第1話目(後編)
CMあけ後編始まりま~す
おじさんの後をただひたすらについて行く青年。そして、さびれた工場に着いた。
中はいつから放置されていたのか荒れ果てていた。
おじさんは何かの錆びれた機械を懐かしむ様に手で撫でながら語りだした。
「君のお父さんと私は仕事仲間だったよ。ある大きな会社から仕事を貰ってね。私は下請け、君のお父さんはそんな私を助ける為に働いてくれていたんだ。まぁ、仕事と言ってもあまり利益が上がる様な仕事ではなかったよ。いつもギリギリさ。」
おじさんはおもむろに転がっていた椅子をお越し座った。
「まぁ、君も座りなさい。」
青年も周りを探し椅子に座った。
「あれは君のお父さんが亡くなる1ヶ月前ぐらいかな。突然そのある大きな会社は私達との契約を切ったんだ。説明も無くね。勿論私と君のお父さんとで、皆を代表して懇願しに行ったよ。契約を再度して欲しいとね。」
椅子からゆっくりと立ち上がりおじさんは青年に背を向けワナワナと震える様にして首を左右に振った。
「ダメだったよ………理由も教えてくれなかった。君のお父さんは君には酷かも知れないが悪い所からお金を借りていたんだ。それも生命保険を担保に。君のお父さんはもう限界だったんだろうね。私も自分の事で気がつかなかったよ。あのまま頑張っても君にまで負債が及びかねないと判断したんだろう。お父さんは自ら命を絶ってしまったんだ。すまない。私がもっと早くに君のお父さんの所に訪れていればあんな事にはならなかったはずだ。恨むなら私を恨んでくれ。」
おじさんは青年に向かい頭を下げた。
「そ、そんなおじさんは何も悪くないじゃないですか!悪いのはその大きな会社でしょ?」
「あぁしかし、社会とはいつだって弱い者には味方などしてくれんのだ。」
「弱いから言いなりになるしかないんですか?」
「………私はそうは思わない、どんな手を使っても復讐するつもりだ。………しかし君を巻き込みたくはないんだ、だから今日の話は君の胸の中だけに閉まっておいてくれないか?」
「…………おじさん!その復讐に僕も協力させてください。本当に何でもやりますから、お願いします。」
「…………何でもかい?犯罪だとしても君は協力してくれるのかい?」
「はい!僕を、父を、おじさんを苦しめた奴に復讐したいです。」
「………そうか、君の決心は固いようだね。わかったよ、君にも協力して貰おう。………なら、もう1つ教えてあげよう。」
「え?何ですか?」
「それは………契約を破棄された理由だよ。後から知ったんだけどね、社長には可愛い1人娘がいてね、その子が言ったらしい。『小さな汚い会社なんて恥ずかしいからいらない』って………」
ちなみに11話で完結のドラマの脚本だから
面白いと思った人は本編の方に⭐入れてね。