偶然か、迷宮《ダンジョン》の悪意か……それとも
迷宮の大部屋。ここには魔物が大量にいた。二十体はいそうな数。そこに果敢に挑むものがいる。それが冒険者だ!!!!!
「じゃあ行くかの」
ラプソディが立ち上がり、いつでも行けるようにする。
「あぁ、準備完了だ」
皆が準備が終わってるのを確認し、答える。
「行くのじゃ!!!「竜の息吹」」
ラプソディが大部屋の前に立ち、炎を吐く。俺は少し後ろにいる。アイル達は俺よりも後ろにいる。
ラプソディが吐いた炎はミイラ男を焼き、爆発が起きた。
「!!!!!」
予想外の爆発に俺達は困惑する。爆発はミイラ男を吹っ飛ばし、木っ端微塵にしたが、俺達にも被害が出た。ラプソディは爆発に巻き込まれ、高く打ち上がり、天井に頭をぶつける。俺は被害は軽いが、まだまだ被害はある。
爆発によって迷宮の地面が崩れた。地面が崩れ、穴が出来ている。まるで元からあったかのように。迷宮によって仕組まれた罠と、俺は思った。穴は大きく、ラプソディがいた所ぐらいまでの広さだった。
爆発によって吹っ飛ばされた、ラプソディは爆発によって出来た穴に落ちていった。ラプソディは能力で飛べる。飛んでいないからおそらく気絶してるか、羽が傷付いて飛べないのだろう。
「ラプソディーーーーー!!!!!」
俺はラプソディが落ちた穴に向かって走ってラプソディが落ちた穴に飛び降りた。穴は底が暗く見えなかった。
「 「 「 「 長谷川ーーーーー!!!!! 」 」 」 」
仲間達の声が聞こえたが俺はもうラプソディが落ちた穴で落下している。
「糸!!!!!」
アイルが糸を伸ばすが糸が伸びる速度より落下速度の方が速く糸が来ることはなかった。
「ラプソディは俺に任せろ!!!何とかする!!!」
俺はアイル達にそう言った。ラプソディを助ける方法はこれしか出来ない。
「鞭」
能力で鞭を出し、鞭でラプソディの足を結び引っ張る。中々の無茶だか、これしかない。
「唸れ!!!俺の鞭の実力!!!」
俺は鞭を振るい、鞭でラプソディの足を結んだ。人間やれば出来るもんだなと感心しながら引っ張る。ラプソディを引っ張って元の所に戻すのは出来ない。ならば俺の所まで引っ張る。
鞭を引っ張り、ラプソディを近くに寄せ、ラプソディを掴む。
「ラプソディ!!!おい、ラプソディ!!!」
ラプソディに呼びかけるが返事はない。気絶している。
そろそろ地面が見えてきた。
やばい、やばい、やばい、やばい、やばい。このままだと二人ともお陀仏だ。少しでも衝撃を和らげないと死ぬ!!!……そうだ!!!
俺は案を思いつき即刻実行する。これが意味をなさなかったら死ぬ。
「槍」
能力で槍を出し、迷宮の壁に突き刺す。これで少しは衝撃が和らぐはずだ。
能力で出した槍は壁に刺さったが直ぐにボキッと折れた。しかしこれでも落下速度が落ちた気がする。俺はめげずに槍を出し、刺した。
「槍」
槍は壁に刺さったが直ぐに折れた。
「まだまだぁー!!!槍!!!」
槍を壁に突き刺す、が直ぐに折れる。
そこで気がつく。地面が近い!!!!!
