表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

過去と妖精と精霊とオッパイセイント

遅くなりました。


更新再開していきます。


色々とごたつきがあり更新出来なかったので申し訳なく思います。


すみません。


目が醒めると茶髪であどけなさが残る顔に蜂蜜色の瞳の黒と白の修道服を身に纏った笑顔が絶えない女性。


アメリア


そのアメリアの腕の中で揺られていた、見上げれば大きな胸が邪魔をしていてアメリアの顔が見えない程大きい。


起きたよと伝える為に両手を上げ上下に動かし、あうあう〜と鳴く


すると気付いたのか胸の上あら顔を見せてくれるアメリアはニコニコと笑顔で声を掛けてくれる。


「あら! アーティ起きたのですね! お早いお目覚めです おはようございます!」


そして直ぐに修道服をたくし上げ胸を僕に近づけて飲ませようとする


「アーティはまだまだ赤ちゃんですからね〜 沢山飲んでも良いんですよ〜」


アメリアは善意からだろうがアーティの意識は、はっきりとしている為少々戸惑う。


意を決して目を瞑り口を開きアメリアの乳に吸い付く。


口の中に広がるのはほんのり甘く安心してしまう味が広がる。


かつて乳母から飲まされていたのに似ているが近くて遠い。


多分、栄養とかの問題だったのだろう。


自分が国を治め、豊かにしてから国民達の生き生きとした姿が広かったから間違い無いと思われる。


赤子のアーティはそんな事を考えながら飲んでいた。


「む〜 アーティは目を瞑っておてても握ってしまうのですね〜 指圧したら出が良いのですがどう教えましょうか?」


むむぅ〜と唸り困ってるアメリアの声が聞こえるので気恥ずかしさを今は無視して押す事にした。


ふにぃ、ふにぃ、ふにぃととても柔らかくも弾力があり、さらさらとした肌が手から伝わって来る。


「うう〜(恥ずかしいがこれもアメリアの為だ、免罪符なのだ!)」


ふにぃ、ふにぃ、ふにぃ。


押し続け、刺激しながら吸う。


「そうです! そうですよアーティ! よく出来ました!」


跳ねるような嬉しそうな声でアメリアは褒めてくれる。


「ふふふ、良かったです! アーティは天才なのかもですね! もしかしたら私の言葉を何となく理解しているのですね、アーティが大きくなるのが楽しみになりました! 私は嬉しいです、アーティは大きくなったらママかお母さんと呼んでくれるでしょうか? 私の家に連れて行くのが怖いです、父に傷だらけにされそうで私の胸は今にも張り裂けそうです。」


最初は弾んでた声が最後には沈み不安が伝わってくる声に変わってしまった。


「あー! あ、あう〜!あむぅ〜」


励まそうと声を出すが、上手く声が出ず、あうあうを卒業出来ずにいる。


「ありがとうございます、アーティ。 貴方は優しい子ですね、わたしは元貴族で長女つまり、第一子です。 家督相続権はありません、次に産まれた次男の弟が継承権を持っており才能もありました、カリバーン家に必須な才能が、私の家は公爵家で王族の懐刀と呼ばれる程の名家です。」


滔々と静かに顔に陰を落とし話し出す。


飲み終わった後も胸を隠さず、僕の介抱をしてくれる。


噫気・噯気つまりはげっぷをさせたりとしながらも喋ってくれる。


「カリバーン家はですね、戦場で叩き上げ戦果を出して来ました。 魔法に剣術と言うより人を効率良く殺す剣ですね、そしてそれが王の目に止まり爵位と領地を手にしました。」


優しく揺らし眠れる様にしてくれるアメリア、だがその表情はとても暗い。


「祖父は気性が穏やかですが、父は違います、厳格で才能が無いと直ぐに切り捨てる人です。 そして、教え方もとても怖く鋭い、直接身体に叩き込み回避の仕方やいなし方を最近に教えます。」


僕を膝の上に乗せ、時節右腕を擦り今も痛みがある様に。


「父は言う、のです。 お前には魔法の才はあるが肉体の方は才能と反射に動ける能力が無い、お前は失敗作、だと。 私の肩を打ち付け殺意はあるけど死なない程度に木剣で打ち付け、切り裂き、血塗れになった私に最後こう言いました。 「お前は王子に嫁がせる」と冷徹に、私はあの人が人間では無いと錯覚する程に。 そして気付いたのです、父は戦場を夢想し殺す事だけを常に思考してるカイブツなのだと」


