お見舞い
メリークリスマス
先輩が入院して二週間くらい経った。そして俺がこの世界に来てから一カ月が経った。
二週間くらいソロで依頼をしていたのだが、ある技術を手に入れていた。その技術は「ダッシュ」足が速くなる技術だ。なぜこの技術を手に入れたのかとゆうと、ピンチになったら、ダッシュで逃げてたのだ。
まぁもちろん生き残るのが最優先だからいいのだけどね、そんな中先輩がそろそろ退院するのだ。その前にお見舞いに何か渡したいが、何を渡せばいいかわからない。ので、俺はメニメさんに聞きに来たのであった。
「〜てことで何かいいのがありますかね、アドバイスだけでもいいので」
「う〜ん、君は今のところ何を渡すつもりなの?」
「俺ですか?今のところお菓子がいいかなと。美味しければ先輩も喜ぶと思いますし。最悪俺が食べればいいですし」
「そういえば、なんでお見舞いに行かななかったんだ?」
「え〜とですね、実は時間がなくて行けなかったんですよね〜」
「君、それは時間を作ってでも行けよ」
「けど特訓サボるなよと言ったのは先輩ですから、俺はそれをやったまでです」
「君、それは人としてどうなの?」
「行けなかったから、何か渡そうと考えているんです。メニメさんこそ、お見舞いに行きましたか?」
「私は仕事が忙しくて、行けなかったのだ。仕方ないだろう!お前とは違うのだ!」
「仕事なら仕方ないですね。メニメさんも何か渡すんですか?」
「ふふん、私はもう用意できている。防火の服だ!これを着れば火など怖くない!冒険にも、日用品にも使える便利なものだ」
「すげ〜、それ売ればいい儲けになるんじゃないですか?」
「いや〜これはもうすでに売ってるんだよね〜」
「えっとじゃそれは買ったやつですか?」
「違う、これは私が作ったのだ。どうだ、すごいだろう」
「ええ、すごいと思います」
「で、君は何にするんだい?」
「……やっぱりお菓子にしようと思います。オススメのお菓子はありますか?」
「キックーさんのクッキー屋さんと言うお店があるんだ。そこのメープルクッキーはとても美味しいと評判だ」
「そこにしましょうかね。場所はどこですか?」
「えーと、そうだ!私も食べたいから、一緒に買いに行こう」
「そうですね、そうしましょう」
「私は準備する。ちょっと待っとれ」
「はい」
準備し終わった、 メニメさんと俺はキックーさんのクッキー屋さんに向かった。
キックーさんのクッキー屋さんに着き、クッキーを買った。
「いや〜人気だったね、キックーさんのところ」
「ええ、30分待つとは思いませんでしたね」
「けど、これでお見舞いに行けるぞ」
「さぁ向かいましょう。先輩の病室に」
俺とメニメさんは先輩のいる病院に行き、病室に着いた。
「先輩見舞いに来ましたよ」
「長谷川〜、遅すぎるわ〜」
先輩は威嚇してくる。
「いいんですか?先輩に渡したいものがあったのですが?どうしようかな〜」
「怒らないから、お願いします」
「はいはい、どうぞ」
先輩は出された袋をもらった瞬間に開く。
「これはクッキーか?」
「はい、キックーさんのクッキー屋さんのメープルクッキーです」
「うん、うん、美味しい」
「食うの速っ」
「メニメも来てるのか?店はいいのか?」
「ああ、大丈夫だよ。それより怪我の感じはどうだ?」
「ああ、大丈夫だよ。明日には退院だよ」
やけどが二週間くらいで治るのはさすが異世界ファンタジー。
「ナンセ、私からも渡したいものがある、ジャーン防火の服だ。しかも私が作ったんだ」
「ああ、ありがとう。大切に使うよ」
「おう、しっかり冒険にも連れてってくれよ」
「ああ」
「先輩、冒険はいつからできますか?」
「明日ぐらいにはできるかな」
「すぐできるんですか?」
「まぁ最初はリハビリにスケルトンだけどな。長谷川がレベル2になってから初めての依頼だ。しっかり頼むぜ、長谷川」
「はい、先輩、任せてください」
「じぁあそろそろおいとましますか」
「はい、先輩しっかり休んでくださいね」
「おう、また明日」
俺とメニメは病院を出て、いつもの習慣を済ませて寝た。
*** *** *** ***
ーー次の日ーー
俺は お昼ごはんを食べ依頼板に向かおうとした時に声をかけられた。この世界に来てから1番聴いている声だと思う。
「おーい、長谷川。なんの依頼に行くんだ?」
「今から見るところですよ」
「じぁあスケルトンにしようぜ」
「いいですよ、先輩」
俺と先輩は依頼を受け、依頼達成するために準備を始めた。
俺と先輩はスケルトンの依頼に来ていた。リシズの森は最近来ており、先輩が入院している時に受けていたこともある。
「ひさびさの依頼だ。気合い入れていくぜ」
さっきから先輩がうるさい。気合いがあるのはいいけどうるさい。
「先輩、少し落ち着いてください」
「ああ、そうだな。すまない」
流石に落ち着きがないと思ったのかすぐに大人しくなる先輩。その後は依頼達成のためスケルトンを狩り、順調に進んだ。
「長谷川、あと何体だ」
「あと二体です」
「わかった。じぁあ一体ずつ仕留めるぞ」
「了解です」
森を歩いていると、スケルトンを見つけた。ちょうど二体いる。
「先輩、俺が「シュート」で一体倒すので、残ったのを倒してください」
「了解」
俺は近くにあった石を拾い、構え、
「相手の頭に「シュート」」
技術を発動させ投げる。 投げられた石はスケルトンの頭に命中しスケルトンを魔石に変えた。
「超エキサイティング」
あのCMを思い出したので言ったが、なかなかの決め台詞ではないだろうか。
「くらえ、「強撃」」
先輩の一撃でスケルトンは魔石に変わる。
「やっぱり、まだまだだな。鈍っている。しばらくはスケルトンとかかな」
先輩はまだ鈍っているらしいが俺から見ると変わってない。先輩と俺は魔石を拾い、帰路に着いた。
「帰ったら、"重ね"と"一気"について教えてください」
「はいはい、わかったよ。けど先に依頼の報告な」
「はーい」
俺は少し速歩きで帰った。
メリークルシミマス




