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9話、フライドポテトと料理大会・猫娘、名前を変える


 朝の目覚め、俺の横で眠る赤髪ツンツンショートは本当に天使みたいな顔してるんだよな。


 昨晩の事は、言えない……だって、俺達、避妊の魔符も、防音の魔導具も買ってないからな、抱きしめて寝るだけで我慢した。

 一度、失われた理性が再起動して本当に助かった。


 ハッキリいうが、今日はしっかりとしたい! 色々買わないとな。


 赤髪ツンツンショートを起こして、二人で着替えていく。

 昨日まで視線を逸らしていたが、今日はお互いに気にせずに着替えられたのは成長だな。


 食堂に降りて、紫ロングと合流して、すぐに出店へと向かう。


 指定された場所を見渡す。


「なんか、寂しい場所だな、店は周りにあるけど、客がいなくないか?」


「今の時間は朝市にいくのよ。だから、今のうちに準備するんですよ。ミアさんも来てくれたなら、手伝ってくだされば嬉しいですが」


「ふん、任せろ! オッサンの依頼はボクの依頼でもあるからな、やってやるよ」


「あら、なんか、あったのかしら?」


「ニヤニヤした視線、やめてくれないか? 悪意を感じるぞ」


「あら、失礼したわね、私は商品を持ってくるから、店番を頼みますね」


「わかった。とりあえず、店のレイアウトでも考えとくよ」


 赤髪ツンツンショートと、商品の位置を決めて、見やすい位置にする。


 紫ロングが持ってきたお菓子を並べていく。


「よし、完璧な配置だ!」


 パン! パン! っと音がなると、街中に音楽が流れ出す。


「お、“食の祭り”が始まったな。オッサン頑張ろうな」


 到着したしたばかりの時は、客なんか来るのか? って思ったが、しっかりきた。


「焼き菓子ですね、はい、大銀貨で、はい、ありがとうございます」


 次々に押し寄せる客に度肝を抜かれたが、何とか昼休みに入れた。


「お疲れ様、ミアさん、キンザンさん。ゆっくり休んでくださいね」


 渡されたパンと水を口に赤髪ツンツンショートがため息をはいた。


「オッサンの飯が良かったな……」チラッと俺を見る。


「いやいや、ダメだぞ?」

「頼むって、オッサンの飯が食べたいんだよ!」


 ため息を吐きながら、俺は路地裏に向かい、【ストレージ】からトンカツに使った油を取り出し、カセットコンロにセットする。


「すぐにやるから、待ってろよ! とりあえず、簡単でいいよな」


 最強、冷凍ポテトを“買い物袋”から取り出して、熱々の油にダイブさせる。


 ジュワッ! と、ポテトが踊り、あっという間にポテトがあがる。


 絶対に忘れられない、アイテム、塩を素早くかけていく。


「これぞ、最強ジャンク・オブ・キング! フライドポテトだ!」


 もう、なれたのだろう、赤髪ツンツンショートは悩まずに横に置かれたケチャップにつけて食べていく。


「ウマっ!」っと大声をあげた途端、紫ロングがこちらに走ってきた。


「な、フライドポテトじゃない!」


 え、そうだけど? なんで、こいつしってるんだよ。


 紫ロングが勢いよく掴み、食べていく。


「お、おい、ベリーさん?」


「これよ、絶対に売れるわ! キンザンさん、今すぐ大量に揚げてちょうだい!」


 なんか、いきなりポテトを大量にあげる事になってしまった。

 ハンバーガーのミックの店員かと言うぐらい、がむしゃらにポテトをあげていく。


「くそ、何時間ポテトをあげたらいいんだよ!」


 必殺技を使うか……禁じられた必殺の言葉。


「残りッ! 20人分でラストーーーッ!」


 必殺、ラストオーダー!


