にーにーのこと
宗教施設に僕が引き取られてからのにーには凄まじかった。
まず、お部屋はにーにーの部屋に同居。
この宗教施設はにーにーの個人区画、教徒たちの住居区画、宗教行事のための区画に別れている。
にーにーの個人区画はそれなりに広いのに、にーにーの部屋に同居って…まあ十分お部屋もベッドも広いからいいけど。
「にーにーったら、本当に寂しがりやさんなんだから」
次に、必要な物を全部揃えたのだけど…それがまたすごかった。
家具も小物も何もかも僕好みの可愛い物を揃えて、にーにーの部屋に置いてくれた。
おかげでにーにーの部屋は可愛い物だらけだ。
僕は好きだけど。
服も、オーダーメイドで皇子様系ロリータっぽい服をたくさん作ってくれた…のだが、この異世界どうもナーロッパ系の世界らしくそういう服も普通にあるのでイロモノ系には見られないらしいラッキー!
「そしてにーにーは、僕を生涯をかけて守りたい宝物だと全教徒に宣言した」
まだ七歳の僕を胡座をかいた膝の上に乗せて、全教徒たちを集めて宗教行事区画の一番広い部屋でそう宣言したにーにー。
教徒たちは戸惑いつつも、僕を歓迎してくれた。
にーにーの大切な人だからって、丁寧に扱われる。
前世でも今世でも、こんな大切にされるのはにーにー以外からは初めてだった。
僕をここまで大切にしてくれる人たちは、にーにーを除いて他にいない。
「そしてにーにーは、虎視眈々と僕との婚約…ゆくゆくは結婚を考えている」
まあ僕としては嬉しいのだけど。
にーにーの幸せを考えると、どうなんだろうと思ってしまう。
もっといいお相手がいるのではないかと…。
でも、にーにーが僕の使用人兼護衛としてつけてくれた教徒さんは言う。
「巫女様のあんな嬉しそうな顔、初めて見ました。あんな顔を巫女様にさせられるのはバルム様だけですよ」
「そうかな」
「誓って申し上げます」
「そっか」
ずっとこの施設にいるという彼が言うなら本当なんだろう。
だったら…少なくともまだ今は。
にーにーに引っ付いて甘えていても良いのかな。
婚約云々は、また正式にそういう話になってから考えよう。
「ありがとう、ベルクさん」
「いえ、滅相もありません。バルム様は巫女様の大切なお方ですから」
「ふふ、そっか」
にーにーには本当に、尽くしてもらってばかりだな。
…ということで、以上。
この世界に生まれ直してからの過去回想はこれでおしまい。
ここからは、にーにーとの甘い日常のお話だけ。
それでもよかったら、どうぞ僕の幸せ甘々溺愛生活を覗いていってね。
誰得かは、知らないけれど。