筋肉モリモリマッチョマンの変態
今回は短いです。
あと祝25話
俺は気がつくと平原にいた。何も無く地平線の彼方まで見える。周りを見渡していると声が聞こえた。
〜筋肉モリモリマッチョマンの変態〜と。それが聞こえて五秒後くらいにまた聞こえた。筋肉モリモリマッチョマンの変態と。次は4秒後くらいしてから筋肉モリモリマッチョマンの変態と。さらに短いペースで聞こえる。俺が聞こえる言葉に気を取られていると周りには筋肉モリモリマッチョマンの変態が沢山いた。……まさしくではない。これは地獄だ!!!
俺がそう思っていると筋肉モリモリマッチョマンの変態が近ずいてくる。俺は逃げる。ひたすら逃げる。しかしまだ声は聞こえる。筋肉モリモリマッチョマンの変態と、言ってくる。そして筋肉モリモリマッチョマンの変態が近ずいてくる。速い!あっという間に捕まりそうだ。俺は全速力で走るが虚しく捕まる。
「うわぁぁぁぁーーー!!!やめろーー!!!乱暴するんでしょ!?エ○同人みたいに!エ○同人みたいに!」
大事なことなので2回言った。俺は抵抗するが筋肉モリモリマッチョマンの変態に手足を抑えられる。何をされるのかと思っていると聞こえる声が大きくなった。
筋肉モリモリマッチョマンの変態。筋肉モリモリマッチョマンの変態。聞こえる声。どんどんと大きくなる声。声と共に不安も大きくなる。筋肉モリモリマッチョマンの変態。筋肉モリモリマッチョマン。筋肉モリモリマッチョマン。そして短くなるセリフ。筋肉モリモリ、筋肉モリモリ、筋肉、筋肉、きん筋肉ーその声を最後に意識は途絶えた。
*** *** ***
「はっ」
ばっと飛び上がって起きた。周りを見るといつもの馬小屋《家》だった。
「……夢……か……」
夢とわかり、安心感が胸に込み上げる。
「長谷川、大丈夫か?うなされておったのじゃ」
横を見るとラプソディが座っていた。
ラプソディが俺を心配するように声を掛ける。ラプソディは水の入ったコップを渡してくる。
……意外と優しい所はあるんだな。
俺はラプソディからコップを受け取り水を飲み干す。
「ラプソディ、ありがとう」
俺が素直にお礼を言う。
「長谷川もありがとうが言えるのじゃな」
ふふ、とラプソディが笑う。
「普通に俺もありがとうくらい言うわ。お前にはいつも迷惑かけられているから言わないだけだ」
「そうかの?怪しいのじゃ」
「なんで!?」
「だって長谷川出しの」
「……覚えておけよその言葉」
「やなのじゃ」
ラプソディは舌を出してべーと、する。
「んな事よりはやく依頼の準備じゃ長谷川」
「そうだな。んでラプソディ以外はどこに行った?」
「外で依頼の準備をしておるのじゃ。長谷川が珍しく早く起きてなかったのじゃ。だから疲れているんじゃない?とライムが言っての、だから限界まで寝させることにしたのじゃ」
「……そうか、わかった。急いで準備をしよう」
俺は立ち上がり準備を始める。
「そうじゃの」
「……ちなみに依頼は決まっているのか?」
疑問に思ったので質問する。
「決まっておるのじゃ、洞窟の定期探索なのじゃ。だから安全とは言い難いがそれほど危険ではないのじゃ」
ラプソディから聞いたことの無い言葉を聞いたが定期探索とは、洞窟などで異常がないか探索する依頼だ。1度探索されている洞窟などでやるため、探索と比べると断然安全とされているが異常があった場合はそうとは言えない。
「わかった」
俺は依頼の準備を進めた。