「オッサン、全部売れたみたいだな、もう、塩をふらないでいいんだな」


「おう、ミア、ありがとうな、よくやったな偉いぞ」

「いきなり、頭、撫でんなよ……照れるだろ」


 一休みで煙草を吸い終えると俺は紫ロングのもとにいく。


 紫ロングの店はボロボロになっていた。客の勢いが凄かったんだな。


「お疲れ様だな、ベリーさん。稼げたか?」

「えぇ、かなりね」


 ポテトの売上を渡されると俺は驚くが、紫ロングは当たり前という顔をしている。


「キンザンさん、あなた、店を出す気ないかしら?」


「店ですか?」


 俺に店を出せと言う、紫ロングの話を聞いていく。

 話を聞いてわかったのは、紫ロングはフライドポテトを知っている事だ。


「アンタ、何もんなんだよ?」

「キンザンさんと同じよって言えばわかるかしら?」


 その言葉に俺と紫ロングの顔を見ている赤髪ツンツンショート改め、赤髪ショートが分からないという顔をしている。


「アンタも転移者なのか?」

「あ、私は転生側を選んだのよ。だから、そこは違うわね」


 スキル選択で選べたモノにあったらしい。


 ベリーさんの告白に驚いたが、何となく予想はしてた。


「だから、分かりやすく言うは、私と手を組みましょう! そうすれば、かなり稼げるわよ」


 なんか、喋り方も変わってるし、こっちが本性なんだな。


 そんな話をしていると店に似合わないキンキラの服装をした背の低いオヤジがやってくる。


「おい! この店のポテイトを全てだせ!」


 なんか、来たな?


「いや、もうポテトはないんだが?」


 俺の言葉にイラついたような顔をするキラキラ男。


「キサマは、黙って用意しろ! ワシはドン・ガランだぞ!」


「あの、ドンガラさんが何のようなんで?」

「キサマッ! バカにしてるのか!」


 俺の反応に、紫ロングが間にはいる。


「待って、貴族にそれはダメよ。失礼しました……ですが、もう商品がないんです。申し訳ありません」


「な、なんだと! ワシを敵に回せば、この街で生きていけなくなるのをわかってないのか!」


 このガランは、その後、騒ぎまくり、帰っていった。


 紫ロングから、説明を聞いていく事にした。


 さっきの貴族は、この街で領主と親しくしているらしく、今回の“食の祭り”でも、かなり好き勝手をしているようだ。


「なんで、そんな奴が、領主もそんな奴なのか?」

「いえ、領主様は普通にいい人よ。ただ、全体を見るのは難しいのよ。夜の料理大会にも来られるはずよ」


 夜に来るのか? 


