超越者の道《オーバーロード》結成
現時刻7月6日13時である。今前にいるのは面接の結果を今か今かと待ってる人がいる。1人目がまず落ち着きのないちびっこ、ラプソディ。動くたび胸がたゆんたゆん言ってて主張が激しい。そしてはやく言ってよとうるさい。2人目がずっと黙っているアイル。腕組んでずっと黙っている。3人目が白髪で青い瞳をした女性、レイ。シスターみたいな服を着ていてこいつもアイルみたいにずっと黙っている。4人目が青い髪の毛で黄色い瞳をした少女、ライム。こいつも黙っているが緊張した顔をしている。俺は咳払いを一つ。
「時間が来たので発表します」
そう言ったら皆に緊張が走ったのがわかった。みんな少しは緊張してるんだな。
「全員合格です」
皆がふぅと息を漏らす。そんなに緊張したのか。
「ではパーティーが出来たので自己紹介しましょう。能力も一緒に紹介しましょう」
「では誰からやる?」
俺が皆に催促をかけると、ライムが
「言い出しっぺの法則」
「それじゃ!!!」
「意義はありません」
「うむ、それがいいだろう」
「お前ら立て続けに賛成すんなや!!!」
くそ、誰だ言い出しっぺの法則考えた奴は。
「まぁいい。俺の名前は知ってると思うけど長谷川亮太だ。よろしく」
「知ってた」
「うむ、知っておるぞ」
「知っております」
「知っておるのじゃ」
「おまえらいい加減にしろ」
「じゃが、能力は知らんのじゃ、教えてくれてもよかろう?」
とラプソディが俺に詰め寄ってくる。
「わかったよ、俺の能力はロリータだ。これで満足か?」
皆が俺を凝視してくる。やめろ、俺がなりたくてなってるわけではないからな!!!
「そうか、いい能力じゃブフゥ」
「笑ってんじゃねーかー!!!」
「いや、決して、笑ったりプププしてはおらんじゃろ?」
「よく、その口で言えたな。そのセリフ。俺でも少しは気にしているんだからな!!!この能力!!!」
「悪かったな、流石にロリータは我慢できなかったのじゃ」
くそ、ムカついたな、あ、そうだ。気にしてそうなこと言おう、
「ロリータで何か問題かな?低身長?」
「あ(怒)」
この反応はやはり気にしていたな。
「聞こえなかったか?て、い、し、ん、ちょ、う」
「お主は言ってはならないことを言ってしまったようじゃな」
「おっとストップだ。パーティー組んでから早々にケンカかよ」
間にアイルとライムが入ってきた。
「まだ自己紹介も終わってないぞ。さぁ仲良しの握手だ」
ラプソディは落ち着いてようで手を出してくる。
俺も熱くなったのを反省して手を出すが…
「身長が足りなくて、俺がしゃがまないといけないね」
そう言ったら、ラプソディの顔が怒りの表情に染まる。
「ほう、それが遺言か?」
「どうしたんだ?ほら、握手して仲直りしないとな」
俺はスルーする。
ラプソディの顔がピクピクしている。ピクピクしてるうちに俺は握手する。 ピクピクしてる、ラプソディを置いて、ライムが進める。
「じゃあ、仲直りも済んだし、自己紹介進めるよ」
「次誰やる?」
俺が聞くと。
「じゃあ私が」
手を挙げたのはレイだった。
「じゃあ頼む」
「わかりました。私の名前はレイです。これからよろしくお願いします。私の能力はトイレの女神です」
皆が驚く。それはピクピクしていた、ラプソディも驚く。
「ト、トイレの女神ですか。珍しいですね」
アイルは驚いた顔で聞く。
「ええ、珍しいと思いますよ」
「おほん、では次は誰にする?」
俺は次は誰にするか聞いた。
「じゃあ私が」
手を挙げたのはライムだ。
「私の名前はライム。能力はスライムだ。よろしく」
ライムは軽くお辞儀した。
「よろしく」
アイルはそれに答える。
「しかし、スライムか。また珍しいな」
「ええ、魔物の能力はとても珍しいですよ。私のトイレの女神よりも珍しいと思います」
そうなんだ。
「次は誰が行く?」
俺が聞くと…
「次は俺が行こう」
アイルが答える。
「俺の名前はアイルだ。よろしく。能力は糸だ」
「ほう、糸ですか。いろいろ使えそうですね」
そう答えたのはレイだ。
「そうですかな?しかしそう言われたのは初めてだ」
アイルは嬉しそうに言う。相当嬉しかったんだろうな、あれ。
「じゃあ、最後にどうぞ」
俺はラプソディに手で催促する。
「うむ、私の番じゃな。私の名前はラプソディじゃ!!!よろしくなのじゃ。能力はドラゴンじゃ」
それを聞いて皆は、
「ドラゴンだと!こんなちびっこが!?」
「嘘だろラプソディ!?もうちょっとマシな嘘つけよ」
と散々な言われよう。 そして
