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宵の月と猫のダンス

作者: 青の鯨




今宵は満月、空は晴れて


雲ひとつない星空


月明かりの下、屋根の上で


猫がダンスを披露する


「今日のダンスはいかがですか?」


猫が月に問いかける


月はふわりと笑いながら


口笛吹き始めた


猫はくるり回りながら


口笛に合わせ踊る


軽快なステップ踏み終え


月にお辞儀をした


その光景を私は


隣の屋根から見てた


私に気づくと、猫は


そっとその手を差しのべた


「一緒に踊っていただけますか?」


猫は私にささやいた


躊躇いながら伸ばした手を


猫がゆっくりとると


また月は口笛を吹いて


私たちを包み込んだ


ゆらりゆらゆらと私の体は


音に合わせて揺れる


猫は優しく微笑み


思わず私も微笑み返した


私と猫は向かい合って


軽くお辞儀をした


私は月を見上げたあと


「踊りませんか?」と誘う


「私が踊れば光が消えて


貴女が見えなくなる」


月はそう言って哀しそうに


私を見下ろした


すると猫はどこからか


鏡を抱えこう言った


「この鏡で貴方を映して差し上げましょう、


そうすれば彼女の姿もきっと輝き映る」


月は猫に感謝して


私の手をとった


猫は歌い、月の光を


鏡に映してる


その光を浴びながら


私と月は踊る


月は不馴れなステップで


楽しそうに踊った


そして微笑む私の額に


月はそっとキスをした


あるとき、ある夜


ある少女の、ある夢のお話








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