第三話:パーティ結成
任務を終えた日の夜、ギルドの酒場で、三人はテーブルを囲んでいた。
コノハの異常な強さを目の当たりにしたレオンとガルムは、神妙な面持ちで口を開いた。
「コノハさん、ガルムと話し合った上で提案になりますが、我々とパーティを組みリーダーになってはいただけないだろうか?」
「ええっ!?私がリーダーですか?無理です無理です!目立ちたくないんです!しかも私は今日冒険者になったばかりですよ?!」
コノハはぶんぶんと首を横に振った。しかし、二人の意思は固かった。
「あなたのその力と判断力は、我々にはないものだ。ぜひ、お願いしたい。」
「そうだぜ!あの親玉の奇襲に対して、あんな完璧に対応できるなんて並の実力じゃできねぇ!あんたがリーダーなら、もっと強い奴と戦えるはずだ!」
二人の熱意に負け、コノハは渋々頷いた。
「……わかりました。リーダーは引き受けます。でも、表向きのリーダーはレオンさんにお願いします。私は後方支援に徹したいので。」
「わかりました。今のところ、私の方がランクが高いのでしばらく表向きはそうしましょう。」
その提案にレオンも了承し、ここに新たなパーティが誕生した。
「では、さっそくですがパーティ名を決めましょう!」
コノハが嬉しそうに言う。
「そうですね。何か良い案はありますか?」
「はい!『腹ペコ探検隊』はどうでしょう!」
「……却下します」
レオンが呆れてこめかみを押さえる。
「じゃあ『マッスル・ブラザーズ・アンド・シスター』だな!」
ガルムがさらにズレた名前を提案し、レオンの頭痛はさらに増した。
「もう……冗談はさておき、です」
コノハは少し頬を膨らませた後、真面目な顔で言った。
「では、『至高の一皿』というのはどうでしょう」
「至高の一皿……?」
「はい!『他に類を見ない、最高の一品』。そんな唯一無二の存在に、私たちはなりましょう、という願いを込めまして、いかがでしょう?」
その言葉に、レオンとガルムは顔を見合わせ、そして頷いた。
「良い名前ですね。料理人のコノハさんらしいですね。」
「俺も悪くないと思うぜ。」
こうして、彼らのパーティ名は「至高の一皿」に決まったのだった。