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私、ただの料理人なんですけど、どうやら世界を救ってしまったらしいです  作者: 時雨
第一部:能ある料理人は爪を隠したいけど隠せない
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第四話:連携の試練

 パーティ結成の翌日、コノハは宿屋で気持ちよく目覚めた。

昨日は祖国から旅立ってしばらくしてから上陸。盗賊に襲われたり、薬草採取したり、オオカミ狩りをしたらパーティ結成。多忙な一日だった為か、思っていた以上に疲労が溜まっていたみたいだ。


「昨日は色々ありました……でも楽しかったですね。」

 朝食を食べ、身支度をしてギルドへ向かう。途中で二人と合流する。


 歩きながらレオンがコノハに話しかける。

「コノハさんはどんな属性魔法が使えるのですか?」

「私は闇魔法以外なら全て使えますよ!」


 レオンとガルムは驚いて聞きかえす。

「つまり、光、火、水、風、土、雷の六属性ですか?!」

「とんでもなく規格外の強さじゃねぇか!!」

「えっ?でも使えるのは上級までなのでそんなに得意ってわけでも無いですよ?特級魔法は使えませんし…」

「いえ、そもそも複数の属性魔法を使えるだけですごいのですよ。」

謙遜するコノハにレオンが説明する


(黒曜の民が魔法の能力が高いと噂で聞いたことがありましたが、まさかここまでとは。おそらく、他国の事情に疎く、尋常じゃない強さであることを自覚してないみたいですね)

レオンは驚きつつも少し不安になった。


 コノハはギルドの依頼掲示板を眺めていた。

「近隣の森の奥に猛毒を持つ大蛇の目撃情報。調査、及び可能ならば討伐を求む……毒蛇ですか」

 コノハが依頼書を指さす。

「毒蛇は毒抜きが大変なので食べられませんが、その皮は上質なポーチになりそうですね」

「コノハさんにとっては、魔獣は食材か素材なのでしょうか?」

 レオンがやれやれといった表情で呟く。

「おう!素材なら高く売れるな!」

 ガルムはコノハの意見に大賛成し、豪快に笑った。


 依頼を受注し、三人は森の奥深くへと足を踏み入れた。湿った空気と、不気味な静寂が辺りを支配している。

「来ます!」

 レオンの警告と同時に、木々の間から巨大な蛇が姿を現した。禍々しい紫色の鱗を持ち、鋭い牙からは絶えず毒液が滴り落ちている。


「ガルム殿、正面から注意を引きつけてください!私が側面から攻撃します!」

「任せろ!」

 ガルムがハルバードを構えて突進し、大蛇の攻撃を受け止める。その隙にレオンが剣で鱗の隙間を狙うが、蛇の動きは素早く、中々決定打を与えられない。

「二人とも、下がって!」


 コノハの声が響く。二人が距離を取ると、コノハは地面に手を付き詠唱を始めた。

「大地のアース・プリズン!」

 地面から無数の岩の槍が突き出し、大蛇の動きを封じ込める。身動きが取れなくなった大蛇に、レオンとガルムが同時に切りかかった。見事な連携で大蛇を仕留め、三人は顔を見合わせて笑った。


「やりましたね!」

「ああ、コノハの魔法が無けりゃ、もっと苦戦してたぜ」

「いえ、お二人が引きつけてくれたおかげです」

 ギルドに戻り、討伐完了を報告すると、受付の女性は「調査依頼だったのに、もう討伐まで済ませてしまうなんて!」と、またしても驚きを隠せない様子だった。


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