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ゾンビの感想

ゾンビになった時の感想を述べてみよう。



 実は、ゾンビウィルスは意外にも足に来る。



 たぶん、脳みそはもう一番にやられているから、「足に来た!」と思ったところで、既に手遅れなのだろうが、感覚的には、そうだった。


 こう、ふわっと言うか、足下をすくわれると言った表現が正しいような症状が突然襲ったかと思うと、ガクッと上半身がうなだれてしまう。と、その衝撃で頭はもう空っぽなのだ。


 いや、ちょっとだけは、バーベキューの最後の方みたいな、炭の残り火くらいの意識はそれでも残っているらしくって、「あれ? なんで自分、キョンシーみたいに両腕を前に出しているんだろう」とか、思うのだけれど、そこはゾンビウィルスの方が良く出来ていて、ほとんど気にならない。



 むしろ、その状況が心地よいとさえ思うのだ。



 だって、太郎さん、ゾンビ化が完了したであろう直後にいきなり車にはねられた。

が、全然痛くも痒くもないのである。


半壊した身体を無理矢理起こして立て直す。とそれこそ俄然調子が良いのであった。今なら、学生時代大嫌いだった長距離走もいける、気がする、なんて思っちゃって、いきなり走り出したりなんかして。


けれども、そこは、身体が半壊している身分ですから、丸っきりダメなわけである。

自分はちゃんと走っているつもりでも、それを覆っている外部は言うことを聞かないのだ。



しかし、それが実は気持ち良い。



・・・・・・まあ、この気持ちよさはゾンビになってみないと分かんないですけどね(笑)。


つまり、そうやって、私、太郎は、この後世界で一番はじめにゾンビとなってしまったのです。


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