迷宮《ダンジョン》
青い地面、青い壁、青い天井。所々結晶が壁から出ている。俺には見慣れない幻想的な光景に見える。ここは迷宮。一括千金を狙い数多の冒険者が挑み、朽ちた場所。俺達は今迷宮に挑んでいる。
なぜ、迷宮に挑んでいるの?と思う人もいると思う。なのでここまでのことを説明しよう!!!
〜回想シーン〜
俺達超越者の道は魔物を殺す者達に特訓をしてもらっていた。特訓開始から1週間経ち、特訓が終わろうとしていた。
〜ギルド〜
「長谷川、話がある」
鎧を着込んだ男、魔物を殺す者が俺に話しかけてくる。
「なんですか?特訓が終わって強くなったか、確認するために依頼をどうしようか、考えているんですよ!!!」
「そんなことは必要ない。特訓の成果を確かめるにはちょうどいい所がある。そこに行く」
「特訓にちょうどいい所?どこですか?そこ」
俺の質問を聞いてため息を吐く、魔物を殺す者
「迷宮だ。」
迷宮。それはファンタジー物ならば大抵の作品にある、テンプレ中のテンプレ。しかしこの世界にも迷宮と呼ばれるものがあるとは知らなかった。もっと調べなくてはな。
「迷宮ですか、どんなところですか?」
「危険なところだ。常に死と隣り合わせで気を抜けば死ぬ」
そういうのを聞きたい訳では無いのだが……まぁいい。
「それで、迷宮はどこにあるんですか?」
「馬車で4日ぐらいかかる所にある迷宮都市にある」
4日もかかるのか。この世界では近い方かもしれないけどさ。アイルが死にそうになるな。あと迷宮都市。聞いた事のない言葉だ。
「迷宮都市ってなんですか?」
「迷宮都市は迷宮によって成り立っている都市の事だ。簡単に言えば、迷宮の周りにある都市の事だ」
迷宮によって成り立っている都市か……それで成り立つものなのか?まぁ実際何とかなっているから今でもあるのか。
「迷宮にはいつ挑むんですか?」
「明日、この街で準備をして、明後日、迷宮都市ラブリに向かう。4日後ラブリに到着して休憩してから迷宮に挑む」
「すぐには行かないんですね」
魔物を殺す者は立ち上がり、低い声で告げた。
「あぁ、迷宮は準備を怠ったやつから死んでいくからな。このことは今日、仲間に伝えろ。明日ギルドに9時に集合だ。それから準備をする」
それを言って魔物を殺す者はギルドを去っていった。
俺は迷宮に行くことを仲間に伝え、明日準備をすることも伝えた。
「迷宮なのじゃな!!!少し楽しみなのじゃ!!!」
ラプソディは立ち上がり声を上げる。
ラプソディは迷宮に行くことになって興奮している。
「迷宮は燃えますね!」
ライムも立ち上がり声を上げる。こいつも興奮してんな。
「あぁ、燃えるぜ!!!」
アイルもラプソディ達に同意している。アイルは立ち上がらなかった。
「私はドキドキします。大丈夫でしょうか?」
レイは心配しているようだ。
ちなみに俺は怖くてたまらないよ。だって迷宮だよ!!!
