森の外
いつからだろうか?ここを出ていきたいと思ったのは。ずっと生まれてから森の外に出ていない。確か森の名前は竜の森だったかな?森の外はどんな世界だろうか?それを考えるだけでドキドキが止まらない。一体どんな景色が世界にはあるのだろうか?一体どんな人がいるのか?どんな景色、人、確かめるには出るしかない!なので親に出たいと言った。
「おとーさん、おかーさん、森の外に出たいです」
「えっ」
私の言葉に驚く両親。そんなに驚くほどだろうか?
「なんで出たいんだ?」
おとーさんが私に聞く。
「外の世界が気になるから」
その言葉を聞きおとーさんははぁとため息を吐いた。
「わかった、出て行ってもいい」
「ほんと!?じゃあ行って「しかし、条件がある」
「条件って?」
「条件はお前が15歳になったら行っていいことにする。わかったか」
おとーさんは言い聞かせるようにいう。
「………わかった」
私はすぐではないことを不満に思ったが、まぁいいかなと思った。
「よしよし、いい子だ」
おとーさんが私の頭を撫でる。
この思い出も10年前のことか。約束の日だ。どれほど楽しみだっただろうか。どれほどこれからのために努力しただろうか。魔物は倒さなかったがいろいろ出来るようになった。字も書けるようになったし、読めるようになった。さぁ行こう冒険に。
空は晴れていい天気。
その日私は初めて森の外に出た。森の外は平原だった。風が吹いて気持ちいい。ここで昼寝したい気分だ。おっとこんなことをしている場合ではない。早く馬車に乗って街を目指さなくてはならない。馬車が来るところまで走ってく行くか。
疲れた〜結構距離あったな。道はおとーさんからもらった地図があったのでわかったが、しかし思ってたより時間がかかったな。まぁ余裕だけどね。馬車に乗るためのお金もおとーさんにもらった。え〜と、行き先は確か、マッドの街だったはず。さ〜て馬車待つぞ。
馬車に乗って揺られております。ガタガタと鳴っております。どれもこれも初体験ばっかだな〜。面白い。あとどれくらいでマッドの街に着くかな〜。
「おじちゃん、あとどれくらいで着くのじゃ?」
「う〜ん、あと一週間くらいですよ」
「結構遠いのじゃな」
「ああ、遠いよ」
「ならばなぜ、遠くまで馬車で行っておるのじゃ?」
「そりゃ遠くに行くのに人の足で行くのは大変だろう」
「違う違う、質問が悪かったの。なんで遠いのにマッドの街に行くのじゃ?」
「え〜と、確か、馬車を大量に貸している商人がいるんだよ、マッドの街に。でその商人が優秀な人材を確保するために、行きやすいように、遠くでも馬車に行き先にしているんだよ」
「たとえ、優秀な人材が来ても商人が手に入れるとは限らないんじゃないかの」
「その商人はマッドの街を豊かにしたいらしい。だから、マッドの街に来れればいいらしい」
「ふ〜んそうなのじゃな、ありがとう、礼を言うぞ」
「そりゃどうも」
そして、馬車は順調に進んで、マッドの街に着いた。
「やっと着いたのじゃ〜」
私は馬車から降りて背伸びをする。
「おじちゃん、ありがとうなのじゃ」
「おう、またな嬢ちゃん」
そう言っておじちゃんは馬車を進め出した。
「さぁ行くぞ!冒険者ギルドに!」
私は冒険者ギルドに向かって歩き出した。
長谷川 本当に出番なかったよ。次はあるよね。
作者 多分あるよ。
長谷川 やったーーー!!!




