昼食の後。
アイル視点
「あーあ、何しようかな?」
昼食を食べ、店を出て思わずそんな声が出てしまう。やることがないのだ。街を歩きながら考える。
今日は20時に中央広場に集合でそれまでは暇を潰さなければならない。なぜ20時に集合かというと、図書館の館長が長谷川とラプソディに火球を打ったらしく、幸い怪我はなかったようだかその件で奢ってもらうそうだ。しかしどうしたら火球を打たれる事態になるんだ?不思議だ。
まぁうちのパーティーは少しばかり個性が強い気がする。
まずパーティーリーダーの長谷川。能力はロリータ。聞いたことのない能力だ。能力は武器をいくらでも補充できる便利な能力だ。そしてラプソディとよくケンカする。
次はラプソディだ。能力はドラゴンでとても強力な息吹を放つことができるし強力な爪の攻撃ができたりと俺よりも攻撃力がありそうな能力だ。…実際はわからないがな。 そして長谷川とよくケンカする。
次はライムだ。ライムの能力はスライムだ。さらに珍しいと思う。そして俺では勝てない能力だ。だって拳でどうやってスライムを倒すんだよ。不可能だ。そしてよく長谷川とラプソディのケンカを止める。
次はレイだ。レイの能力はトイレの女神だ。…なぜにトイレの女神なんだ?女神でよくね!?まぁ仕方ないけど。トイレの女神は水の渦を作れる能力だ。 そしてたまに長谷川とラプソディのケンカを止める。
ここまで考えたがまともな能力は俺だけでは?
だってロリータ、ドラゴン、スライム、トイレの女神だぜ!俺は糸。1番まともだと思う。そして長谷川とラプソディがよくケンカする。…ふと思ったがこうやって何か考えれば時間を潰せるんじゃないか?…考えすぎて時間を忘れてもいいように中央広場で考えようか。
俺は中央広場に向かって歩いた。
*** *** ***
中央広場は中心に噴水があり、周りに椅子がある。俺は椅子に座り考える。
…まず何から考えようかな?顎に手を当てて考える。
原点回帰。俺がなぜ冒険者を始めたか、理由はある。強くなりたいからだ。さまざまな冒険を通して強くなりたかったから。そして冒険に憧れたから。まだ見ぬ土地、まだ見ぬ景色。これから皆と冒険していくうちにさまざまなものを見るのか、楽しみだな。
そういえばパーティーの皆はなぜ冒険者を始めたんだろう?今度聞いてみるかな。
俺はその後もいろいろ考えて時間を潰していた。
*** *** ***
レイ視点
私は今、店に行って冷やかしをしている。みるだけ見て帰るのだ。しかし私がいた村よりも賑やかで人が多い。
私がいた村の名前はクリン村だ。クリン村で過ごしていたが冒険者に興味を持ち、ここに来て冒険者になった。冒険者の日々は大変だか、楽しい。しかし借金を早々に背負うことになるとは思わなかった。まぁいいけどね。さて、いろいろ見ますか!
私はいろいろ見た。見たことのないものがたくさんあった。例えば草が動物を食べる食動植物などいろいろ。これらは冒険に役立つかも。そう思いさらにいろいろ見た。
*** *** ***
ラプソディ視点
この街は見たことがないものが多い。なので街を探索しよう。
「探索、探索ランランラン♪」
妾は陽気に歌いながら街を探索した。
〜しばらくして〜
………ここ、どこ?道に迷った?これはまずい。まずいぞ!このままでは長谷川にバカにされる!例えば、
「道に迷うとか、やっぱり子供だな」とか、言いそう。すごく言いそう。だれか人はいないか?道を聞けばわかるはず。
人はいないかと思い周りを見るとだれもいない。
ああ〜なんでこんな時にだれもいないんだよ。どうしようか。そうだ、直感で行こう。よし、こっちだ。
そうしてラプソディは直感を信じて進む。
*** *** ***
ライム視点
私はみんなが図書館を出た後も図書館に残り本を読んでいた。
「う〜ん、何かないかな?」
思わず出てしまったか、歩いていい本がないか探す。
「おっこれは、面白そうだな」
私が手に取った本のタイトルは「英雄スバルについて詳しく」というタイトルだった。…なめてんのかな?
