第11話 なかなかネタが思い付かないよぜよ!
僕は今三条さんと一緒に歩いている。別にデートとかでは決してない。昼食のパンを買いに購買に向かっているのだ。かわいい女の子と一緒に購買に行く。端から見ればとても羨ましがられる環境に僕はおかれているのかもしれない。だがそんな羨ましがられる環境におかれている僕の心は、今深くダメージを負っている。なぜかと言うとプロジェクトISRが失敗したのだ。ではプロジェクトISRとはなにかと言うと、一般的青春ラブコメ作戦。つまりわざと弁当を持っていかずに三条さんの弁当を分けてもらうという、うひょひょいな作戦なのである。が、三条さんは弁当を持ってきていなかった・・・。昨日サンドイッチのお弁当持ってきてたくせに!。嘘つき!。しくしく(泣)。
泣いてもしょうがない。強くたくましく生きろ僕。お腹すいたな。パンツ食べたいな。そんな事を考えがら歩いている内に購買に着いた。
ちなみに我がヘッスラ高校の購買はかなり充実している。校内にあるコンビニとでも思ってくれればいい。食べ物から学生用具まで基本的には何でも売っている。うん、すごいね。でも、店員さんがばばっ、じゃなくておばあさんなんだよね。残念です。だがそう思っているのは僕だけらしく、他の生徒からは美人の巨乳のお姉さんと人気が高い。いやいやただパイがでかいばばあだろ。えっ!?28歳ってばばあじゃないの?。
「あ、あのドーナツとかおいしそうだよね!」
三条さんがいきなり話しかけてきた。商品棚にちょこんと置いてあるチョコドーナツを指差している。しかし僕は、そんなことはお構いなしに三条さんのことをじっと見つめる。
「えっ!?」
当然ながら驚く三条さん。だが三条さんのおかげで僕は1つの真理にたどり着くことが出来た。やっぱ貧乳だよな!。こうして僕はついに悟ることが出来た。悟るまでに時間がかかりすぎたなあ。まったく。そうだ。この真理をみんなにも教えるべきだ。それこそが僕がこの世に生まれてきた理由・・・!。そして僕は教師になることを決意したのだった。迷門野球部(完)。
と、したいところだがこの作品には作者の夢と希望の印税生活がかかっているので、まだまだ終わらない。今のはちょこっとしたジョークだ。さすがに寒いって?。こちとらクリスマス予定ないから良いネタが思いつかねんだよー!!。
「いや何でもないよ三条さん。」
僕は爽やかな笑顔をつくりながら、何でもないことをアピールした。そう?と、三条さんは言った。どうやら納得したみたいだ。「は、早く買っちゃいましょ!現実くん!!」
三条さんは満面な笑顔でパンやらドーナツやらを選び始めた。食欲旺盛な子だな。さてと、僕も選ぶか。うーん。菓子パンも悪くないし、定番のおにぎりもいいな。少し高めだがお弁当類も捨てがたい。さすがの僕も迷ってしまうな。それより今いくらあったっけ?。僕はポケットの中から財布を取り出そうとする。はっはっはー!!財布忘れちった(笑)。どないしよか・・・。三条さんにお金を借りるべきなのだろうか?。しかしそれではうちの組のメンツが・・・。だったらむしろこのまま、なにも言わずに舌を噛みきって死んだほうがいいのだろうか。くっ・・・。一体どうすればいいんだ!。そうこう考えているうちに涙が出てきてしまった。ふっ、まだ涙はでるんだな・・・。
「ど、どうしたの現実くん!?だ、大丈夫!?」
僕の顔からぼろぼろあふれ出る水滴を、三条さんは自分のハンカチで一生懸命ふいてくれている。他の人から見たら、すごい光景になっているんだろうな。そして僕は財布を忘れたことを三条さんに白状することにした。
「非常に申し訳にくいのですが・・・、わたくし財布を忘れてしまいまして・・・。」
僕は美しく頭を下げて言った。
「えっ、お財布忘れちゃったの?しょ、しょうがないなー♪まったくもうー♪。」
三条さんはやたらと上機嫌に言った。そしてなんとなんと三条さんは僕に、焼き肉弁当を買ってくれたのだ。ありがとう三条さん。一生ついていきます。ちなみに焼き肉弁当を渡すときに小さな声で、また助けられちゃいましたからね♪と言われ、僕は嬉死にそうになった。そんなるんるんなテンションで三条さんと教室に戻っていったが、教室で案の定クラスメイトが僕の悪口を言っていて膝から崩れ落ちそうになった。まあいつかは悪口を言われるのも慣れるか。気にするな僕。こうして僕が今迄よりも、ポジティブになりましたとさ。おしまい。