表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくのせかいのはなし  作者: WaRaBi
1/1

そのいち


ボクが小学2年生だった頃、じぃちゃんが猫を拾ってきた。


その日は朝から晴れてはいたけど空一面に淡い雲が広がっていて、雨がさらさらと降ってるような変な日だった。

ボクは拾われてきた猫よりこの変な天気の方がよっぽど気になっていたが、じぃちゃんがしきりにボクを呼ぶので走りよっていった。

じぃちゃんの腕の中を覗き込むと小さく黒い物体がぎゅぅっと身を丸めていた。

ボクはなんとはなしにその猫をじぃーと見つめていたが、不意にしっぽがボクの方を向いてふりふりと揺れた。えっ?と思った。

頼りなくボクの目の前で揺れているそのしっぽの先が2つに分かれていたからだ。

ボクは驚いてじぃちゃんの顔を見たがじぃちゃんは優しい笑顔をボクに向けるのみだ。

今思えばあの頃のボクと同じ子供ような目をしていたように思える。

ぼくは慌ててもう一度そのしっぽを確認したがいつのまにか元の、いわゆる普通の、当たり前の猫のそれだった。

ボクは訳がわからなくなりむむーっと唸ったその刹那、猫がひとつにゃーんと鳴いた。

どこからともなく甘い薫りが流れ込み、ボクとじぃちゃんの頬をふぅわりと撫で、開け放っていた窓から空に舞い上がっていった。

見上げた空はすでに雨が止んでいて、虹が架かっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