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第3話 新一の修行

 俺たちは強くなければならない。


 これは俺たちの共通の意見として、異世界を見つけてそこでやっていくためには、何かしらの力が必要になるという見解だ。


 俺たち4人はラノベ好きではあるが、それぞれ好きなものが異なっている。その中で俺は『ウィザード』に憧れをもっている。ちなみに樹は『アサシン』、佐藤は『ファイター』、桜は『ヒーラー』。


 俺はウィザードなんて名前で呼んだが、いわゆる攻撃系の魔法使いである。


 特に俺は火魔法を使いたい。


 と言う訳で、これからどれぐらいの時間、宇宙を探索するかわからない中、ばあちゃんの何千年という単位の時間がある訳で、いろいろと試していこうと考えている。


 まず、俺が魔法を使うために注目したのは、『気功』だ。


 気功については、「本当にあるのか?」とか「うさんくさい」なんて思われているところではあるが、世界にはそれなりに気功を極めようと日々修練していた人もたくさんいたはずだ。実際に本屋なんかにいっても気功に関する書籍はそれなりにあったものだ。


 俺は部屋に設置してあるパソコンからマザーコンピュータに検索をかけ、気功についての情報を集めることにし、そこからヒントを得て、まずは気功の習得に励むことにした。


 気功に関しては、主に丹田と言われるへその下の部分に気を集めることから始めるらしいのだが、そもそも気がなんなのか、俺は理解していなかった。


 ただ、ひとまず丹田を意識して、そこに力を込めるイメージでやり始めた。









 それから早、30年が経過しただろうか?


 俺はその間、気功の修行と同時並行で体も鍛えてはいたが、なんとなくではあるが『気』というものがわかってきたところがある。


 気がわかってきたこともあり、それを丹田に集めることもできるようになった。


 気を丹田に集めると、なんとなくであるが体が強化されたような感じだった。


 俺が集めた情報によれば、この状態を『内気功』または『硬気功』といって、効果としては体が文字通り硬くなるようだ。試しにサンドバックを叩いてみたが、拳にあたる感覚がほとんどなく、硬いものでも平気に殴れるようになっていた。







 気功がわかってきてから、200年が経過した。


 はっきり言おう、『気功』を極めた。うそくさいと言ってごめんなさい。


 俺はとうとう気を放つまでに至った。気を手に溜め、それを対象物に向かってあてると、結構な物体を壊せることがわかり、それなりの威力ではある。もちろん壁を壊す訳にはいかないので、壁に向かってはやっていないが、おそらく穴が空くのではないかと思う。


 し~か~し、俺は火魔法が使いたい訳で、気功が使えるようになりたいのではなかった。


 気については、ほぼ極めた。その中で気を火に変換することに関してはどうしても出来なかった。というか、はじめは気を火に変換できないか研究していたが、その結果、気を火にできないという結論になった。




 気功では火魔法にならないという結論が出てから、俺は今度は『電気』について研究を進めた。


 そもそも『電気』については、静電気など自分の身の回りでも簡単に実感できるものであり、その電力を高めることで点火し、火魔法に繋がるのではないかと考えた。


 俺は気功を修行したときのように、マザーコンピュータから電気に関する情報を集め始めた。


 俺が電気を研究してからわかったことは、体内には微弱であるが電気が存在している。また、生物において『電気ウナギ』という実物がいる。


 電気ウナギは体内に電気を溜めており、外的に対して危機が迫ると電気を放出して身を守る性質がある。


 俺は静電気と共に体内にある電気を高める訓練を開始した。









 それから早、300年が経過しただろうか?

(日に日に俺の時間に関する概念がおかしくなっている)


 俺は体内電気を自由に扱えるようになった。それこそ電気ウナギ以上に電力が高まり、さらには手から放電できるようになった訳ではあるが・・・これは火魔法というよりは雷魔法であった。


 俺の放電した雷は、燃えやすいものなどにあたれば、火は着くのであるが、やっぱり火魔法ではなかった。


 俺はこの研究を雷魔法と位置付け、今度こそはと原点に立ち返り、火について徹底的に研究することにした。






 いったいそれから何年たったのだろうか?いや何千年か?


 俺は今までの気功や電気の修練も続けながら、火魔法の修行をした訳だが、火を着けたり、空気中の水素を集めて、爆発させたりなどは出来たが、結局のところ、火を放出するところまでには至らなかった。


 実のところでいえば、体内のガスであるメタンガス(つまりおなら)で火を放出出来たりはしたのであるが、さすがににぎりっぺみたいに屁をなげつけるなど、ありえないと断念した経緯はあったが。


 そのせいで一時、おならが出やすい体質になったのは今では恥ずかしい黒歴史だ。


 異世界探索に関してはまだまだ目処がたっていない訳で、あきらめず俺は火魔法の研究を続けるのであった。


 そういえば、実は俺たちが宇宙に出てすぐの出来事であるが、俺は(いつき)がつらそうにしている日があったときに、何気に「女の人は毎月大変だなぁ。まあ、俺は男だからわかんねぇけど」なんて発言したことがあり、そのとき女性陣からは反感をかってしまった。


 そのとき、ばあちゃんが『女性の苦しみを体験できる指輪』なんてものを持ち出して来て、俺に無理やりはめ、にやにやしていた。特に変化はなく俺は「ふぅ~ん」なんて思っていたが、その指輪の効果で毎月ではないが、毎年苦しい時期を経験することになったのであるが、その事件が俺たちを異世界に旅立たせるなんてそのときには全く思ってもいなかった。


 

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