1パート
リセットを始めたラセツに馬に乗った魔法騎士ライガが飛びかかった。
「ライガくん。金鬼を破ってここに来たのですね。どこまでも邪魔をする気ですね。残念ながら今回はリセットの最中です。手加減はいたしませんよ。」
剣を取り出し魔法騎士ライガと剣同士で押し合った。ラセツの押し返しをものともせず魔法騎士ライガはラセツの顔にパンチを入れた。
ラセツは自分にこんな一撃を決めてくる敵にあい、驚いた。
大剣を構え振り下ろしてきた魔法騎士ライガをラセツはかわしきりかかるものの魔法騎士ライガはその刃を受け止め押し返した。
大剣からエネルギー波を出してひるませ大きくジャンプしてとび蹴りを決めた。
後方にふっ飛ばされたラセツに魔法騎士ライガは大剣に魔法力をこめ、袈裟懸けに切った。
ラセツはその場に倒れこんだ。
「もう終わりだラセツ。諦めて元々いた次元に戻れよ!」
しかし、ラセツは完全に倒されてはいなかった。
「随分たくましくなりましたね。そんな言葉はもうはけなくなりますよ。」
ラセツは念力で強力な力を持つ藤原千方の変身体を引き寄せた。
ラセツは剣で藤原千方の変身体を切り倒してしまった。
藤原千方の力をラセツは奪うように手に入れた。
そしてラセツは何倍にも大きくなりケンタウルスのような姿になり、馬の部分は不気味な甲殻類のような姿になった。全体的に大きくなりより恐ろしい姿であるラセツ完全体へと変わった。
「元は般若の力を手に入れるつもりでしたがもうこちらでもいいでしょう。リセットの前にあなた達を始末します。」
「どのくらいでかくなろうが結果は同じだ!」
魔法少女オーガが飛んで向かっていった。ラセツ完全体は魔法少女オーガの数倍ほどの大きさがある拳を握りしめ魔法少女オーガを殴った。その拳は魔法少女オーガを捉えたまま崖を崩した。
魔法少女オーガは変身が解けてクレハの姿に戻った。またクレハから般若の力が分離して変身できなくなってしまった。
次に魔法少女ヒカリは接近して技を出したもののラセツ完全体は甲殻類の腕の部分ではさみ地面にたたきつけた。
魔法少女ヒカリも変身が解けてその衝撃で魔法石が飛ばされどこかへ消えてしまった。
魔法騎士ライガは大剣を持ってジャンプし、切りかかった。
ラセツ完全体は魔法騎士ライガを拳でつかみ崖に何度も叩きつけたあと放り投げた。
魔法騎士ライガも変身が解けてしまい、森林の中の川の中へ落下した。魔法石はその衝撃で割れて真っ二つになってしまった。
雄介は気絶したまま下流へ流され森の中へ打ち上げられた。
ラセツ完全体は再びリセットを始めた。生命体を炭素へと戻すリセットが始まった。強烈な風が吹き荒れ、鳥や動物たちが逃げ始めた。
ヨモツが気が付いた。なんとか立ち上がり魔法石を探した。しかし、すぐ見つかるはずもなかった。魔法石は崖の途中に生えている木に引っかかっていた。ヨモツは手を伸ばすもののなかなか魔法石をつかめなかった。ハーブやミントも手伝ったがやはり無理だった。
「やはり無理なようだね。じゃあ僕はトイレへ。」
そう言ってちゃっかりと逃げようとするミントをヨモツはつかまえた。
ヨモツはミントに首輪をつけ命綱をつけているから取ってきてくれと頼み崖の途中にミントを下ろした。
ミントは首輪をつけて釣りのようにぶら下げられ魔法石に前足を伸ばしながら
「なんで僕がこんな目に合ってるんだ?」
と不満を漏らした。




