがこの3話。

1話当たりの文字数は3000~5000文字前後で纏めていくつもりですが、気付くと10000文字超えてたりする。それだけ、話をまとめる力が無いということなんですがね・・・


さてさて、以蔵君はようやっと初イベント発生‼彼は前世?の通り強いのか、何より違世界でその力は通用するのか⁉次回こうご期待。


PSそのうち違世界表記を辞めて異世界と書き出したら、「あ、コイツ変換放棄しやがった。」と生暖かい目で突っ込んでくださいwだって、めんどいんだもん。

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