守りたいと思う者
アメリアは起きた後、扉の向こうへ消えて行ってしまった。
僕は部屋で待つ事しか出来ない、それ故に、する事が思い付いてしまう。
今、僕に足りないモノは何だ、力、魔力、アメリアを守る為の権力、それに武器、装備品だ。
ならば手っ取り早く鍛える事が出来るのは全身を鍛える事だ、三十分の間に全力を出し、息切れをすれば休憩、三十分で息切れしなければ一時間と段階を踏んで体力に全身の筋肉を緊張状態へ持っていき鍛えるしか無い。
そうと決まれば僕の行動は速い、ベッドから降りて片足を上げ百八十度の角度になるまで広げて、そこでキープをし、脳内で前世の全力行動を呼び起こし、身体にその時こ疲労状態を蓄積させていく。
そして三十分が経つと、全身から汗が溢れ出し、息切れ、動悸は激しくなり、全身に酷い激痛が襲う。
僕は想像通りな状況に満足して笑み、三十分休憩した後、先程の事を反芻して、肉体を極度の疲労状態へと持ち込もうと思っていたが、アメリアが扉の向こうから帰って来た。
「アーティ、司祭様がアーティの身体を調べたいと言ってるの、だからね、アーティは〜 下を見て私の手を握ってて下さいねぇ〜」
アメリアは少し表情を曇らせながらも隠す様にぎこちなく笑ってくれる。
「司祭様が僕の何を見てくれると言うのでしょう? 戦う力があるかどうかですか?」
僕は核心をつく様にアメリアに言う。
アメリアは悪く無いのに俯き、悲しそうに肯定する。
「そうです、アーティ アーティは突然、聖母像に抱かれた状態で現れたのです。」
アメリアは昔話をする様にポツリポツリと語ってくれる。