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『海人と柊』~女装男子~  作者: なにわしぶ子
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23話~Jの帰還~

 

 それから1ヶ月の時が流れた。


使者の団もJも、未だに帰ってきてはいなかった。

海人は、空をいつも見上げるようになった。


心配ではあったけれど、きっとJなら何とかしてくれるはず、そう信じ続けた。


 そんなある日、ハヒコがいつもの様に、女王にお告げを聞きにきた。今日は、明日以降の空模様の相談だった。


海人もハヒコと一緒に、女王のする事を見る事にした。

女王は瓶に水を注ぎこむと、そこをゆっくりと覗きこんだ。


「2つ夜がきたら、嵐がくる。少し備えなさい。」


ハヒコは一礼すると、慌ててお告げを伝えにムラへと走っていった。


「へぇ、そんなのかわかるの?どうやってんの?それ。」


海人は不思議な顔で、女王に尋ねた。


「水が鏡になるのだよ。それを見ると私の目が教えてくれる。」


海人は自分は出来るか試してみた。


どうやら、それは目のチップのおまけ的な効果らしく、海人には天気を予測出来る事は出来なかった。


「ちぇっ、出来ると思ったんだけどなあ」


そう不服がる海人を、女王は微笑みながら見ていた。


すると、水瓶の水面が太陽の光で、キラキラと反射をした。


「うわ眩しい!本当に水面って鏡みたいだな。鏡面反射か……そっか……鏡の代わりに水を使えば?これ、いつか何かに応用出来るかも。」


海人は何かを閃いたのか、その場で一心不乱に記録をはじめた。







2回夜がきた後、予告通り嵐がムラを襲った。


事前にムラ中で備えていたので、特に大きな被害はなかった。

そして、また女王は絶対的な存在になっていった。


「天気予報ひとつでこんな風になっちゃうんだから、そりゃヒメコさんは身動き取れなくなっちゃうよな。」


海人は、そんな独り言を呟きながら、

嵐が過ぎて、雲ひとつない空を見上げていた。


 J早く帰ってきてくれよな………。


そう、心に思っていると山の向こうに光る点を見つけた。

海人は、外へと飛び出した。


だんだん近づいてくるそれは、飛行具に乗ったJだった。


「J!!」


海人は両手で手を振りながら、駆け寄っていった。

飛行具に乗ったJは、颯爽とムラの中の目だたない場所へ着地をすると、


「ただいま帰りました!海人さん!」


と、笑顔で言った。



髭が伸びて、風貌が変わったJは、少し貫禄が増した感じがした。


「まずはヒメコ様に、早くヒメコ様に報告をしないと。」


Jは飛行具をとりあえず、収納スペースに格納し終えると、女王の住居へと駆けていってしまった。


海人は、Jの慌ただしさに面くらいながらも、自分も慌ててあとを追いかけた。




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