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第12話:結成

「早速登録しに行きましょう」

「大丈夫なの? まだ休んでてもいいけど」


 色々なことがありすぎて疲れているだろう。だったら休ませた方がいい。


「大丈夫です! それに早いに越したことはありませんから」

「それならいいけど」


 パーティーを組んだ途端元気になったな。

 スキルとか潜在能力が解放されたからか?


 まあ元気なのはいいことだ。

 まあリアみたいに元気が良すぎるのは問題だと思うけど。あいつは元気っていう次元を超えている気がしなくもないがまあいいだろう。


「行きますよ!」

「ああ、その前にちょっと待ってて。お礼言いに行かないといけないから」

「お礼?」


 特別にベッドを貸してくれたオレの知り合いだ。

 まあオレの怪我の確認には金を取られたんだけど。あいつは金と女には目がない。だから合わせたくないんだよな。


「一応聞いておくけど一緒に来る? おすすめはしないよ。むしろついてこない方がシーナちゃんのためだと思う」

「分かりました」

「そっか、分かってくれたか。ならーー」

「行きます。お礼は大切ですし、わたしのためでしょうから」


 うん。何一つ分かっていないようだ。

 まあ今止めたところで無駄だと思うから、もうここは大人しく連れて行こう。


「じゃあアドバイスはしておくよ。身の危険を感じたら「やめてください」って大きな声で言って。そうしないと止まらないと思うから」

「はい。身の危険を感じたらですね。分かりました」


 はぁ、嫌だな。

 あいつは女、それもシーナちゃんみたいな少女に興奮する奴だ。かと言って子供が好きというわけでもないらしい。

 子供ではないが大人になりきれていない女の子が一番良いらしい。


「行こう……いいや、入っていいぞ」

「あっりがとー! 君が例のシーナちゃん? 可愛いね。ボクと結婚しない? 幸せにするよ」

「え? あ、えと……」


 オレはこいつがドアの近くに張り付いているのに気づき、行くんじゃなくて来させるようにした。


 それにしても凄いな、相変わらず。

 この前シーナちゃんと来た時、丁度休みで良かったとつくづく思うよ。


「ごめんなさい! わたし……ユーリさんについていくって決めたんです」

「……。ほうほう。ユーリも抜け目ないな。こんな可愛い子を惚れさせるなんて、女たらしなところは変わってないな」


 女たらしって、そんなつもりない。それにオレ、女の子に告白なんてされたことないから付き合ったことも勿論ない。

 そんなオレが女たらしってどういうことだよ。


「えっ、ユーリさんって女たらしなんですか?」

「違うよ。断じて違う。オレは告白も付き合ったこともないから……」

「自分で言ってて悲しくならないか?」


 悲しくなったな。

 こんなこと言わせるこいつは最低最悪の奴だ。


「まあ、いい。で、自己紹介しておいた方がいいんじゃない? 最初で最後なんだから」

「はぁ? そんな訳ないでしょ。シーナちゃんはボクのものにするんだから」

「それはいいから、さっさと自己紹介しろ」

「はーい。ボクはメリリル、女の子を愛する美人女性。よろしくね、ボクのプリンセス」


 女の子を愛する。それは別に自由だと思うからオレは否定しない。

 でも美人女性というところが否定させてもらう。


 チビで胸も小さくて童顔で、どこが美人だよ。女性じゃなくて少女だろ。

 可愛いとは思う。だが美人は綺麗、少女は可愛い。だからお前は少女だ。


 なんてこと言ったらまた面倒くさいことになるんだよな。

 昔似たようなことを思って口に出したら、こいつがオレに喧嘩売ってきた挙句負けて大泣きしたんだよな。

 あの時は大変だった。


「わたしはシーナです。よろしくお願いします、メリリルさん」

「可愛いね。でも一つだけ言っておくよ。ユーリは本当に女たらしなんだ。だから頑張った方がいいよ」

「ん? はい?」

「ふふっ、まあ今は分からなくてもいいけど」


 シーナちゃんはメリリルが言ったことを理解できていないようだな。まあオレも今の会話は全く分からなかったんだけど。


「で、もう行くの?」

「ああ、そろそろ出ないと混んでくるだろ、ここも」

「まあ確かにそうね。時間的には一番多く来る頃だからね。だったらユーリだけ出て行って、シーナちゃんは残るって形でいいと思うよ」


 うん、こいつ、殴っていいかな?