ライトノベルなんかではファンタジー物が流行っている。その時に迷宮などもあるのだ。大抵の迷宮は沢山の人が挑み、死ぬ。そんなものだ。そんなのに行く?シャレになってない。見るのはいいが、実際やるのは嫌なのだ。
内心ガクブルだが、こいつらにそれを言うとからかわれる気がする。特にラプソディ。
まぁ泣き言を言っても変わらないしな。頑張りますか。
そうして夜を超え、朝を迎えた。
朝になり、迷宮に挑むための準備を始める。迷宮都市でも準備は出来るが、やっておいた方がいいと魔物を殺す者に言われ準備をする。
準備は順調に終え、明日の馬車でマッドの街を出て、迷宮都市ラブリに向かう。ちなみに魔物を殺す者と魔法使いのナツホさんが一緒に来てくれるようだ。しかし迷宮は一緒に攻略しないが。
今は馬車の上でがったんごっとん揺れながら進んでます。アイルはいつも道理にグロッキーです。
馬車の上では気を抜いてダラダラしているのでは無く、迷宮について教えられている。どんな魔物が出てくるか、どの魔物はどんな対応をしたらいいか、などなど。迷宮のルールなども教えられた。
魔物を殺す者曰く、知識があればその分生き残りやすくなる。との事。
馬車に揺られながら勉強するのは体力を一気に持ってかれました。馬車に乗りながら勉強して4日が経ち、迷宮都市ラブリに着いたのだった。
迷宮都市ラブリは人混みが凄く、慣れてない人は人混みで酔いそうだ。武器屋や商隊などが所狭しといる。迷宮都市はいい武器などが手に入りやすいらしい。迷宮は冒険者が数多く挑む。そこを狙う鍛冶屋や商人などが多いらしい。
迷宮都市は他にもあってそれぞれ難易度が違うらしい。
今回来た場所。迷宮都市ラブリは1番簡単と言われる迷宮だ。能力持ち出なくても挑める場所らしい。他のところは能力持ち出ないと厳しいらしいが。
迷宮の名前はミノス。この迷宮の主、ミノタウロスから取ったらしい。この迷宮にはミノタウロスが出現するらしい。
ミノタウロスは顔が牛で体は人間の魔物だ。手には斧を持っている。その斧の一撃は簡単に人間が真っ二つになってしまうらしい。
しかしミノタウロスが出るのはこの迷宮の最下層ぐらいらしい。ちなみに迷宮の主はlv9ぐらいではないと勝てないらしい。しかし部下のミノタウロスはlv4くらいで倒せるらしい。……何だこの差は。
俺達はこんな迷宮に挑むわけだ。まぁ最下層なんか行かないけどね。
迷宮について教えられて疲れた。俺達は明日迷宮に挑むため準備をしてから寝た。
そして今日は迷宮に挑む日だ。迷宮の見た目は塔みたいだった。高さは100メートルくらいありそうな高さだった。ちなみに迷宮は塔の地下を進む。
迷宮の入口には人が思ってたよりもいる。ちなみに迷宮の前には魔物を殺す者がいる。俺達をいつでも助けれるようにだとさ。……優しい。
そんな優しさを感じながら俺達、超越者の道は初の迷宮に挑むのだった。
〜回想シーン終了〜
迷宮の中は青かった。あぁ、それはもう青かったよ。壁も床も天井さえも青かったよ。しかしそんな色なのに中はシーンとした緊張感漂う空気だった。今俺達は第1層にいる。
「まだ、魔物と会ってないのじゃ」
ラプソディがつまらなそうに言う。
「合わない方がいいんだよ!!!」
俺はラプソディの言葉に反応する。
「 「 「えーーーーー」 」 」
俺の言葉にラプソディとライムとアイルが声を揃えて言う。
そんなことを言っているうちに前には魔物がいた。
「!前方に魔物の群れ発見。どうしますか?」
レイがそう言いながらいつでも戦えるように弓を構えている。
「戦うぞ!!!構えろ!!!」
出てきた魔物はコボルトと言われる魔物だ。犬の顔をして、体は人間の魔物だ。身長は子供と同じでラプソディと同じか少し小さいぐらいで手にはナイフを持っている。数が20体ぐらいいる。子供が20人武器を持って来るとかよくよく考えると怖いな。
俺の声に反応したのか、コボルト達は一斉にかかってきた。
「妾が行くのじゃ!!!「竜の息吹」
ラプソディが吐いた炎はコボルト達を一斉に焼いた。
焼かれたコボルト達は床を転がり回っている。
これはチャンス!!!