右腕を擦り、手が開くかを確かめたり、肩を触り撫でる、当時を思い出すかの様に。


「私は学園へと即時入学させられ、礼儀作法や文学に付いて勉強し、その過程である本が目に止まりました。」


『龍神と邪神』


「その物語はですね、別の世界で科学と呼ばれる技術が日常に広がり魔法も種族は人間だけの世界で、何処にでもいる男の子だけを指定し呼び寄せ、そして最後には男の子が切望して止まなかったモノが手に入り幸せの場所になった、と言うお話がとてもお気に入りで学生時代からずっと読み続け、学校から譲って貰い家を出ると同時にそれを持って教会でシスターになりました。 今でもそれは持っているんですよ! 大きくなったら読み聞かせてあげますね!」


暗い表情から華やぎ嬉しそうに語るアメリアはとても綺麗だと思った。


「そして、その物語の邪神様が私は大好きで憧れ、恋など抱いてしまうくらい素敵だと思うんです。 傷付きそれでも優しく触れ合おうしてまた傷付き少女の父親役など色々な事を背負い込もうし、感情を表したり、でも優しいんですよ、根底は。 痛みを知っているからこそ優しく激しい、そしてそれを表現するのがとても不器用で可愛いんです、私は龍神様を私に置き換えたりして夢想した事もあるんですよ、そんな物語の人に比べたら私はまだまだ軽いと思うんです、恐怖は忘れませんが、ね!」


恋する乙女の表情を浮かべ虚空を見るアメリア


そしてポツリと呟いた。


「私が龍神様だったなら優しく包み込み癒してあげれますのに」


その呟きに返事をするモノがいた。


「それは無理無理〜 だってタイムパラドクスになるし、未来が変わったら怒り狂った邪神君に私はヨーヨーの刑に処すし〜 あの子マジ融通効かないんだもん、天邪鬼だし。」


光の中に浮かぶ輪郭は小さな人間、小人の様に思うが背中に羽がついているので妖精種だと思われるがちゃんと姿を見せてはくれない。


「邪神君からノルニルと言う名前を授かった妖精で〜す! よろしく〜」


右手を振り挨拶をしてくる。


アメリアの表情が険のある表情に変わり警戒する。


「妖精種が何の用ですか? 人間に関わりをあまり持たなくただ利用してくる種族の方が」


「酷い言われ様だなぁ〜 まぁ仕方ないっか! まぁ『未来』から来たって所を突っ込んで欲しかったりしたんだけどねぇ〜 要件は一つ、その子妖精族に頂戴よ妖精王になる器だ、精霊王にでもなれるし、未来じゃ凶悪過ぎて敵わないから今の内に取り払おうかと、そしたら邪神君も悪魔王とあんなに仲良くならないし、苦労しなくても済むんだよ、我等が『神』は。」


おちゃらけてた雰囲気は吹き飛び真面目な雰囲気を出す。


「彼の所為で苦しんだか、どれだけ陰で自分を責めてたか解らないほどさ、例え何回死のうとも、暴走する事は無かったんだよ。 邪神君は拾った孤児達と畑仕事してるのがお似合いだからね〜 彼の一つの幸せの形」


慈しむ様に優しく声で言う妖精


「それでも、アーティを渡す訳には行きません! アーティは勇者となる未来は確定しています!」


力強く言い放つアメリア


「それなのだよ、だから、我は契約をしに来たんだが、未来の妖精の方が早かった様だ」


赤、青、緑、黄、白と変わる色の球体が僕の前に浮かんでいた。


「初めまして、だ。 アーティ・カリバーンよ 我は名を持たぬ精霊だ。」


自己紹介をした精霊が僕の前に浮かんでいる。


「精霊は契約で何を奪う腹積もりですか」


右手を精霊に向け、まるで照準を合わせた様な姿勢をとるアメリア


「なら、妖精は帰るとするよ、会えるのが楽しみだよ、その時は手加減しないからよろしく〜」


そう言い残し消える妖精ノルニル


「やれやれ、我は力を授けるだけに来たと言うのに、妖精は忠告か」


ふよふよと宙を舞い言う精霊


「力を授ける?」


警戒しながらも情報は貰おうとするアメリア


「そうである、邪神が世界を狂わす、一本の杭であれば良い物を、それをなるべく阻止する為に我は契約と言う形で幻想世界から出てきた訳でもあるがな」


胸を張って偉そうに言う精霊


「では、アーティが大きくなってからまた来てください、以上。」


アメリアは突っ撥ねて、僕を隠す様に抱きしめ頭だけで振り向く


そして精霊は吐き捨てる様にある事を言った。


「オッパイセイント」


そう言い残して消えてしまった。


「好きでこんなに大きくなった訳ではありませんから〜!」


むか〜!と擬音が付きそうな程怒るアメリアだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