表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、ただの料理人なんですけど、どうやら世界を救ってしまったらしいです  作者: 時雨
第一部:能ある料理人は爪を隠したいけど隠せない
1/101

プロローグ:料理人の船出

 遥か東の海に浮かぶ島国、エバーグリーンのオアシス連邦。通称「黒の一族」が暮らすその国から、一人の少女が旅立った。



 少女の名は静木シズキコノハ。艶やかな長い黒髪、大きな黒い瞳には未知への好奇心が宿っている。身長は145センチと小柄で、その佇まいは可憐な花を思わせるが、腰に差した一振りの短刀が、彼女がただの少女ではないことを物語っていた。



 彼女の旅の目的は、未知なる食材の探求。そしてもう一つ、聖女候補という輝かしい、しかし彼女にとっては息苦しい立場からの逃避。もちろん、表向きは「見聞を広めるため」という立派な理由を掲げ、両親もそれを認めてくれた。――かつて同じように世界を旅した、伝説の冒険者である両親は。



 片道10日にも及ぶ船旅の末、コノハが降り立ったのは、大陸中央に位置する中立地帯「アークランド」。あらゆる国家の力が及ばぬこの地は、文化と情報、そして夢を追う者たちが集まる坩堝るつぼだ。

「ここがアークランド……。どんな美味しいものに出会えるでしょうか」



 港に満ちる潮の香りと、活気あふれる人々の喧騒。香辛料の刺激的な匂い、焼きたてのパンの香ばしい香り、そして未知の獣肉を焼く煙。

コノハの控えめな胸は、期待に大きく膨らんでいた。彼女の冒険は、今まさに始まろうとしていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