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えっ?親父??

作者:

『待てコラッ!!』

『逃げんじゃねぇよ!!』

最悪だ〜!この状況も最悪だけどコイツらも最悪だ!弱いものを痛めつけてなにが楽しいんだよ!やるなら強い奴とやれっつーの!ホント、ダメダメだな!もうどんなにダメダメかっていうと、うちの親父ぐらいダメダメだな!

ん?なんでダメダメかって?そもそもこの状況に陥ったのはあの親父のせいなんだーー!!!

〜30分前。とある公園〜

『金貸してくれよ〜』

『すぐ返すからさぁ〜』

不良達がカツアゲをしている。ああいったのが溢れているこの町ではよくあることだ。出来るだけ目立たず、関わらない方が得策なんだ。友達数人と公園前を歩きながらそう考えていた。

『オイ公園見てみろよ』

『プッなんだあれ』

友達が公園を見ながら笑っている。

『?』

俺は疑問に感じて公園を見た。

『!!』

カツアゲしていた不良の後ろにうちの親父がいる…。しかも顔は丸出しなのに服はスーパーマン見たいな服を着ている。そして不良の後ろで何かしている…。

『なんだあの親父』

『後ろで喋ってるけど不良気づいてないし』

友達は爆笑の渦だ。

『オイ!やめろ!オイ聞いてるのか?ちょっ、オ、オイってば。ねぇ』

親父の声は強い風の中に欠き消しているようだ。その風で親父のバーコードがなびいた。

『……………ッ!』

声にならないぐらい大爆笑している友人。『コラッ!』

ビシッ!

親父の下段蹴りが不良の足首にヒットした。

『あ゛?』

『なんだこの親父?』

ついに不良の的になったうちの親父。

『うわ〜馬鹿な親父だな』

『もう行こうぜ』

帰ろうとする友人を前に

『…ちょっと俺用事思い出したから先帰ってて』

もちろん用事はあの親父のせいだ。いくらなんでも親父を見殺しにはできない。

『なんなんだよお前は!?』

胸ぐらを掴まれてるうちの親父。

『い、いや〜き、キミ達そ、そのcrime(悪事)はよくないよ…。』

最後だけ発音よく英語で話した親父。もちろん

『あっ?なに言ってんのかわかんねーよ!』

俺は目の前の滑り台に隠れながら見守った。

やっぱし助けんのやめよっかな…。俺が出たところでどうにかなるわけじゃないし。うん、やめよう!俺の考えは2秒でまとまった。

『あっ』

親父と目が合った。

『た、たかしじゃないか!おっお父さんはここだよ!おーい!』

不良達の目はこっちに集まる。

『お前も仲間か?』

『いえ全然仲間とかそんなんじゃないですよ!…ただ1ミリリットルぐらいは血が繋がってるかな〜なんて…ハハ…』

うわ〜やべ〜。ん?親父は?

親父はとっても一生懸命に逃げている最中だった。こんなに速く走れたんだ…。息子を置いて。

『で?お前はアイツの息子なんだ』

『ええ、一応…』

『じゃあ、アイツのせいで金が借りれなかった分お前が出せや!』

『あー!!後ろに空飛ぶニワトリが!!』

不良達は振り向く。よかった、不良=馬鹿の方程式がはまった。

チャンスだ!俺は逃げた。

そして



〜現在〜

ハァハァハァ…疲れた。もう走れない。運動部に入っとけばよかった。なんて考えてる暇は無い。高い塀で行き止まりだ。

『オイオイもう観念しな』

ちくしょー!理不尽なまま俺は殴られて金をとられるのかー。

『まてっ!!crime(悪事)は許さないぞ!』

…親父が帰ってきた…。塀の上に乗っている。

『あっ!テメェーさっきの親父じゃねーか!』

『うわっ!さっきの不良だよ。間違えた間違えた』

引き返す親父。

『まてまてまて、息子を置いていくな親父よ』

俺は必死に引き止めた。

『た、たかしじゃないか。早く家に帰りなさい』

『この状況でよく言えるな!とりあえず降りてこいよ!』

渋々降りてきた親父。

『…で、どうすんだよ』

『うん、まぁいいか』

『なにが!?』

『いや今最悪の状況じゃん?』

『アンタのせいでね』

『この最悪の中で最高のことを考えるんだ』

『どこをどうみても最高なことはないんだけど』

『俺はお前とこんなに話ができて最高だぞ!』

『うるせー!!』

『お前ら、いいかげん諦めろ』

不良達は我慢の限界だったようだ。

『フッたかしよ俺にすべてまかせな!』

『お、親父』

その時親父がでかく見えた。

『あっ後ろに空飛ぶカラスが!』

その時親父が小さく見えた。

親父=馬鹿の方程式も完成した。もちろん誰一人として後ろを見る奴はいなかった。

『あー後ろにグフッ!』

諦め悪く同じセリフを吐こうとした親父は殴られた。

『グーフッグーフッグーフッ』

聞いたことのない鳴き声で親父は転がった。

『親父ー!!』

『だ、大丈夫だ。こんなやつら直ぐ片付けてやるからお前は待ってろ!』

親父は威勢よく立ち上がった。

『あー?いい度胸だな!かかって来いよ!』

『うおー』

バキッ!ドコッ!バコッ!

親父は威勢よく倒れこんだ。

『弱えー!こんなやつ目つぶっていても勝てるぜ!』

不良達は笑う。

『フッ俺だってこんなやつ目つぶっていても勝てねーぜ!』

『当たり前だよ!普通に戦って勝てるわけないのに更にマイナス要素をつけたらマイナス+マイナスで最悪だよ!』

『しょうがない、お前が…3で俺が1でちょうどいいな』

『?……………ハッ!戦う相手の人数か!?ふざけんなよ!2:2にしろよ!』

『うっさい!いっぱいいっぱいなんだよ!』

『こんな場面でキレんなよ!』

『キレてないですよ。俺キレさせたらたいしたもんですよ』

『うぜぇー!ここにきて極つまらん物真似かよ!』

『やっちまえ!!』

ドカッ!バキッ!ドコッ!バコッ!

…。

『いて〜立てねぇよ』

『…俺もだ』

『………ところで親父』

『なんだ息子よ』

『仕事は?』

『クビになった』

ちくしょー!!

初ギャグです!短編で短くまとまりませんでしたがなんとか書き上げました。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして、春木と申します。 初ギャグなんですか?凄いですね。メチャ面白かったですよ! 親父最高です(笑) 最後の終わり方も最高です。 それでは^^
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