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冬の夜空

作者: 白萩アキラ

空気が澄んだ冬の夜

そんな日は空を見上げてごらん

思ったよりも星が見えてくるものだから

これが星座かと感動することもあるから

そして思ったよりも月が輝いて見えるから

もしも今日は満月かと

ふと立ち止まる夜に出会えたら

それは幸運なことなんだ

雲ひとつ取ったってハッとする夜もある

嗚呼、雲は立体なんだと改めて気づく様な

そんなアイスクリームが浮かんでいるんだ

昼間よりもクリーミーに見えるそれは

容易にその形を変えていき目を離せない

暗闇に包まれれば心細くなる

自分は今ひとりなんだと浮き彫りになり

突然言いようのない不安に襲われる

しかしそれは開演前の劇場での興奮と同じだ

運が良ければ見えるだろう

星と月と雲とのコントラスト

まるで壮大な音楽が流れている様な心地だ

星はポツポツと見えるだろうが

月の輝く夜は優しく光るのみ

そのひとつひとつの広大さが

その時はたったひとりを感動させる

それをちらちら隠したりする雲

しかし少しも邪魔ではない

風が強ければ雲が流れるだろう

雲の間を縫う月がまるで

白い泡の中を泳いでいる様に見えるから

分かっているのに月の動きを追ってしまう

月光に照らされ雲は次々に金色に輝き

次々にその色を失っていくんだ

暗闇の中でちっぽけな自分を

これでもかと感じる風景は

不思議と不安というものを消してくれる

空気が澄んだ冬の夜

そんな日は空を見上げてごらん

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵だなぁ、と思いました。 今もまさに、詩のような夜空で、時々雲に隠れる月に見惚れていました。 [一言] この月夜について、書いてみようと思いましたが、こんなに素敵な詩があったので、空…
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