1パート
「名前はどうする?ヒカリは女の子の名前だし。」
「ヒカルは?どうです?」
「そのままだな。」
黙って聞いていたヨモツが言った。
「ライガ…はどうです?」
「ライガ、いいね。」
「魔法騎士、ライガ。」
それと暁美が思い出したように行った。
「そうだ!それとね、ヨモツさんが変身した魔法少女ヒカリにハーブちゃんがいるように私の魔法少女ヒカリにもミントっていう猫がいてね。きっと君の魔法騎士にもきっとミントが…」
腕のブレスから黒猫が出てきた。
「いいかい!暁美ちゃんよ。夜寝る前に顔に変なパックをつけて寝るのをやめてくれ。こないだトイレに起きたらものすごくびっくりして……あーらこの人別な人。」
ミントは一度見て更に続けた。
「こちらの方はですね、珍しくも剣を持っていらっしゃって…ん…」
ミントは一度見て、更にもう一度見て、あと三回見た。そしてしばらく考えたあと絶叫した。
「君は男ではないか!!過去に男の人なんていなかったぞ!前代未聞だぞ!一体何をどうしてこうなったんだ。」
「自分にもわからん。」
「第一だ!魔法少女だぞ!魔法はともかく少女じゃないだろ!名前どうするんだ。」
「あ、新しい名前決めたところだよ。」
「あら、そうなの。ならそちらを採用しよう。決めてくれてありがとう……ん?だからそうじゃなくて。まぁいいや。そんな、簡単に変えられるものでもないしね。」
ヨモツの肩の上にハーブが乗り再び百科事典を開いて調べ始めた。
「確かに過去に男の人がそんなふうな姿になったのは例がないですねー。これは歴史が変わる素晴らしい瞬間に立ち会えたということですな。」
するとミントが釘付けになった。
「おお!こちらはどちら様。」
「これは私の仲間のハーブだよ。」
「えー、ハーブ様。」
ミントがハーブに近寄るがなぜか格好がタキシードであった。
「私、ミントと申します。手前味噌ですが魔法を使う方たちを長くバックアップしてまいりました。私自身で言うのもなんですがとても優秀であると思います。以後お見知りおきを。」
「どうもー。」
警察に帰る途中、ミントの明らかに間違った自己紹介を聞きながら戻っていった。
「さて、鬼の事件が再発しましたね。」
「全くだよ。昔の実験とかいろいろやっておいてよかった。しばらくはラセツを追う感じかな?」
「そうですね。昔のデータがあるとはいえすぐに対応は難しいでしょうからしばらくは私とヨモツさんでラセツを追います。」
「そうだね。そのほうがいい。しかし、般若が狙いとは。私が倒したのにまだ狙われるとは般若はよほどの実力者だったわけか。」
「そもそも、般若って何者なんですか?」
「詳しくは私にもわからない。少なくとも言えるのは鬼を生み出し、統率していた。そして、人類への愛情がある一方で争いあうということに疑問を感じていた。だから人類すべてを鬼化することで統一させ、争いあうことがないようにした。話せばわかるかと思ったけど拒絶したのでしかたなくという感じ。」
「そこは報告書にもなかったので勉強になります。」
「ラセツがどういった方法で般若の力を手にするにしても般若の力が奪われるとラセツはもともとのラセツの力と別次元の般若の力、この世界の般若の力まで手にすることになる。それはさすがにまずい。」
「そうですね。確かに。」
「とりあえず概要はわかった。あとはいいよ。」
「失礼しました。」
部屋から出てきた雄介にヨモツは聞いた。
「クレハの目撃情報ってないのかな。」
「最初に聞いてみたけどないって。」
「とりあえずラセツに捕まってないということではマシかもしれないけど心配だ。一体どこにいるんだか。」
「早く見つけないといけないな。ラセツたちはワープしてここにした時一体どのへんに来たのだろうね。」
「それがわからないんだよね。私としても手がかりはおってるんだがヒントも何もないしなかなか難しい。」
「ラセツのことも気になるし。」
「あいつはどうやって般若の力を手にするつもりなのかもよくわからない。」
「まさに八方塞がり。」
「鬼が出てくるのを待って戦うしかないのだろうか。」
「なんか焦るよねそれ。」
「そうなんだよなぁ。よし、発想を変えよう!ラセツを追うのはむずかしいわけだから。逆に般若を追いかければラセツよりも先回りできるかも。」
「さすがだ。そうしよう。」