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『海人と柊』~女装男子~  作者: なにわしぶ子
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24話~魏の国~


「ヒメコさん!!Jが戻ったよ!」


海人は大きな声で、女王に声をかけた。


「J!!あぁ本当によく戻られた、さぁ、とりあえず早く火の傍に。」


女王は、Jの帰還をとても喜び、冷えきった体を温める様にと、色々世話をやきはじめた。


暖かな炎に手をかざしながら、Jは安堵の表情を浮かべた。


「ヒメコ様、ただいま戻りました。使者の団の方より一足先に帰らせて頂いたので、もう数日すれば、皆さん戻られるかと思います。

魏との同盟は無事滞りなく成功しました。

沢山の品々も預かってきています。楽しみにしていて下さいね。


そして、爽さんの話なんですが。」


そう言って、Jは女王に旅の報告を始めた。





 Jはムラから飛行具で飛び立って、数時間後には

海向こうの大陸に到着する事が出来た。


そこからは、ルートを先回りし、使者達を見つけた後、女王の命で来た旨を伝え合流に無事成功をした。


魏の帝が住む宮廷に着くと、皇帝と謁見をした。

帝は沢山の献上品をたいそう喜んで、友好国となってくれる事を約束してくれた。


とりあえず、第一の目的である友好関係を築けた事を見届けると、Jは早速爽の探索をはじめた。

改良した腕時計型の端末を使い、爽のチップ信号を拾えるかを、まずは試した。


チップはその人が命尽きるまで稼働を続け、信号を発信し続ける仕様になっている。

弥生時代に居たとしても、勿論、探索可能距離に限界はあるけれど、数百キロの範囲であらば、探知は可能なはずだった。


「どうか、反応します様に。」


Jはそう願いながら、操作を続けた。

すると、僅かながらの信号をキャッチした。


Jは、慌ててその地図上の場所を拡大した。


「そんな、まさか……」


キャッチした場所は、Jがまさに今滞在している

魏の宮廷の中だった。


「誤差動の可能性もある。慎重にいかないと。」


Jは、そう言いつつも、胸を踊らせた。


女王からの使者達は、魏の皇帝にとても丁重にもてなされ、暫くの間、色々歓迎したいからと滞在する事となっていた。


その期間中に、何か手がかりを見つけなければ、

そう思うも、宮廷内はとても広く、爽がどこにいるのか皆目見当もつかなかった。


「地道にいくしかないか。」


Jは見学を装って、慎重に信号を追う事にした。

すると、どうやら皇帝のいる場所の近くから反応が強くある事がわかった。


ただ、皇帝の部屋の周囲は警備も厳しく、なかなか簡単に突破は出来そうにない。


行き詰まったJが、部屋の周囲を諦めきれずにウロウロしていると、背後から突然声をかけられた。

Jは思わず体を強ばらせた。


「使者の方が、こんな所で何をされてるのです?」


振り返ると、ひとりの男性が立っていた。

顔に見覚えがあった。

帝に謁見した時に側近として同席していた人物の

ひとりだった筈。

これは、チャンスかもしれない。Jはにっこりと

微笑んだ。


「ただの、見学です。」


Jは、わざと魏の官僚の人達が使う言葉で返事をした。


「ほほう。そんな流暢に此方の言葉を話せる方が

使者の中におられたとは。

私は皇帝の側近で軍師をしてるシバイ。

良かったらそちらのクニのお話を聞かせてもらえませんか?

美味しいお茶もあるんですよ。」


そう言って、軍師だという男性は、Jを自分の部屋へと案内した。



これで探れるかもしれない


Jは、軍師の後を着いて行く事にした。




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