2パート
「般若のことについて調べるって言っても一体何をすればいいんだろうね。」
「そもそもなぜ現れたのかなんのために戦うのかすらもわからんからな。そのあたりを文献で探るしかないな。」
「そうだねー。」
そんな時、再び暁美から連絡が入った。鬼が現れたのだ。
「次のやつは空を飛ぶ。気をつけて。市街地のど真ん中だよ。」
車に乗りながらヨモツに聞いた。
「市街地に現れたからヨモツは避難者の誘導を頼んでもいいかい?」
「了解。」
車から降りたヨモツは逃げ遅れた人がいないかどうか探していた。
ハチ型の鬼で上空から急接近して突き刺すという戦い方だった。しかし、急接近までにタイムラグがあり、避けることはさほど難しくなかった。
雄介は何度がかわしながら変身した。
「空を飛ぶのが厄介だな。攻撃しづらい。」
ハチ型の鬼は攻撃するために接近するところをダメージを与えるしかなかった。
「これじゃあらちがあかない。ミント。なにかいい方法ないか?」
「わからないねー。」
再び接近したところをまたかわし、攻撃は当てられるもののなかなか決定打を与えられずにいた。
次の瞬間ハチ型の鬼は片方の羽根をひらひらと落とし落下してきた。
魔法騎士として研ぎ澄まされた聴覚でなければ聞き取れないほどの小さな音がなり、ハチ型の鬼の羽根が狙撃されたのだ。
ビルの屋上から狙撃班が羽を撃ちぬいていた。
ハチ型の鬼が落下しているところに回りこみ、魔法力をためハチ型の鬼を下から刺し、撃破した。
変身を解いた雄介は礼を言って敬礼をした。
ヨモツが合流してきた。
「あのさ、提案があるんだけど。」
「提案とは?」
「般若の狙いとかを知りたいって言ってたけど次元をずらして過去の世界に飛び、般若の生まれた理由とかを見てくれば般若の目的がわかるんじゃない?」
「そんなことができるのか。しかし、いつに飛ぶんだ。」
「初代魔法少女ヒカリの時間軸に次元をずらして飛べばいいと思う。魔法少女ヒカリがどのように誕生したにせよ、般若は確実に関わっているはずだと思うし。」
「初代魔法少女ヒカリの時間か。いろいろと勉強になりそうだ。」
「じゃあ、決まり。行こう。そして、明らかにしに行こう。般若誕生の秘密を。」
ヨモツは魔法少女ヒカリに変身した。魔法少女ヒカリはステッキを使いワープゲートを作り出した。
「ワープゲートは乗り物に乗らなければいけない。私の蝶に乗るといいよ。」
魔法騎士は変身して魔法少女ヒカリの召喚した蝶に乗り込んだ。
魔法少女ヒカリと魔法騎士ライガは蝶に乗り、ワープゲートをくぐり抜けた。
「んで?今君らはどこへ向かってるの?」
魔法騎士ライガの肩からミントが顔を出して聞いた。
「ヨモツの魔法を使って魔法少女ヒカリの初代の時間軸へ飛んで魔法少女ヒカリと般若の誕生の秘密を知りに行くんだ。」
「へー、なんかすごいね!頑張ってね。」
「私も知見を得るために気になりますねー。」
メガネをかけたハーブが言った。
「どんな世界なのだろうな。」
「そりゃ、般若が生まれ、魔法少女ヒカリが必要になるような世界だよ。少なくとも言えるのは平和ではないということ。その概要を知りに行くんだから。それなりの覚悟がいるよ。」
「そうだよな。」
蝶は何度も羽ばたき、加速してさらに進んでいった。