魔物を殺す者達《モンスタースレイヤーズ》
先に言っておきますが作者はすぐ影響されます。
今日も今日とて冒険者ギルドに来ていた、俺達。しかしいつもより騒がしかった。
騒ぎの中心を見ると見たことのない人が5人いた。
1人は薄汚れた兜と革鎧、鎖帷子を着ている。腰には片手剣があって左手には小盾が着いている。
1人は綺麗な女性だ。革鎧を着ていて手には弓、腰には矢筒を付けている。そして特徴的なのが尖った耳。この尖った耳はよくあるファンタジーの種族。エルフの特徴。おそらくエルフかと思われる。
1人は緑色の皮膚をしていて尻尾がある。人間ではないのは明らか。おそらく人間に友好的なリザードマンか、竜人と思われる。皮膚の色的にリザードマンかな?
1人は身長が150センチくらいの髭生やしたおっさんの見た目をしていて手と足は短く、ちょっと太っている。言わばずんぐりむっくりした体型をしており、武器らしい武器は持っていない。
1人は女性だ。神官のような見た目をしており、手には長杖を持っている。
……この5人は統一感がないな。だって鎧、エルフ、リザードマンと思われる人、おっさん、神官。統一感のとの字もないぞ。この人達は一体誰なんだ?そう思っていると声をかけられた。
「長谷川じゃん。今日も依頼か?」
いつものナンセ先輩だ。このタイミングの先輩はありがたい。早速聞くとしよう。
「先輩、あの人達は一体誰なんですか?俺は知らないんですけど……」
俺は統一感のない人達を指で指す。
「あぁ、お前は知らないのか、あれはこの街出身の冒険者で、そして最優の冒険者と言われる、パーティーだ。パーティーネームは魔物を殺す者達だ」
驚きだ。最優の冒険者と言われるパーティーに会うとは。
どれだけの力を持っているのかが気になるが、先輩は知ってるかな?
「先輩、あの人達はどれぐらい強いんですか?」
「確か、能力のlvは9って聞いたな」
………………lv9!!!!!うそ〜〜〜ん絶対勝てない。てか、最優のパーティーでlv9なのか。それぐらいが最大のlvなのかな?
「なぁ長谷川」
俺が先輩の話を聞いているとラプソディが話しかけてきた。
「どうした、ラプソディ」
ラプソディは魔物を殺す者達を指さして言う。
「彼らと戦ってみたいのじゃ!!!」
「アホか!!!」
俺は拳を頭に加える。ラプソディは頭を抑えながら言う。
「なんでじゃ!別によかろう!」
「よくねーよ!!!やったところでボコボコにされて終わりだ!!!この後依頼を受けて行くんだから、変なことすんな!!!」
ラプソディは納得してないのか、頬を膨らましている。
「いいのではないか!!!1回だけじゃ!!!」
ラプソディが手を合わせてお願いしてくる。しかしこちとらこの後依頼を受けるのだ。ラプソディが戦って怪我をして、依頼に支障が出たら俺達はタダでは済まない。
「ダメだ。ラプソディが怪我をしたら依頼に支障が出る。それで死ぬかもしれないんだ。そんなにお前は仲間を危機にさらしても戦いたいのか?」
俺の言葉にラプソディは俯いた。
「…………わかったのじゃ」
ラプソディが納得したのを確認して俺達は依頼板を確認しに行こうとしたら声がかかった。
「ねぇ!そこの女の子!!!私たちと戦いたいんでしょ?なら戦ってあげようじゃない!!!!!」
その声の主は革鎧を着ていて手には弓を持ち、腰には矢筒を付けていて耳が尖っている女性。魔物を殺す者達のエルフが声をかけてきた。
「ラプソディ、反応すんなよ。絡まれると厄介だ。反応したら怒るからな」
俺はラプソディに小声で言う。ラプソディは頷いている。お前は戦いたいのかわからないな。……もしかして俺の油断を誘ってる?そんなことを思っているとエルフがさらに声をかける。
「ねぇねぇ、そこの小さい女の子~!私達と戦いたいんでしょ〜〜ねえなんか言ってよ〜」
俺達は無視して、依頼板に向かっていると、突如横から突風が吹き荒れる。俺達が驚いていると目の前にはエルフがいた。チラリとエルフがいた所を見てみると床が凹んでいた。地面を蹴ってこうなるとか、やばいな。
俺は内心に思う。
これが最優の冒険者のパーティーメンバーの実力か……と。絶対に勝てない。たとえ俺が百人いたとしても勝てる気がしない。ラプソディもその事に気がついたようだ。てかこの場にいる全員が思っているだろう。
「無視は酷くない〜!私は悲しいよ。けど戦ってくれたら許そうかな?」
完璧に言ってることは脅しだ。大丈夫かよ、この人。
「これこれ、あまり、新人に絡むんじゃないよ、これだからエルフは凶暴とか言われるんだよ」
そう言ったのはずんぐりむっくりした髭を生やしたおっさんだ。
おっさんの言葉にエルフは激昂する。
「なんですってずんぐりむっくりドワーフが!!!」
あのおっさんはドワーフなのか?そんなことを思っていると2人の口論は激しくなっていく。
「まぁまぁ二人とも落ち着いて」
「二人とも落ち着いてください!」
2人の口論を止めたのは同じパーティーの神官とリザードマンが止めた。その間に鎧を着ている人が近づいてきた。
「うちのパーティーメンバーが迷惑をかけたな。よかったら、飯を奢るよ、どうかな?」
思ってたよりも気さくな人だ。さらに飯を奢ってくれる?これは乗るしかない。
「そうですか、では奢ってもらいましょうかね」
俺達、超越者の道は魔物を殺す者達に奢ってもらうため、食堂を共に目指し歩いた。