「ラプソディ!!!!!」
俺はラプソディを庇うように地面に激突した。
「がハッ!!!」
激突した衝撃が体を駆け巡る。頭は打たなかったが余りの衝撃をくらい、俺は意識を手放した。
*** *** ***
「ーーがわ!!!はーがわ!!!」
少女の声がだんだん大きく聞こえる。
「長谷川!!!起きるのじゃ!!!」
聞き慣れた声が聞こえ、俺は起きる。
「…………ラプソディ?」
周りが暗い中ロウソクを持っている少女に聞く。
「妾じゃ!!!しっかりするのじゃ!!!」
ラプソディが俺の肩を持って揺らしてくる。
「ラプソディ離してくれ。もう大丈夫だ」
ラプソディは俺の言葉道理に離してくれた。
「もう大丈夫なのか?それと長谷川。ここはどこなのじゃ?」
「あぁ、ここはおそらく迷宮の下層だろう。具体的には知らん」
ラプソディは俺の答えに首を傾げる。
「なぜ下層なのじゃ?それに他のみんなは?」
「ラプソディの記憶はどこで途切れている?それを知りたい」
ラプソディは質問に答えなかったのがいけないのか頬を膨らました。
「妾の記憶は「竜の息吹」を吐いた直後からないの。気がついたらここにおって長谷川が倒れていたのじゃ」
「わかった。じゃあその後何があったのか説明する」
「わかったのじゃ」
俺はその後に起きたことを説明した。ラプソディが息吹を吐いた後爆発した事、ラプソディが落下して俺が助けようとした事などなど。
ラプソディは俺が話した内容に驚き、落ち込んでいた。
「…………そんなことをが起きたのじゃな。これは妾のせいじゃ」
「いや、俺のミスだ。俺の確認不足だったのさ。ラプソディは指示された事をやっただけだ」
「……そうか」
ラプソディはそう言って上を見上げ驚愕の表情をしている。
「のぅ、長谷川。天井の光が見えないのじゃが……」
「?何言ってんだ?周りが暗いんだから天井の光が見えないのは当たり前だろ?」
「それはそうじゃが、長谷川は落ちてきたと言ったな。しかし天井には穴なんてないのじゃ。穴があれば光が見えてもおかしくないじゃろ?」
「まぁそうだな。……今なんて!?」
天井の穴がない!?落ちてきた穴がない!?なんで!?
俺は天井を見るそこに写った光景は信じたくないものだった。
「嘘だろ!?なんで穴がない!?」
俺は驚愕した。穴がなく、天井はしっかりと塞がっていた。
よくよく考えれば起きた時から気づける疑問だ。だってラプソディがロウソクを使っていたんだ。天井に穴が空いていればロウソクなんか使わなくてもよかったかもしれない。けど穴は塞がっていた。ならば部屋は暗くなりラプソディはロウソクを使うだろう。
てかなんでこの部屋は暗いんだ?これまでの部屋は明るかったんだがな。
クソ、穴が空いていれば俺の能力を使って登れたかもしれないのに。これじゃあ進むか待つしかないな。
「のぅ、長谷川。長谷川は落ちてきたのじゃな」
ラプソディはさっきの質問をしてきた。
「あぁ、てかお前も一緒にだけどな」
「妾は長谷川の言葉を信じるのじゃ」
「そうかい、それはありがたいね。ところで話は変わるがこれからはどうする?」
ラプソディは若干呆れ顔になっている。
「ほんとに話が変わるの。これからどうするじゃと?もちろん動くに決まっておろう。上に繋がる階段を見つけ登るのじゃ!!!」
「そうは言うけど出来るのか?」
「うぐっ!!!」
ラプソディの体は爆発に巻き込まれたせいでボロボロだ。
服がボロボロでラプソディの豊満な胸が見えそうだ。………………やったぜ。そんなことは置いておいて、羽は形が綺麗ではない。今の状態では満足には飛べないだろう。
「のぅ、長谷川。今確かにエロい視線を感じたのじゃが、気の所為じゃよな?まさかこんな時にまでそんなことを考えとるやつなんておらんよな?」
ラプソディの顔が怖い。
「そ、そんなやつはいないよ」
「声が震えておるぞ」
「気の所為です」
「そうかの、ならばよかったのじゃ」
俺はフゥーと息を吐く。
「んでどうする。進むか?進まないのか?ラプソディに任せる」
「なんで妾なのじゃ。まぁよかろう。進むのじゃ」
ラプソディの答えを受け、俺達は進むことにした。