「なぁ、夜の料理大会って、いきなり出たりできるのか?」

「は? 出る気なの、多分、参加費があれば、出れるはずよ。高いから、普通の人は出ないけどね」


 普通の人は、一般人だろう、参加費が金貨2枚もかかるのだから、出ない人が多いのは納得だな。


「なら、出るかな」


 俺の言葉に驚いていたが、紫ロングに案内されて、会場に向かう。


 参加の手続きを行い、説明をきく。


 魔導具の持ち込みは大丈夫だが、食材の持ち込みは禁止らしい。

 用意された食材から、料理を作るらしい。

 問題は欲しいものがあるかと、使った事のない食材だろうが【食材鑑定】があるのでそこは問題ないだろう。


「なんだ! 何故、キサマがここに居る!」


 嫌味な声に振り向くと、ガランがこちらを睨んでいた。


「参加するからだよ? 誰でも参加できるんだろ」


「グッ! 生意気な、キサマのような奴が料理大会だと、フン、まぁいい、ワシの選んだ最高の料理人が勝つのだからな!」


 言いたいだけ言って、嫌な奴だな、あれだな……無能な上司タイプだな。


 参加は最大4人までチームを組めるとわかったのですぐに助っ人を紫ロングに呼んできてもらう。


「なぁオッサン、本当にボクもメンバーに入れていいのかよ?」

「ああ、ミアには力があるからな、食材を持ってきて貰ったり、色々助けて欲しいからな」


 そんな話をしていると、紫ロングが猫娘を連れて戻ってきた。


「連れて来たわよ! ハァハァ」


「ベリーさん助かったよ。ニャアも悪かったな、いきなり呼んじまって」

「構わないにゃ〜キンザンに呼ばれたら来るのにゃ」


 戻ってきた2人を含めた4人で今回はチームを組む。


「ミアに食材を運んで貰って、俺とニャアが解体して、ベリーに下処理をお願いする事になる」


「わかった。なんでも運んで来てやるよ」

「ニャアもわかったのにゃ! 魚とかなら任せるにゃ」

「わかったわ。任せてください」


 メニューを考える事にして、食べる側がどんな人なのかが重要だ。


「なあ、ベリー、食べる側は何人なんだ?」

「食べるのは、領主のエヒト様達になるわ、奥様にお子様が3人よ」

「そうか、ファミリーメニューにするかな?」


 考える俺達の元に、またガランがやってきた。


「本当にでるみたいだな! だが、無駄だ、勝つのはワシだからな! だははは」


「料理で負ける気ないですから、それより、皆さんがみてますよ? あんまり強気だと負けた時に言い訳出来なくなりますよ?」


「生意気なやつだ! まぁいい、貴様らの負けは決まっているからな」


 嫌味を言う為にきたんだろうが、暇人だな。


 夜の料理大会が始まると、最初は千切り対決が始まる。


 俺は容赦なくスキル【解体】【調理器具マスター】【身体強化】を発動する。


「ウオリャアァァァァァァァァァッ! 神速解体無限切りッ!」


 キャベツみたいな野菜が、千切りの山になり、会場が歓声にわいた。


「ヤベェェェ!」

「なんだアイツ、スゲェナイフの使い方してやがる!」

「誰だよ、あいつ! あんなヤツ知らないぞ!」


 誰よりも早く千切りを終わらせて、ガランの連れてきた料理人に視線を向ける。


「まだまだ掛かりそうだな……」


 1位通過をして、並べられた椅子に俺達は座る。


 数分遅れで次のチームが次々に席に座り、ガランのチームは4番手となった。


 次の試合は、解体対決となり、2人で参加になるので猫娘と俺で出る事になる。


 魚、肉、魔物肉の三種類を解体する勝負も、あっという間に終わらせる。


「やっぱりキンザンは早いにゃ、見ててドキドキするにゃ〜」

「ありがとな、ニャアも頑張ったな」

「ご褒美、ご褒美に撫でてほしいにゃ〜」

「はいはい、よしよし」


 喜ぶ猫娘と違い、突き刺すような視線を向ける赤髪ショート。


「ふん、オッサン、1番はボク……だよな?」

「なんで不安がってるんだよ、当たり前だろ。よしよし」


 俺と赤髪ショートのやり取りに、猫娘が混じってくる。


「二人は仲良しだにゃ、ニャアは2番でもいいにゃ〜ミアもキンザンも大好きだニャ〜」


「2番でいいなら、許してあげる、でも1番はボクだからね」


 こんな可愛い言い争いをしながら、次の試合へと進む。


 待ってる間に、赤髪ショートと猫娘が話し合い、何故か俺の嫁になる事に決定していた。


「いいかい! 今日からニャアはニャアじゃなく、ニアだよ!」


「わ、わかったにゃ、ニャアは、ニアになるにゃ!」


 嫁になるなら、名前を変えろと無理な話をしていたら、あっさり受け入れた為、赤髪ショートは新しい名前を付けたらしい。


「本当にいいのかよ?」

「いいにゃ〜 キンザンのお嫁さんニャ〜」


 二人の会話が終わったと同時に次々に選手が入ってきて、4番手はまたガランのチームだった。


「このままいくと、上位3チームが料理対決になるから、ガランのチームは出れなそうだな……」


 次の試合は、魚の骨取り対決であり、これはベリーが参加した。


 驚くべき速さで骨を抜いていく。


 見るよりもずっと難しい作業なんだが、すごいな。


「やったわよ。キンザンさん、このまま、優勝しましょうね。そしたら賞金ゲットだわ」


 結局、最終戦にガランのチームも残ったのは残念だったが、まぁ気にしたら負けだな。


 ただ、2位と3位で突破していたチームが突如、試合を放棄したのは驚いた。


「裏でなんかしたみたいね……ガランのやつめ」

「ベリーさん、機嫌悪いな?」

「料理の大会で、不正してるのよ! 本当に許せないわ」

「まあ、すぐにわかるさ、美味いもん作って勝ちましょう」


おもしろい٩(ˊᗜˋ*)و   興味がある|ω・*) 


 とりあえずもう少し読んでやるか( ˙꒳˙ )


そう思って頂いたら☆☆☆☆☆を押して貰えたら助かります。


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感想、誤字など、ありましたらお願い致します。貴重な時間をありがとうございました(*・ω・)*_ _)

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