 女の子に目がないとはいえ、ここまでとはまた重症化しているのが分かる。


「いえ、わたしもお邪魔だと思うので帰ります」

「残念だけど、引き止めるのはダサいからやらないよ。いつでも来ていいからね。その時はユーリなしでお願いするけど」


 男嫌いって訳ではないんだろうけど、女の子第一っていう精神は変わる気配がなさそうだ。

 メリリルが本気で惚れる女の子が現れてほしいものだ。そしてその子だけのことを考えるような馬鹿になってほしい。

 まああわよくば男であってほしいんだけど。それは無理そうだと感じるからな。


「じゃあ失礼するよ。行こっか、シーナちゃん」

「はい! 失礼します、メリリルさん」

「分かったよ。じゃあまたね、シーナちゃん、ユーリ」


 別れの挨拶をしてオレとシーナちゃんは治療院から出ていった。


 それにしても、名前を呼ぶ順番がある程度の付き合いがあるオレよりも女の子であるシーナちゃんを優先するところは、やはり女の子好きだということを実感させられるな。


###


「じゃあギルドに行こうか」

「そうですね。そういえばデーモン討伐したからそれでのランクアップってさせてもらえますかね?」

「まあ、させてもらえると思うよ」


 だってギルド内での傷害事件があったんだ。それのお詫びとして何かしらさせてもらえるかもしれない。

 こちらの問題とはいえギルドの不手際でもあるのだから、そこら辺は融通をきかせてもらえるだろう。


「そういえば魔力欠乏症での身体の痛みって大丈夫なんですか?」

「ああ、それね。もう大丈夫だよ」


 急に動き出したりしたら痛むけど、止まっている時や常に動いている時は全然大丈夫だ。

 あとはジェイク君に刺された時に魔術を使った時は痛かったな。どちらかというと刺された時の方が痛かったから、痛いって感じではなかったけど。


 そんな話をしているうちにギルドに着いた。

 そしてギルドの中に入る。


「ん? なんか視線を感じるんだけど」

「そうですか? わたしは感じませんが」


 オレだけ感じるってことは、誰かがオレを見ているってことか。


 周りを見渡すと誰がオレの事を見ているのかすぐに分かった。


 ギルドにいる冒険者の過半数がオレを見ているじゃないか。

 それもそのほとんどがオレとジェイク君の決闘や裁判を見ていた奴ら。勿論その中にはバックスもいた。


「ミンスさん、皆んなどうかしたんですか?」

「皆んな? 冒険者の人達ですか?」

「うん、そう」


 ギルドの受付にいたミンスさんに話をかける。

 そしてなんでこんなに視線を集めているのかの理由を聞いた。


「皆さん、ユーリさんの評価を改めているみたいですよ。決闘での戦い方や裁判での発言を見て」


 それで見られているのか。まあ評価が良い方に転じればこの視線も良かったと思えるだろう。

 シーナちゃんの方に視線が集まってないことも良かったと思えるし。


「それで、パーティー申請したいんですけど」

「了解しました。パーティーリーダーはユーリさん、メンバーはシーナさんですね」


 やっとパーティーが組める。

 このパーティーならきっとあいつらに追いつくことが出来るはず。そしてまた会うことが。


「パーティー名はどうしますか?」

「パーティー名か。どうする、シーナちゃん」

「えーっと……」


 そこら辺のことは全く考えてなかった。

 ただパーティーを組めることが嬉しかったから、考える余裕がなかったんだよな。


 どうするべきか。

 何かいいパーティー名はないだろうか。


「【エターナルオース】とかどうでしょう?」

「【エターナルオース】か。いいと思うよ。じゃあそれにしようか。ミンスさん。パーティー名は【エターナルオース】で」

「了解です。パーティー名【エターナルオース】。リーダー、ユーリ。メンバー、シーナ。登録完了です」


 【エターナルオース】。直訳で永遠の誓いか。オレがパーティーに誘った時のことを思い出してつけたのだろう。

 とてもいいパーティー名だと思う。


「ランクはデーモン討伐のクエストを合わせて、Cランクからということになります」

「もうCランクでいいの?」

「はい。ギルドマスターからもし二人がパーティーを組むとしたら、Cランクにするようにと言われましたので」


 ギルドマスター、これで借りを返したのか。

 まあいいだろう。デーモン討伐でCランク昇格は妥当といえるからな。


「それで、こちらが報酬です」

「こんなに、いいんですか?」

「はい、正当な報酬ですから」


 デーモン討伐はこんなに高い報酬がもらえるのか。

 結構大変なクエストだったから、割には合っているな。


「ありがとう、ミンスさん」

「いえ、仕事ですから」

「そうかもね。ギルドマスターにもありがとうございますって伝えておいて」

「承知しました」


 これでパーティー登録完了。


「じゃあ、シーナちゃん、帰ろうか」

「あの、それがですね。帰る場所がないんですよ」

「えっ? どうして……ああ、そういうことね」


 おおよそ、ジェイク君が捕まったから宿に帰れないんだろう。

 あいつ、最後の最後まで迷惑かけるな。


「だったら、報酬は折半だからそれで泊まればいいんじゃない? 宿屋ならオレが泊まってるところを紹介するから」

「ありがとうございます」


 そうしてシーナちゃんと一緒にオレが泊まっている宿屋に行き、シーナちゃんはそこに泊まることになった。

 勿論部屋は別だけど。


 ここ数日は大変だったな。

 色々なことがあったけど、なんだかんだ良かったと思える日々だった。

 シーナちゃんと出会えたことが一番の幸福だな。


 そんなことを思いつつ、眠りについた。

これにて第1章完結です。


是非面白いと思った人や続きが気になると思った人は、評価とブックマークをお願いします。

ダメダメなところばかりだと思いますので、正直な評価で大丈夫ですよ。


メンタルはズタボロになるでしょうけど。


次の第2章もお楽しみに。

(頑張ったと思います)

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