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第26話:誓い

 ギルドに着いたのはもうそろそろで日が完全に沈む頃だった。


「よう、【邪魔者のユーリ】! 飲んでるか!」


 ギルドに入ると祝宴らしきものが始まっていた。

 そして真っ先に話しかけてきたのがバックスだ。


 バックス、スタンピードと領主の館に行く前は飲んでいなかったのにな。

 あの後すぐに飲んだんだろう。この酔い方からして相当飲んでいる。だってこんなにテンションの高いバックスは珍しいから。


 オレが酒を奢る前にこんなに飲んでいたら、奢ったことも忘れられそうだな。

 酒を奢るのはまた後日にしよう。


「飲んでねえよ。今帰ってきたばかりなんだから」

「なら飲め飲め! 今日の主役はお前達だからな! ガハハッ」


 オレ達が主役、か。

 てことはスタンピードと魔族の討伐祝いってこと。

 じゃあなんで主役が来る前に酒を飲み始めてるんだよ。それも皆んな飲んでるし、完全にハイテンションで楽しんでるよ。


「ユーリさん、シーナさん。主役として話してもらってよろしいでしょうか?」

「あ、はい。分かりました」


 ミンスさんに言われたので、皆んなから見える場所に移動して話す。


 というか皆んな飲んでるから話しても明日には忘れているんじゃ、まあいいか。

 でも明日皆んな二日酔いで歩けるかも怪しいくらい飲んでいるからな。


「まずはシーナさんから」

「はっ、はいっ!」


 ミンスさんから言われ、最初にシーナから話すことになった。


「え、えっと、皆さん、いっぱい飲みましょう!」

「「「おおおおおお!!!!」」」


 シーナは何を言えばいいのか分からずにたった一言で終わらせた。


 シーナ、本当にこういうのになれてないみたいだし、全く何を言えばいいか分からなかったんだろうな。

 まあ仕方ない。まだ酒も飲めない子供なんだから、こう言っておけば大抵丸く収まるからな。


「続いてユーリさん、お願いします」

「ああ」


 ここで何を言えばいい?

 長ったらしいことを言うのは性に合わない。かといって短く済ませるのもな。

 仕方ない、丁度入ったことだし、こう言って盛り上げとくか。


「皆んな、お前達のおかげで勝てた。主役にさせることじゃないが、やってやろうじゃないか」


 今回のスタンピードはオレだけじゃダメだった。オレ一人じゃこの街を守ることは出来なかった。

 ここの冒険者がいたからこそ、この街が守れたんだ。


 この街を愛し残る者、この街のために戻ってきた者。色んな奴がいたおかげで守ることができたんだ。

 ならこのくらいしてもいいだろ。

 主役として英雄としてオレはこいつら皆んなにお礼をしよう。


「ここはオレが全て持つ! お前らここにある全ての酒を飲み尽くせぇぇええ!」

「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」


 シーナの時よりも大きな叫び声が上がった。


 こいつら本当に現金な奴らだな。

 多分長々と話していたら耳も傾けずただただ飲みまくっていたのに、こういうことになったら話を聞くっていうね。


「シーナ、あっちで飲もうか」


 オレはこっそり、お酒とジュースを持ってきて二人で二階のベランダに出た。


 流石にあの中にずっといるのはきついし、酒を大量に飲まされかねない。

 それにシーナを一人っきりにはできないからな。


「はいどうぞ」

「ありがと。……ユーリ、乾杯」

「ああ、乾杯」


 オレはお酒をシーナはジュースで乾杯をした。

 下は騒がしいのにオレとシーナがいる場所はとても静かだ。そこに月の日がオレとシーナを照らしてくれている。


「改めて、スタンピードの時ありがとう」

「わたしこそ、ユーリがいてくれたおかげで勝てたんだから」


 オレのおかげ。

 確かに倒したのはオレかもしれないけど、シーナというパーティーメンバーがいたからこそ、力の面でも精神的な面でも力を発揮できた。


「本当にありがとう。シーナには一生一緒にいてほしいよ」

「うん。一生……ううん、違う。永遠に一緒だよ、ユーリ」

「そうだな。永遠に、だ」


 本当に最高の仲間を持てた。

 これは運命だと思う。だからこの出会いを運命を永遠に大切にしていこう。


「そうだ。シーナは仲間が増えてもいいの?」


 オレは今日あった新メンバーが入るかもしれない件について話す。


「いいよ。新メンバーが増えたくらい平気。……ただ」


 ただとシーナは続ける。


 新メンバーが増えることはいいのか。それは良かった。まあまだ入れるかどうかは決めてないんだけど。

 でも何か不安なところでもあるのかな。


「わたしがユーリの一番だから」


 シーナはとても可愛いことをへへっと笑いながらオレに向かって言った。


 うん、可愛いこと言ってくれるね。

 確かにシーナはオレの最初のメンバーで一番の仲間だ。それは絶対に揺らぐことのない事実であり、その思いは絶対に忘れない消えさせないんだ。


「これからもよろしくね、ユーリ」

「ああ、勿論だ。オレはシーナを幸せにする男だからな」


 もう一度、あの時の誓いを再確認した。


 永遠の誓い。

 決して消えることのない忘れることのないなくならない誓いを。

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