プロローグ
ドラマの脚本かな?
「くっふははは、いいざまだな~え?なぁ?」
そう言葉を発している青年は古い木製の椅子に反対に股がり背もたれに両腕を重ねる様に置き座りながら嬉しそうにしていた。
声を掛けられた物、いや後数時間で物になるであろう動かない女性が倒れていた。全身には痛々しい暴行の跡。
衣服はとうの昔に剥ぎ取られ全裸になっていた。意識は朦朧としていつ途切れてもおかしくない状態だ。
そんな女性に興味が無くなったのか青年は椅子から立ち上がり座っていた椅子を倒して小さく「けっ!」と吐き捨て部屋から出て行こうとした。
「どうする?まだ生きているがトドメはいいのか?」
部屋の隅で壁にもたれ掛かりながら見ていた男が部屋から出ようとする青年に確認した。
「ふん!もう、死んでるのと同じじゃねぇか。処分してくれよ。」
「…………そうか、わかった。」
納得したのか青年は部屋から出て行った。
部屋の隅で観察していた男はそっと動かない彼女に近づき独り言の様に語り出した始めた。
「すまんな。お前は少しも悪くなかったのにな。全部俺が仕組んだ事だ。本当に面白かったよ、さっきの馬鹿が俺の言った事を信じてお前の親とお前に復讐する姿は…………」
そうして男はスーツの内側に忍ばせていたナイフを手に取り動かない彼女の背中から心臓にナイフを突き立てた。
「最後まで苦しむお前は本当に惨めだな。本当に同情するよ…………クッアハハハハハ」
そして彼女は息絶えた。最後の男の言葉は彼女に届いたのかもわからないまま…………
脚本ですから!