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日常
僕には飼い主がいた。
その人の歪んだ愛情は僕を苦しめた。
散歩や遊びには滅多に行かせてもらえず、
檻の中で過ごす毎日。
もし外の世界に出ようとすると、何時もは優しい貴女は豹変し、怒鳴る、殴る、蹴る、泣き叫ぶ。
僕の心は荒んでいった。誰にも心を開けなくなっていった。勝手に出る涙を止めることが出来なくなった。
それでも僕は、その檻から逃げる事はしなかった。と言うより、出来なかったのかも知れない。
例え、歪んだ愛情でさえも自分が我慢をすれば解決する事だ。それほど愛してくれているだ。なら僕が彼女を守らないといけない。
彼女は僕に依存している。
僕も彼女に依存している。
お互いに依存体質だと言うことに僕は気付いた。
なのに愛する人の隣に居るだけで、自然と振ってしまう尻尾もボロボロの心の中に隠してしまう。