「お主らいい加減にせんかーーー!!!」
ついに切れた。
ラプソディには先程までなかった、鋭い爪、鋭い牙、尻尾、羽、角などが生えておりそして鱗のような模様があちこちに浮かんでいた。切れたラプソディは息を大きく吸って。
「竜の息吹」
口から火炎を吐き出した。その威力は凄まじく、ギルド一階を包み込まんとしていた。しかし、流石は冒険者。すぐさま火炎を消そうとの能力を発動させる。
「水の渦」
レイがすぐに能力を使い、すぐに消化する。しかしそれでも焼けてしまったところもあるようだ。ちなみにラプソディは「竜の息吹を放った後すぐに捕らえられている。受付さんことエレンさんが顔を引きつっている。受付さんが俺に話しかけてくる。
「あの〜長谷川さん。流石にやばいですよ」
「流石に俺でも分かりますよ」
けが人はいないようだ。よかった。しかし、ギルドの一部が焼けている。一部でも俺たちではそれの分を稼ぐのにどれだけかかるのだろうか?けどもしかしたら安いかもしれない。
「一応聞きますけど、これ、俺のせいですか?」
「さぁ?わかりません。だってラプソディさんがやったので」
まぁそうだよな。……まてよまだ俺はラプソディと正式にパーティーになったわけではない。ならラプソディを切れば借金なんて背負わないすむ。
「ラプソディ〜、パーティーの話なんだけど〜」
「長谷川!!!お願い捨てないで!!!」
ですよね〜そうなるよね〜しかし俺は借金なんて背負いたくない。
「いや、けど常識的に考えようか?借金背負う予定の奴をパーティーに入れるバカがどこにいる」
「ここにいる!長谷川と言う存在が!!!」
即答しやがった。しかもこいつは俺をなんだと思って嫌がる。
「いや、けど流石に困るから」
ラプソディの目にウルウルしている。
「う、」
「う、?」
「うわ〜〜〜ん。長谷川、パーティー入れてよ!!!入れてくれてもいいじゃんケチ!!!」
泣きやがったこいつ。しかもケチだと。いい度胸だなこいつ。 周りからうわ〜泣かした。と聞こえるが気にしない。
「お〜い、長谷川」
と聞き覚えのある声が聞こえた。
そこに視線を向けるとナンセ先輩がいた。
「先輩、どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるか」
先輩が俺に近づいて耳打ちする。
「ラプソディはパーティーに入れた方がいいぞ」
「なんでですか?借金背負う予定の奴ですよ」
「 まぁな、だが、あれだけの力を持っているんだ。それで稼げるんじゃないか?
「確かに」
あの威力はびっくりした。とっさに消化活動しなければもっと火は大きくなっていただろう。街中だったら、けが人が何人出ていただろうか?ギルドだから冒険者がいっぱいいたから、すぐに消せたのだ。
「確かにすごい力なのは認めます。けど今回のようなのが起きたら溜まったもんじゃありませんよ」
「次が起きたら切ればいいだろう。それまでパーティーに入れればいいんじゃないか?」
「わかりました。そうした方が良さそうですね」
俺はラプソディに声をかける。
「ラプソディ」
「はい」
「パーティーに入れるがまた今回のようなことを起こしたら許さないからな」
「わ、わかったのじゃ」
ラプソディは少し嬉しそうに返事した。
「じゃあ自己紹介も終わったし、パーティーネームをどうするかだ」
俺がそう言うと、皆があ、続けるんだ。と言いたそうな顔をした。
「そういえば、ラプソディを入れるのに反対なのはいないか?いるなら今のうちに言ってくれ」
言った瞬間ラプソディがビクッとした。
「大丈夫だよ」
「同じく」
「私もですよ」
そう言われてラプソディは嬉しそうな顔をした。
「じゃあパーティーネームを決めるぞ」
皆が悩む。パーティーネームとは、そのまんまでパーティーの名前だ。パーティーで呼ばれる時に呼ばれる名前を考え、ギルドにパーティーとして登録するときに書くのだ。
「う〜ん、そうだ」
ライムが何かを思いついたようだ。
「私個人の目標だけど、どのパーティーよりも上になりたい。だから、それまでの道。全てを超越するものの道。超越者の道なんてどう?」
「超越者になるまでの道か、いいじゃんなんか良さげだね」
「みんな、超越者の道でいいか?」
俺は皆に聞く。
「いいのじゃ、超越者の道、カッコいいのじゃ」
「うむ、いいと思う」
「いいと思います」
「じゃあ、パーティーネームは超越者の道で決定!!!」
俺たちのパーティー、超越者の道がこの日結成した。がしかし、借金を背負うパーティーですけど。




