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迷門野球部  作者: 甲子園のソクラテス
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第1話とりあえず読んでくれ

僕は今非常に困惑している。

扉を開けたらなぜか目の前には女子生徒がいるのだ、それも複数だ。いやここまではまったくもって問題無い、至極単純で普遍的な学校生活でのワンシーンだ。

ただ問題をあげるとしたら女子生徒達が服を着ていないということだ。いや服を着ていないという表現は少し不適切だ。服は着ているがワイシャツのボタンが1つもとまっていなかったり、スカートを履いていなかったりとなかなかワイルドな格好をしている。なかなかのものを見れた、今日はいい日になりそうだ。

いやまてよ、この状況もしかしたら非常にまずいのではないだろうか。ついている民族である僕がついていない民族のあられもない姿を見るのは今の日本ではあまり良くないことな気がする。ということは、ここから早く失礼させてもらった方がよさそうだ。よく気づいたな僕。義務教育の賜物だね。

そうと決まれば先手必勝、早速とんずらさせてもらおう。

「失礼しましたー。」

こういう礼儀を欠かさないのは僕の良いところである。

「キャー!変態だわー!誰か来てー!!!」

初対面の人に対して変態とは失礼な人達だな。そして華麗なスタートを切り僕は走り出した。

さて、1回今の状況を冷静かつ客観的に分析してみよう。僕はこのヘッスラ高校に入学したばかりの一年生である、そして今日知り合ったばかりの西田先輩という人物の熱心な勧誘により野球部の体験入部くらいは行ってやろうと思い、教えられた野球部の部室にむかった。

ここで考えられることは3つだ。まず単純に僕が場所を聞き間違えたということだ。だがこの僕に限ってそんなことはないだろう。西田先輩は確かにあの場所を指定した。この考えは却下だ。

次に考えられることは非現実的なことだが野球部の部室と他の部活の部室が入れ替わったということだ。だが僕はそういった類いのものは信じないし夢も希望もない現実主義者だ。そういったことは大ヒットした某アニメ映画だけで充分だ。

最後に考えられることは西田先輩が僕を騙したということだ。そう、この僕を騙したということだ。まさかこの僕を騙そうとするやつがいるとはな。さすが高校。なかなか楽しませてくれるじゃないか。

ふー。こういうときはとりあえず深呼吸だ、落ち着こう。母さんも僕を産むときに深呼吸しながら産んだに違いない。あれ、それは違うか?まあいい早速あのやろーを見つけて、この件について平和的かつ陰湿に問いただしていこう。

「先生、のぞき魔はこっちの方に逃げました!」

ファッ!?、おっと変な声がでてしまった。僕らしくないぞ。運が良かったな西田先輩、今日は体調が悪いから僕は帰ることにするよ。早く帰って早く寝てあの女子生徒達の光景を頭の中にインプットせねば。決してやましい気持ちからではなく、西田先輩を問いただすときの材料として使うつもりだ。やましい気持ちからだと思った読者さんはきっと重度の人間不信なんだろう。そんな読者さんは太宰治の人間失格を読んでひぐ◯しごっこでもすることをおすすめするよ。おっと話が長くなってしまったな。これが僕が野球部と関わった初日の出来事だ。

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