まぁいい。本を読んでみよう。本を読むとこんな内容だった。
1ページ目に書かれていたのはこんな内容だった。
「まず、これより記載する英雄スバルについては一つの説である。そこを注意するように。」
この注意書きいる!? まぁいるか、そんなこと思いながらページをめくる。
「英雄スバルは能力が複数あったそうだ。しかし内容がわかっているのが戦神レットの能力だけである」
え〜〜〜!衝撃の真実!!!能力複数持てる説。複数の能力を同時に使えたのかな?そういえば、複数持てる人は今でもいるのかな?そんなことを考えつつ次のページをめくった。
この本を読んでわかったことがある。それを言おう。
まず一つ。英雄スバルは複数の能力を持っていた可能性がある。
二つ目。英雄スバルの名前はマツオカスバルだという。
三つ目英雄スバルが活躍したのは400年前だという。けどこれは実際のところはわかってないそうだ。300年前かもしれないし、500年前かもしれないそうだ。
4つ目英雄スバルは生卵をご飯にかけて食べたそうだ。………これ卵かけご飯だよね?生卵をご飯にかけるなんて日本人くらいしかしない。もしかしなくても日本人だと思われる。そしてそれを仲間に紹介したらなんてもん食ってんだ!と怒られたそうだ。そりゃそうだ。
五つ目後は英雄スバルがやった功績だ。例えばエルフ、ドワーフ、リザードマン、竜人、人間の連盟軍を作ったり。そしてその連盟軍は今でも続いているようだ。
有意義な読書だった。私は本をしまい、他にいい本がないか探した。
*** *** ***
長谷川視点
「はぁ〜食った食った」
腹をぽんぽんしながら街を歩く。新しい友達も増えたし今日はついてるな。この後どうしようかな?なんかないものか。俺は街を探索した。
〜しばらくして〜
「「「「「迷った〜〜〜!!!」」」」」
思わず大声で叫んでしまった。流石に恥ずい。どうしよう、と悩んでいると、
「あっ長谷川!!!」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。助けがきた。と思ったら、そちらを見るとラプソディがいた。
「長谷川〜妾は迷子じゃ、ここから中央広場までの道はわかるかの?」
おい、こいつも迷子かよ。どうしよう。などと考えていると。 ラプソディが聞いてくる。
「なぁ長谷川。まさかとは思うが長谷川も迷子かの?」
その質問に即答する。
「なぜわかったし」
「えーーー!!!わかりたくなかったのじゃ!!!どうするのじゃ迷子が増えただけなのじゃ!!!」
ラプソディは俺をポカポカ殴ってくる。
俺はあることを思いつく。
「ラプソディ、お前確か飛べたよな?なら飛べばいいんじゃないか?」
俺がラプソディに提案すると、
「そうじゃの、妾に任せておくのじゃ」
ラプソディはそういうと能力を発動させた。飛ぼうとするラプソディに俺は待ったをかけた。
「まて、ラプソディ。俺も連れてけ」
ラプソディは嫌そうな顔をする。
「え〜重いし〜」
はっとラプソディは何か閃いたような顔をした。
「その、乗せてやらんこともないぞ」
マジか、やったぜ。 しかしとラプソディが続きをはなす。
「これからは妾にラプソディ様とつけることじゃ」
こいつは調子乗っていますね。
「ほれ、どうするのじゃ?乗るのか、乗らんのか」
こいつは一回締めないとな、俺はどうするか、考え、答える。
「乗らねーよ、そんな高い乗り物。じゃあの人も乗せれないポンコツドラゴン!」
ラプソディの顔がピクピクしている。
「そうかの、じゃあの迷子のロリコン」
そう言ってラプソディは飛びたった。
「ふぅ、じゃあ行きますか」
俺はラプソディの後をつけていった。




