交わり
灼熱の体躯、爛と輝く双眸、その珠の肌を焼く灼熱の存在、それはまさにあの時の鬼に相違無かった。
鬼が少女を見、巫女がその前に立ちふさがる。その構図はあの時のまま、ただ、その二つが触れあえば、それはどちらかの死を現出する。
互いに声すら無く、幽世と呼ばれる短い髪の少女が、最初に、その地の抱く力を見通し己の力と成す。
それは、檻を成す力の支柱となり天と地を結ぶ、豪とふるわれる灼熱をまとった腕が少女の肌を焼く、そう思われた時にはそこに巫女の姿は無く、長き髪をふうわりとなびかせ、天上からその身に宿る力を打ち振るう。
神鳴りかと思われる白き力の奔流が、鬼を襲い、ただ、声もあげず打ち倒されるのみ、それが、いままで、だからこそ、その白き光の中から現れた灼熱の鬼は驚異であった。
惚けたように、巫女が、それを見る。あの雷を防いだ為か、その左腕は焼けこげ用を為さぬ。その左の半身はところどころ崩れ落ち、死の臭いさえ発散していた。
それでも鬼は嗤う、歓喜歓喜と、幽世の為す結界が鬼の力を削ぎ、巫女の力を増す。それでも、未だ鬼を滅すには至らぬ。
止めた時を動かしたのは、一陣の炎、過炎の炎が二人の間を通り抜け、鬼を打つ、そうして、それが次なる戦闘の合図