「今だ!!!かかれ!!!」
「 「 「貫通」 」 」
俺とレイとライムが技術「貫通」を発動させて矢を放つ。放たれた矢はコボルト達を貫き、魔石に変えていく。
「まだ残っているな!!!「糸」
アイルの手から糸が出てきてコボルト達を縛る。縛られたコボルトは身動きが取れず、じたばたしているだけだった。
「まだいるのじゃ!「竜の爪」
ラプソディが振るった爪でコボルト達は1匹残らず魔石に変えられた。
「ふぅー、これで終わりか。これがずっと続くと考えるときついな」
俺は魔石を拾いながら言う。
「そうじゃな」
ラプソディは周りを警戒しながら答える。
「確かにな。今回は弱かったが、これから強い魔物も出てくると考えるときついな」
「そうですね、矢なども数が限られていますしね」
「ねぇレイ、それは間違っていると言えるよ」
ライムがレイにそう言った。
「えっ!!!そうですか!?」
ライムの言葉に驚きを隠せないようだ。
「だって、長谷川の能力で出せるし、私の中にも矢は入っているしね。だから矢は尽きることはないと思うよ」
ライムは手をスライムにしてそこから矢を見せる。
「そうですね。それは安心ですね」
レイは知らなかったのか。
……しかし仲間の情報を知らないのは致命的になるのではないだろうか?
これは情報を交換した方がいいな。
「なぁ、お前ら、一旦進むのは辞めて、それぞれの出来ることを言い合わないか?」
俺の言葉に反応して皆が顔を見てくる。
「なんでじゃ長谷川?まだ、止まることは起きてないのじゃ」
「そうだぞ、まだ誰も怪我をしてないじゃないか」
こいつら人の話を聞いてないのかな?
「待て待て、話を聞け!いいか?……」
俺は思っていることを提案した。
「なるほどね、長谷川の考えは分かったよ。私も情報を共有した方がいいと思う」
「わかったのじゃ。ならば早速やろうではないかの」
俺達は早速、自分が出来ることを伝えた。
俺達は自分が出来ることを伝え、再出発しようとしていた。
「よし、行くぞ!」
「 「 「 「おう!!!」 」 」 」
皆が声を合わせて答えた。
答えたと同時に少し遠い壁にヒビが入る。
バキバキ、ビキビキ、そんな音が迷宮に響く。ヒビが入った壁は割れ、割れた壁から魔物が出てきた。
ーーこれが、迷宮で死者が多数出る理由の1つとされている。突如壁が割れ、魔物が出てくる。これにより、迷宮内では気を休めることもままならない。
もちろん戦っているうちにもこれは発生する。そのため魔物の増援が起こるわけだ。数で押され、死んだ冒険者は星の数ほどいると言われる。
出てきた魔物はハイコボルトと言われる魔物だ。
ハイコボルトは大人のコボルト。この一言で片付く見た目をしている。身長は160センチくらいで顔は犬、体は人間。手にはショートソードと盾を持っている。数は先程のコボルト達よりも少なく見える
こいつらもいきなり襲いかかってくる。
「こいつらはさっきのヤツらの親かな?どう思うラプソディ?」
俺はそう言いながら弓を引き絞る。
「そんなことを考えるのじゃったら体を動かすのじゃ!!!「竜の息吹」
ラプソディがハイコボルト達に当たる位置に息吹を吐く。
ラプソディの炎を盾でガードしている。ラプソディはそれを見て、舌打ちをしている。すかさずハイコボルト達はラプソディに近づき、剣を振るってくる。
振るわれた剣はラプソディの肉を裂き骨を断つ……ことはなく、ラプソディは剣を難なく回避する。回避したラプソディは拳を握りしめて構え、放つ。
「竜の鉄拳!!!」
放たれた拳はハイコボルトの腹をぶち抜き、ハイコボルトを魔石に変える。
ハイコボルト達はラプソディに果敢に挑むが全員が剣を当てることも無く魔石に変えられる。
……話には聞いていたけどここまで圧倒的とは。
先程も言ったがここは1番簡単な迷宮で、能力持ち出ない人も入れる迷宮だ。そんな中能力持ちが行けば最初のうちは簡単に倒せると聞いた。しかも俺達は全員が能力持ちだ。
もちろん能力持ちでも油断すれば死んでしまう。それが迷宮。
だから油断せずに戦った。しかしこれを見ると油断しそうになる。だってここまで圧倒的だとね。
しかし油断は行けない。油断大敵と昔の人は言ったのだ。
「油断すんなよ」
俺の言葉にビクリとなった。……全員が。
「気を引き締めていくぞ!」
「 「 「 「おう」 」 」 」
俺達は気を引き締め直して迷宮を進む。
久しぶりにこんなに長く書いた気がする。




