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異世界コンプレックス  作者: ジャガさん
パーティーで活動するのを決めた長谷川。
24/50

他人の奢りの飯はうめぇ

怒っていた。ああ、それはまさに怒髪、天を衝くと言った様子だ。


「酷くないですか!?忘れるなんて!!!パーティーでは影は薄いかも知れませんが、しかし今日活躍したのに忘れるなんて酷すぎます!!!」

現在怒っているのはレイだ。俺たちが話し合いをしていたら帰ってきたのだが、ラプソディがみんなが忘れていたことを話してしまい、レイはそれを聞き今に至る。


「皆さん酷いです」

レイは プンプンと効果音が聞こえそうな顔でそっぽを向いた。

これはダメだ。機嫌を取らなくてはいけない。

「おい、アイル」

俺はアイルを呼ぶ。


「なんだ長谷川?」

「レイの機嫌を取ってくれ。このまま不機嫌は不味い」

アイルはチラッとレイの顔を見る。


「……そうだけどさ、どうやってとるんだ?」

「俺に聞かれてもわかるわけないだろう。だからアイルを頼ったんだから」

アイルは腕を組んで考える。 ハッとして何か思いついたようだ。


「そうだ!ライムとラプソディの2人に頼るのはどうだ?」


「グッドアイディア!!!早速実行だ!」

俺とアイルはラプソディとライムを呼んだ。


「……という訳だ。あとは頼んだぞ!」

俺とアイルは2人から離れようとすると、ガシッと肩を掴まれた。 俺はラプソディに、アイルはライムに掴まれた。


「おい、長谷川!まさかなのじゃが妾たちに投げる気なのか?」

と言ったらラプソディの力が強くなる。

「おい、離せよ!服が破けるだろ!あとその質問だがさっき答えた。頼んだぞと……」

ラプソディの掴む力が強くなっていく。 肩がメキメキ言ってる気がする。痛いんだけど、すごい痛いんですけど!?


「痛たたた、痛てーよ!!!そろそろHA☆NA☆SE☆マジでやばいから!!!」

「大丈夫じゃ!きっとなんとかなるのじゃ!」

こいつ絶対根拠ねーだろ!

「大丈夫なら俺達は要らないだろ!だから離れようとしたのに肩を掴むなよ!?離せよー!」

俺たちが話していると。


「私を置いてなんの話をしているんですか?」

ドスの聞いた声が響いた。その声の主は黒いオーラを放っている。レイだ。レイが今まで見たことの無いような顔をしている。女性がしてはいけない顔をしている。


「落ち着けレイ!!!落ち着いて話し合おう!話せばわかる!!!」

俺は必死に声を上げる。


「そうやって私を1人にするんですね?」

「違う!!!とりあえず落ち着こう!」

やばい、レイが行ってはいけないゾーンに言ってる気がする。


「おーい、お待たせ!」

俺は声が聞こえた方を向く。そこに居たのは今回奢る約束をした、館長ことマリィだった。


「館長ー!待ってましたー!!!」

俺は大声で叫んだ。




*** *** ***



俺達は今、飯屋にいる。飯屋の名前は飯屋パル。なんでも館長のお気に入りだそうだ。店内は所狭しと客がいる。どれだけこの店が人気かすぐにわかる。


ちなみにレイはすーすーと寝息を立てている。あの後館長に説明して館長が魔法「眠りを与える(スリーピング)」を唱えて眠らした。

俺達は席に座りレイを起こす。


「うん、ここは?」

目を擦りながら起きるレイ。 まだ寝ぼけていそうだ。


「ここは飯屋だ。さぁいっぱい食べるぞレイ!」

勢いで誤魔化す作戦だ。


「そうですね。いっぱい食べましょう」

ふぅ…よかった。

その後はいっぱい飯を食べて騒ぎまくった。ご飯で驚いたのが唐揚げがある事だ。唐揚げがとても美味しかった。しかしとても高かった。普段食べれる値段ではない。そして飯はどれもとても美味しかった。 しかし問題が起きた。その問題とは……


「マリィさん〜聞いてくださいよ〜仲間にね〜忘れなれたんですよ〜酷くないですか〜?」

レイが酒を飲んで酔っ払ってめんどくさい。そして、


「それは可哀想に〜よちよちしてあげますよ〜」

館長も酔っ払ってめんどくさい。マジ勘弁。ちなみにこのマッドの街がある国、ビカセでは飲酒は自己責任で年齢制限はないそうだ。

よって俺も飲んでいいのだが、俺は20歳になるまでは飲まないようにした。アイルは酒を少し飲んでダウンした。今は水を飲んでいる。ラプソディは俺が飲ませないようにしている。シラフでもやばいのに酒を飲ましたらどうなるか……わかったもんじゃない。ライムは飲んでいない。ライムも20歳になるまでは飲まないようにしているようだ。 んな事考えていたらレイが


「アイル〜水なんて飲まずに酒を飲みなさいよ〜」

アイルは酔っ払いに絡まれたようだ。頑張れアイル。


「そんなことよりレイよ、飲みすぎではないか?大丈夫か?明日は依頼クエストに行くのだぞ?」

ヘラヘラしてレイが答える。


「大丈夫よ〜何とかなるよ〜」

それは大丈夫じゃない奴が答えるセリフだ。


「のう、長谷川。レイも酒を飲めと言っておるのじゃ、だから酒を妾にも飲ませ「ダメだ」なんでじゃ!!!妾はこう見えても15歳じゃぞ!なら大丈夫じゃ!」

謎理論を言われた気がするがダメなものはダメだ。


「いいか?ラプソディ。身長が低いうちは酒は飲まないようにした方がいいぞ。身長が伸びなくなるからな」

実際は 知らんけど!!!適当に言っとけば誤魔化せるでしょ!


「……そうなのか?じゃあ飲まないようにするかの」

疑ったようだが飲まないようにしたようだ。


「そろそろ帰りますね、お会計は頼みますよ」

「おっけ〜まかせて〜」

館長がそういったのを確認して、俺達は店を出た。


「え〜まだまだ飲もうよ〜」

レイが文句を言ってくる。がしかしさっさと帰るんだよ!


「うるさい!酔っ払い!さっさと帰るぞ!アイル、レイを担いで」

アイルは嫌そうな顔をしたがしぶしぶレイを担いだ。レイは抵抗したが抵抗も虚しく担がれている。アイルの脇に担がれているレイ。


「離せ〜、アイル。今ならセクハラで許そう」

レイが冤罪をかけようとしてくる。


「なぁ長谷川。こいつ担ぎたくないんだけど」

めっちゃ嫌そうな顔をしているアイル。どんだけ嫌なんだよ。前世だったら喜んで担ぐやつはいっぱいいただろうに。


「まぁ俺も仲間じゃなかったらそこら辺捨てていたんだけどね、仲間だからそいつ。だから頼むよ」

しぶしぶとした感じで返事をする。


「分かったよ」

そうして 俺達はレイを担ぎ馬小屋()に向かった。

レイを横にしたらすぐに寝た。俺達も寝た。明日の依頼クエストのために。

超越者の道(オーバーロード)の休日が思ったより長くなってしまった。

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