手のひらの上で
その日の夜静香ちゃんから電話があった。
「もしも」
「おう、須羽。早速だが仕事の話だ。内容はまだ言えないが、ギャラは10万だ。」
「10万⁉︎」
「あぁ、この仕事は一度受けると決めればキャンセルは出来ない! それでも受けるか?」
「10万…10万…受ける…受けるよ‼︎」
「なら、仕事の内容を伝える」
「おう!」
「お前には獅子王戦に出て優勝してもらう!」
「は⁉︎」
「だから、獅子王戦で優勝しろって事だよ! 分かるか?」
「ヤッパリ俺…」
「今更拒否権はないぞ」
「俺は一般高校生だぞ‼︎」
「どこにレイカーの中でエースはってる奴が一般高校生だ⁉︎」
「グハッ‼︎」
静香ちゃんは俺の痛い所を突いてきた。
「それに優勝してもらうのには理由があるんだ」
「理由?ようこちゃんに仕組まれてるんじゃねーのか?」
俺はここまでの話し全部がようこちゃんの思惑だと考えていた。
「最近、獅子王戦には嫌な傾向がある…それは能力持ちが優勝し続けていることだ」
「それの何が悪いんだよ」
レガリアの中にはまれに個人の能力を持った者が現れる、セイバーにとってそれは大きなアドバンテージになるのは確かだが、能力持ちはレガリアが誇る身体能力を伸ばすことをサボってしまう事が多い故に圧倒的な身体能力を持って能力持ちを圧倒するのがセオリーである。
理不尽な能力を持っている者もごく稀にいるが…
「最近のセイバーは能力ばかりに振り回されて身体能力を伸ばすことや、いかして戦うことが出来なくなっている」
「まぁ、最初は能力持ちの方が強いからなぁ」
身体能力を伸ばすことは絶え間ない努力が必要だが、能力持ちは最初から高い戦闘力を持っている。
「あぁ、それに 無能力な者の立場も弱くなってきている。そのおかげでセイバーを目指すレガリアも少なくなってきている」
「まぁ、何となくわかった」
「そんな感じでお前には能力なしの単純な身体能力と技術で優勝してもらいたいんだ」
俺は少し考えたのち答えを出した
「出場まで名前を伏せておいてくれるならその仕事受けます」
もう少しだけ俺は一般高校生としての生活がしたかった。
いや、一般高校生だけどな!
「ん?あぁ、その事ならようこが既に手配してるぞレイカーの推薦って事になっている。もちろん名前は伏せられているぞ」
「…そりゃどうも」
「それじゃあな、明日は昼までで学校ば終わりだ」
最後に言い残すと電話を切られてしまった。
結局俺はようこちゃんの手の上で踊らされていたってわけだった。
「はぁ」
ため息をついていると携帯が鳴った。
ようこちゃんからのメールであった。
<明日は仕事がある、本部にこい>
どうやら明日はレイカーとしての仕事があるらしい。
明日の事を考え今日は寝ることにした。
おはこんばんにちは、ハッシュドポテトです。
毎回話が短くて申し訳ありません
次回はやっと戦闘シーンが書けそうです!
それではまた次回でお会いしましょう!