リベンジ!!!
少し長くなった気がする。
宿屋の窓ガラスから太陽光が俺の顔を直撃して、俺は目を覚ました。
「んぁ、……んーーー」
目を擦り、伸びをする。寝ていて固まった体を動かしボキボキと音が鳴る。
横を見ると仲間が寝ていた。皆が気持ちよさそうに寝ている。
皆を起こさないように慎重に動く。ちなみに今日は俺とラプソディがパーティーでの活動に復帰する日だ。
今日は迷宮に潜るため、昨日から準備していたのだが再確認だ。1度恐ろしい目にあったので余計に緊張する。緊張をほぐすため外に出て体を動かすことにした。
「よし、行くか」
俺はドアを開いて外に出た。
周りを見ると剣やら武器を持った武装した人が数多くいる。ここは迷宮の前の広場。
俺達超越者の道は迷宮にリベンジと言えることをする。1度恐ろしい目にあったがまた挑むのだ。
迷宮に挑むメンバーは俺、ラプソディ、アイル、ライム、レイ、魔物を殺す者、ナツホ。魔物を殺す者とナツホはもしもの時でそれ以外では何もしないとのこと。前回あんなことがあったので同行することになったのだ。
「準備はいいか?」
俺が聞くと皆が頷く。
「じゃあ行くか!!!」
「おーーー!!!」
掛け声と共にみんなで拳を天に突き上げた。
迷宮は前に入った時と一緒だった。
青い地面、青い天井、青い壁。所々に結晶が壁から出ている。久々に来て緊張が増す。前回のようなことが起きるかもしれないと言う言葉が脳裏を過ぎる。
緊張がさらに増し、足が動かなくなる。
俺の事を感じたのか、ラプソディが俺の手を握る。俺は手を握ったラプソディを見る。
ラプソディは目をしっかり俺に向けながら言った。
「大丈夫じゃ、長谷川。何故なら超越者の道じゃぞ?超越者の道を進もうとするもの達がこんな所でびびっても仕方ないのじゃ。しかも魔物を殺す者がいるのじゃぞ?大丈夫じゃ」
そうだな。きっと大丈夫だ。1度失敗したけどそこから学んだんだ。さらに魔物を殺す者がいる。きっと大丈夫だ。
俺はラプソディの言葉を聞いたら足が動くようになった。
「ありがとうラプソディ。おかげで緊張が取れた気がするよ」
俺の言葉にラプソディはVサインをした。
「あまり緊張を解くなよ」
そう言ったのは魔物を殺す者だ。
「大丈夫ですよ」
「そうか……ならいい」
俺達は迷宮を進んだ。
迷宮は順調に進めた。現在いるのは第10層だ。それまでの道中は罠などに気をつけて進んだ。あとはそこまで変わらずに魔物の数が増えたりとかだった。ちなみに前に俺とラプソディがいたのは14層だったそうだ。……遠くね!!!そんなことを思いながら進む。ちなみに隊列はラプソディが先頭、次が俺とライム。後列がアイルとレイだ。魔物を殺す者とナツホはその後ろにいる。
第10層はこれまでと同じ青い天井、青い床、青い壁だったが魔物の数が多くなった。
出てくる魔物はハイコボルト、ミイラ男、ワーム、バットフィッシュが出るとされる。
ワームとはミミズみたいな見た目で地面を潜り魔法で攻撃する。使う魔法は「土弾」「岩弾」
「土弾」は土の塊を放つ魔法だ。威力はそこまで高くないが目を眩ませることに使えるそうだ。
「岩弾」は尖った岩を放つ魔法だ。ワームのメインウェポンだ。
バットフィッシュはコウモリと魚が合体した見た目をしているらしい。群れで生活して狩りも群れで行う。狩りは群れで魔法を使う。使う魔法は「水弾」
「水弾」は水の塊を放つ。威力はそこそこだそうだ。
ちなみにワームやバットフィッシュは能力持ち出なくても対処できるぐらいだそうだ。しかし数が多い。1匹見たら20匹はいると思えと言われた。
………………どこぞの黒光りするGかな?
そんな奴らがうじゃうじゃいるのが第10層。迷宮は恐ろしいと前に実感した。しかし前回の俺ではない。絶対に無事に帰ってやる。
「ここまで順調じゃな長谷川」
ラプソディが話しかけてくる。
「確かにな。けど気を抜くなよ」
「はいはい」
そんなことを話していると地面が盛り上がり、ミミズみたいなのが出てきた。しかし一体ではなく大量にだ。数は10は超えているだろう。大きさは出てきている部分は2リットルのベットボトルぐらいだ。全長はもっと大きいのだろう。
ミミズみたいなのはさっき話したワームだ。ワーム達は魔法の詠唱をして、口を開ける。開けた口の前には魔法陣が広がり、尖った岩が出てきた。絶対に「岩弾」だ。
俺が岩をなんとかしようとする前にラプソディが動いていた。ラプソディは回転してそのエネルギーを使い尻尾で岩を砕き、そのままの勢いでワームを攻撃して魔石に変えた。大量のワームを高速で処理して魔法を放つ間も無く、攻撃し魔石に変えた。あまりにスムーズに行ったので俺は驚いた。
すげぇなラプソディ。俺も頑張らないとな。
俺が驚いているうちにラプソディは魔石を回収していた。
ラプソディは魔石を回収し終わると言った。
「さっさと進むのじゃ!!!」
ラプソディの言葉にメンバーが反応する。
俺は剣を握り言う。
「そうだな」
アイルは拳を握り言う。
「さっさと行こうぜ!!!」
ライムは剣を抜き言う。
「進みましょう!強くなる為に!」
レイは弓を構え、言う。
「えぇ、強くなる為に!!!」
俺達は迷宮を進む。




