真条さんと
全身血まみれで帰ってきたリオ。そこに声を掛けたのは和緒。
「リオ……、着替えなさい。その格好は不審者だから」
「着替えは有るの?」
「持って来たわ」
和緒の肩には言葉通り着替えが入っているだろうボストンバック。
それを確認し小さく頷き脱ぎ始めた。
「ん。じゃあ」
「此処で脱がない。更衣室行け」
「面倒くさいし汚れが広がるから此処で良い」
「面倒くさがるな。恥じらいは無いの?」
「此処で着替えるのが一番効率的だから」
「真条さんの目が点になってるから……。 恥じらいよりも効率を取るか……。真条さん捕まえてるからお風呂に連れてって」
「着替えさせて来るんですね」
和緒の言葉で意識が戻って来たのか、やたらと様になっている敬礼してリオを連れていく真条。
「お風呂の後に着替えさせて」
「リオちゃーん、お風呂に行こうねー」
「え、あ、ちょ」
ズルズルと引っ張られるようにして真条に連れて行かれるリオ。
真条「はいバンザイしてー上脱がせるよー」
リオ「うわ、っぷ」
バサッ
真条「はい下も脱ぐ脱ぐ」
リオ「……」
バサッ
真条「よし、と。着替えは和緒さんが持ってきてた……よね?」
リオ「あ、はい」
真条「じゃあ着替えたら和緒さんの面倒見てあげてねー。出血死とかしないように(何であんなに傷跡が? 犬や猫何て大人しいモノじゃ無い。もっと大きいモノ。そう少なくともアリゲータークラスの。いや……それ以上か)」
リオ「一緒に入る? 随分汚れちゃったし」
真条「えっ? いや……あの……遠慮します」
全力で走り去る真条。
リオ「別に良いのに……」