16話~おてんとう様~
「ヒメコ様、話の途中で申し訳ないのですが
マシンに戻って、荷物を持ってきてもいいですか?」
Jが何を思ったのか、女王の話を遮った。
「それは構わないが、何かあるのか?」
「話が見えてきたので、端末で少し過去のデータを調べたいんです。」
「でもJ、端末も壊れてない?おまけにエネルギー切れしてるかもしれないしさ。」
海人が心配そうに尋ねると
「壊れていたら直すだけですし、エネルギーは朝になれば大丈夫ですよ海人さん。」
Jは微笑んで、住居から出ていった。
「朝になればって?」
海人が、意味を把握しかねていると、女王が笑いながら
「おてんとう様だよ。」
そう言って、出口の先を指差した。
その指の先には、白々と夜が明け始めた空に昇りはじめた
太陽があった。
あぁ、太陽のエネルギーを使うのか。
いつの時代も、太陽は変わらずそこにある【変わらないモノ】って事か。
そんな事を海人が考えていると
ケースを抱えたJが戻ってきた。
「お待たせしてすみません。端末の破損は免れたみたいです。
交信は出来ませんでしたが、資料の閲覧は可能です。
過去の記録を調べた所、ヒメコ様であろう方の記録も残っていました。そして、爽さんの記録も。
では、続きを聞かせて頂けますか?
資料と照らし合わせながら、お話を聞きたいので。」
「Jの時代の端末はそんな端末なのか。またあとで触ってみても?」
「勿論です。」
女王は、Jの持ち運んだあらゆる機材に興味を示したあと、またゆっくりと昔話の続きを語り始めた。




