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不幸な松岡シリーズ

屈辱の長男 松岡良佑

作者: 松岡良佑
掲載日:2026/02/17

母がクモ膜下出血で倒れ、天に召された。

この期間内に起きた私への屈辱の物語を、母、松岡睦月(仮名)に捧ぐ。

 母が倒れ頭の手術をして、リハビリを始めた頃の話である。

 正確な日にちは忘れたが、1回目の緊急手術後のICUに居る期間内の出来事だ。


 俺の母は若い。

 とは言え、歳は71歳だし、喉や手などには老人性のシワがあるが、顔はとにかく若い。

 40代は当然、化粧次第では30代でも通用するかもしれない。


 ずいぶん前、母と一緒に昼食に行った時、俺は何か違和感を感じた事がある。


(これ、もしかして夫婦の食事と見られているか?)


 そんな風に思ってしまうほど、母が若い、或いは俺が老けているのか。

 店員にそんな事を聞けないので答えは分らず終いだったが、とうとうその答えがわかる時が来た。


 母が倒れて以来、ICUで治療を受けている。

 だから必然的に見舞いはICUに行くのだが、ICUへの入室は原則一人ずつである。

 その日は父と俺で行ったのだが、先に俺が入室すると中にいる看護師さんが言った。


「ご主人ですか?」


挿絵(By みてみん)


 gosyujindesukaゴシュジンデスカごしゅじんですか……ご主人ですか!?

 心の中で瞬間的に言われた事を整理する。


「む、息子、です……」


「あッ!? ご、ごめんなさい! お部屋に案内します!」


 衝撃の言葉だったが、これで疑問が確信に変わった。

 母との昼食は夫婦に見られていたのだ。

 71歳の母の夫に見えるぐらいに老けているのだ。


 俺はよろめきながら病室に向かって、意識の無い母に苦情を言った。


「もうちょっと年相応になってよ!?」


 なお後で知ったことだが、父も娘の見舞いに来たと勘違いされていたらしい。

 病気で倒れてなお恐ろしい母の美貌とでも言うべきで、喜ぶべきなのか、血縁者としては困るべきなのか迷う話であり、どうにも納得ができない話だ――

見ているか母よ!!

長男がこんな侮辱を受けたんだからな!

あの世で小説の応援してくれよな!?

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