付き人
「きかせてや、なんでクナイなんか持っとんのか」
二人とも顔は笑ってはいるが、目は全然笑っていない。
「いいですよ。私はーー」
「お前のところの左近、本当に魅那兎のこと好きらしいな」
「そうかな」
俺がそういうと、新八は苦笑いして、そうなんだよと言う。
「左近、お前のこと大好きだよ?もう師弟愛こしてるよ」
道場の隅で仮眠をとっていたはじめが話に入ってきてそう言う。そうか?俺達もう、師弟愛越してるか?まぁ、師弟ってわけでもないけど。
「どうせなら恋愛対象でみてるよ」
はじめが冗談らしくいう。
「もう魅那兎大好き人間だよ」
「へぇ、そういうことか」
沖田が満足そうに言った。
「これで満足です?」
「あぁ。君さ、本当に怖いよ」
真顔で言う沖田。口角を上げている左近。
「怖いですかね」
「やっぱり、ただの付き人なんかじゃなかったんだね」
ガラッ
「あ、左近……」
ちょうど左近の話をしていたら帰ってきた。一体なにを話していたのだろう、結構時間かかったんだけど。
「赤壱さん、すみません」
頭を下げた左近。それを睨む沖田。見る限り、二人は不仲なのか?
「なにを話していたんだ?」
俺がきくと、左近は苦笑いをする。
「特にはなにも。ご心配ありがとうございます」
ニコッと普段のように笑った左近。
「偽善者ぶるなよ気色悪い」
沖田がそういった。
「そんなこと言うなよ沖田」
俺がそう言うと、左近はそうですよと沖田に向かって言う。
「ぶっ殺されてぇのかお前……」
左近が沖田の胸ぐらを掴んだ。こんな一瞬で怒った表情になった左近、みたことない。それも、低いトーンでね。
「殺せるもんなら殺してみろ。魅那兎の前でだけどな」
俺の名前が出てきたが、どうにも話の内容がわからない。なにを話しているのだろう。
「失敬失敬。取り乱してすみません」
すぐにいつものニコニコ笑顔に戻った左近。少しさっきの左近には恐怖を感じた。
「なぁ総司、今日あいつらが来るんだけどよ、近藤さん達ベロベロだろ?どうすりゃいいんと思う?」
あいつら?誰だろうか。
「取りあえず上げとこう」
「そうだな」