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第11話:仲間

「んん……!」

「おはよう、シーナちゃん」


 今はシーナちゃんを寝かせるために治療院に来ている。あと先程の怪我を念のため見てもらうために。


 治療院は怪我人や病人を治療するためにあるのだが、オレの知り合いが勤めているため特別に借りることができた。

 幸いにも今は空いているらしく、一日程度なら無料で貸してくれるそうだ。


「あっ、おはようございます。それで……あれからどうなったんですか?」


 やっぱり気になるよな。

 ここで嘘をついても意味ない。いずれ知ることになるんだから。

 正直に話すか。シーナちゃんが眠った後から。


「シーナちゃんが眠った後から話すよ」

「はい、お願いします」


 でもなぁ、オレがジェイク君に刺されたことまで話す必要があるのかどうかだよな。

 話したら余計な心配をかけるだけだし。でも後々知ったら傷つくかもしれないし。どうしよう。こういう時リアが居てくれればいいのに。

 なんでこういう時に限って居ないんだよ。


「えっと、シーナちゃんが寝た後、ジェイク君の記憶を覗いたんだよね」


 まあ正確には言った情報と異なるかどうかを魔道具で確認したんだけど、似たようなことだし別に構わないだろ。


「それでギルドマスターがジェイク君達をギルドから冒険者資格を剥奪したんだ」

「えっ? 本当ですか?」

「うん、本当だよ」


 もしかしてシーナちゃん、オレ達とジェイク君達が冒険者資格を賭けた裁判をしていることを知らないのか。

 まあそのことは黙っていてもいいかな。別に重要な話じゃないし、今話しても意味ないことだし、いいよな。


「まあそのあと、ジェイク君が暴れたんだよね」

「暴れた? ユーリさんは大丈夫ですか!?」


 元パーティーリーダーの幼馴染よりもオレを心配してくれるなんて優しい子だな。

 それとも完全にジェイク君達のことを嫌ってしまったのか。まあ今はどうでもいいことだ。


「ああ、大丈夫。ここで見てもらったし」

「そうですか。……え、もしかして怪我したんですか?」

「したっちゃしたんだけど、そこまでじゃないし自分で治せる程度の傷だったから」


 シーナちゃんは鋭いな。

 もしかしたら気づかずにそのままスルーでいけるかもしれないと思ったけど無理だったようだ。


 そういえばもう使えなかったな、あの時の魔術。

 臨時パーティーだったから時間切れなんだろうか。


「すっ、すみません!」


 シーナちゃんは凄い勢いで謝ってきた。


 自分は悪くないのに謝るなんて、本当に優しい子。

 そしてそんな子をあんな風に接していたと考えるだけで反吐が出る。いやもう見てしまったから、最悪な気分だったな。


「大丈夫だよ。傷は治っているし、シーナちゃんがしたわけじゃない。悪いのはジェイク君なんだよ。シーナちゃんが謝る必要なんてない」

「それでも、元パーティーメンバーとして謝らないといけない気がして……」


 元パーティーメンバーがしたことなのに謝るなんて、オレには絶対にできないことだ。しかもそれが自分に酷い仕打ちをしていた相手なのに。


 ここでパーティーに誘うのは卑怯か。なんかズルしている気がして誘うのは気が引ける。


「もう終わったことだよ。元パーティーのことなんて忘れてもいい。言ったら悪いかもしれないけど、あんな奴らだ。そんな奴らのことなんて綺麗さっぱり忘れるのがオレはいいと思う」

「……」

「……ごめーー」

「そうですね。綺麗さっぱり忘れます。だからわたしをユーリさんのパーティーに入れてくれませんか?」

「えっ?」


 思わず変な声が出てしまった。


 シーナちゃんならば冒険者を辞めてもおかしくないと思っていた。

 優しすぎるシーナちゃんは正直冒険者に向いてないと思う。たとえ凄い実力を秘めているとしても。


 これを断るのはある意味シーナちゃんのためなのかもしれない。

 でもそんな選択肢は最初から存在していない。


「いや」

「え……」

「シーナちゃん。オレのパーティーに入ってくれ。オレは神……いいやオレ自身に誓う。君を絶対に幸せにすると」

「……はいっ!」


 オレはシーナちゃんが入るって言ったのに、オレからまた誘った。


 これは誓いだ。

 シーナちゃんに悲しい思いをさせない。ずっと笑えるような人生を送らせると。


 オレは神を信じる。

 何故ならこんな最高な子に巡り合わせてくれたからだ。

 でも誓うのはオレ自身。神に頼って幸せにするんじゃなくて、オレ自身の力でシーナちゃんを絶対に幸せにするんだ。


「シーナちゃん、ありがとう」

「こちらこそです。リーダー!」


 条件クリア。

 【育成者】解放。

 スキル【育成者】の力を発揮します。


 所持者及びその仲間の力が覚醒します。


 リーダー、ユーリに特級魔術〈覚醒〉と第一リミッター解除。

 ファーストメンバー、シーナにスキル【最初の導かれし者】を贈与する。


「これって」

「やっぱり、スキルがある」

「オレからの贈り物じゃないけど、仲間になった証。受け取ってもらえるかな?」

「はい! わたし、リーダーについていきます!」


 スキル贈与完了。

 【最初の導かれし者】によりシーナの潜在能力解放。


「ありがとうございます」

「こちらこそ、ありがとう」


 オレとシーナちゃんはスキルで繋がった。

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