にーにーのお誕生日祝い
今日は僕がこのミノス教に来て一年のお祝いの日。
そしてめでたいことににーにーのお誕生日だ。
そう、僕たちはにーにーのお誕生日に出会ったのだ!
出会ったその日にはそれどころじゃなくて教えてもらえてなかったけどね。
ということで、にーにーにお祝いの品が大量に届いた。
「にーにー、プレゼント大量だね」
「そうだね、バルム。でも俺はバルムからのお誕生日プレゼントの方が楽しみだな」
「…気付いてたの?」
「ふふ、陰でコソコソ何か準備していたからね」
「…もう!サプライズにしたかったのに!はい、プレゼント」
にーにーは僕からの誕生日プレゼントを嬉しそうに受け取って、ラッピングを剥がす。
出てきたのは、不恰好なクッキー。
それと、不恰好な編みぐるみ。
「…そ、その。見た目は不恰好だけど愛情はたっぷり込めたから!」
「………」
「にーにー?」
停止してしまったにーにーの顔を覗き込むと、滝のように涙を流していた。
「えっ」
「バルム…幸せすぎて俺死にそう」
「死なないで死なないで」
そんなに喜んでもらえるなんて。
僕の方こそ泣いてしまいそう。
「一生の宝物にする。家宝にする」
「ふふ、にーにーったら」
「いや、本当に。バルム、ありがとう」
「どういたしまして」
こんなに喜んでもらえるなら、来年も頑張ろう。
「じゃあ、他の教徒たちからのプレゼントも開封しようか」
「ん?ああ、そうだね」
にーにーは僕からの誕生日プレゼントに喜びすぎて他の人からのプレゼントを忘れていたみたい。
可愛いなぁ、もう!
「じゃあ開けるよー…あ、扇子だ。素敵」
「こっちは…ハンカチだね。刺繍入りだ」
「こっちはー…あ、額縁に入った僕とにーにーのツーショットの絵だ。誰が描いたんだろ」
「!それ部屋に飾るからちょうだい!」
「はいはい、元々にーにーのだよ、どうぞ」
にーにーは嬉しそうに絵を飾る。
にーにーってば、僕のことになると本当に可愛くなるよね。
「いやぁ、いいプレゼントをいっぱいもらった」
「今回も媚薬とか入ってたけどね」
「あれは見なかったことにしよう」
にーにーったら、媚薬は即廃棄していた。
まあ、ああいうのは僕がもうちょっと大きくなったら使うかもね。
「誕生日の集会でも祝福されたし、今年はバルムにも祝ってもらえたし、最高の誕生日だ」
「改めてお誕生日おめでとう、にーにー」
「バルム、ありがとう。愛してるよ」
「僕も愛してるよ、にーにー」
願わくば。
来年も再来年も。
ずっとずっと、お祝いさせてほしいな。




