17.守護者レベル3の凄さ
「小夜子様」
「精霊が生まれたから守護者レベルが上がったの。で、この国の領土が全て戻ったみたい。それに伴い、そこにいた他の国の者は弾き飛ばされて、そこにいたこの国の者が解放されているみたいなんだけど、
2カ所だけ、動かないんだよね。だからそこに様子を見に行って貰おうと思って」
「勿論です!」
そこまで一気に話したところで、ルチアーノ達がいないことに気が付いた。どうやらスターの能力は、探索に限らずかなり凄いのかもしれない。
「動けない理由が分からないだけに、色々と準備をして行きましょう」
ルディが作った様々なポーションに、魔道具で行動を制限されているかもしれないということで、魔道具を無効化する魔道具、そして食べやすい食事や水など、準備されていく。
小夜子は皆が救助の準備しているのを確認しながら、この赤い■が諦めることなくその場に多く集まっていることが気になっていた。
もしかして、結界を壊すような魔道具があるのだろうか。
不安になってスターに聞けば、魔道具が張った結界なら壊せるものがあるが、守護者の結界は小夜子に何かない限り、壊れることがないという回答が返ってきた。
「何か…って、死ぬってこと?」
『そうですね。基本的に守護者は守護者レベルが3になれば、常時結界が張られている状態なので、外からの攻撃は一切効きません。あるとすれば、病気や寿命です』
「健康に気を付けていればいいのね」
『その通りです。ですが、レベル4になれば、病気にすら耐性が付きますので、寿命のみとなります』
「それなら良かった。じゃあ、何故壊そうとしているの?」
『この国に守護者が現れたことは領地が変貌していることで、どの国も理解されていますが、数日で急激にレベルを上げられるとは思っておらず、過去に使用していた結界で国を覆ったと思っているのでしょう』
では、この赤い軍団は放置でいいとして、早く救助隊を組まないと。
そう小夜子が思っている間に、息を切らしたルチアーノ達が戻ってきた。
同時に準備が整ったと声が掛かった。
「ルチアーノ、準備は整ったよ。息整えたら、この場所から南東に500キロ離れた場所に向かって。ここに30人前後が動けないでいるみたい」
「マークは北西30キロ先の川沿いに。10人ほどが足止めされているみたい。一緒に行く人は二人が選んで。他の人は戻って来ている人が休めるように、食事や寝床の準備をしましょう」
少し前までに手に入れた食材たちも一度集め、救助に持っていく物と、ここで調理するものに分けた。
最終の準備を整えていると、地図が少しずつ変わり始めた。
この集落と同じように、村の名前が記載され始めたのだ。
それはまるでゲームの世界のアップデートのようで、小夜子は戸惑う。だけどそれをこの世界にいる人たちはそれが当たり前だという認識。本当に、おとぎ話のような世界。小夜子が都合のいい夢を見ているのではないかと、疑ってしまう。
それでも、幸太郎がもたらした手紙はこの世界の人が読めない日本語だったし、レベルアップなんてものがあるのだから、小夜子が思っている理が通用するわけがないのだ。だから、これが普通。
うん。ラノベの世界で高校生が勇者というのは、分かる気がするよ。常識が凝り固まった大人だと、色んなことを受け入れるのに、苦労するね。
ディーフォース 川沿いにある滝がある崖のふもとにある村。
コーフィズ 牧場が中心の村。
ボーレイ 平地を開拓して出来た街 主要都市ビーブリッグの次に大きい街
ビーブリッグ 集落から元の主要都市へ
名前が浮上して地図ようにはっきりと明記されたのは4つの地名。
そこで初めて知った。ここがビーブリッグという都市だったなんて。
でも、考えた分かることだった。国としてあるならば、村や町が1つもないわけがなかった。それに王が住む家だってあったはずなのだ。
2階建ての大きな家が、今まさにアニメでよく見る大貴族の屋敷に変わった。周りの平屋だった家は遠く離れた場所に移動し、貴族の家のような立派なものに変わっている。それが規則正しく綺麗に。まさに発展していた街の風景そのもの。
ふぇぇぇ……。
なんか、突っ込むのも疲れる。
気になることだらけだけども!
人命救助が先!
先ほど動いていない青の■も地名が明記されたことで変わってきた。近くの村や街からも救助らしき者が動いているのが分かる。
今まさに動こうとしていたルチアーノ達に、小夜子はそのことを伝えた。
「では、一先ずは大丈夫なのだな?」
「それぞれに救助が向かっているみたいだけど、薬や食料があるかは別なんじゃないの?ここも食料はあまりなかったでしょ?」
「そうだな。ボーレイは気になる。一度行ってくる」
そう言ってルチアーノが連れてきたのは立派な馬?スレイプニルと鑑定にでた。
ええ…と、幻獣だったような。
「こいつはずっと王家が大事にしていたのだ。皆と一緒に眠りについていたのだが、今回目覚めた。小夜子、ありがとう」
「ううん。相棒が目覚めて良かったね」
「ああ」
そう言ってスレイプニルを大事に撫でていた。本当に大事な相棒だったのとわかる表情だ。
その他にも次々に馬が目覚めたおかげで、ボーレイには速度重視で駆けていくことにしたらしい。
「気を付けて」
「行ってくる!」
颯爽とスレイプニルに跨り駆けていく姿は、カッコよく見えなくもない。
が、小夜子にはボス猫イメージが強すぎて、残念ながらこの国の若き王に見えないのは致し方ない。
読んで頂きありがとうございました。
時間が足りなさ過ぎて、更新が微妙。
予定では30回前後更新だったのですが、もっと短くなるかも?
色々と纏まらなくなってきたので。
もう暫くお付き合いください。




