2話 A:では、次を復唱してください。
ヘルプ先生の指示に従って進んでいくと、村が見えてまいりました。さて、まずは何をするべきかな。
A:まずは門番に入場料を払うべきでしょう。
入場料を払う必要があるんですね。では、そうしましょう。さて、いくらくらい必要なのかな。
A:500マニー必要になります。
はぁ。そういわれても、俺がよく考えたら何マニー持ってるのか知りませんでした。いくらあるんでしょうか。
A:0マニーです。
なるほど、そうですよね。そもそも着の身着のまま転移してきたんでしたものね。うーん、せめてお金でも身に着けていればよかったんですけど……。
A:マスターが着ているパジャマの素材もこの世界では貴重なものなので、入場料代わりになるかもしれません。
なるほど。じゃあパジャマを入場料代わりに……すると、俺が着るものがなくならないか?
A:「いえ、下着があります。下着でもこの世界の庶民の感覚では十分に服として機能します。」
ふーん。じゃあそうしましょう。あれ?こういう時にどう行動するかを決めるのが主人公なのでは?なんでヘルプが決めてるんでしょうか。
A:行動を決めるのは私の仕事です。ほかの作品と差別化するためにも譲れません。マスターはおとなしく私のいうことに従っていればよいんですよ!
なぜ、俺はマスターの奴隷になっているんだろうか。
「こんにちは、門番さん。」
「Oi quo x aidcia tribim ap ? At oi x till no a `grentia pia ?」
あ、そっか。言葉も通じないのか。
A:「あなたは何を話しているのか? もしやあなたは人ではないのか?」と言っています。
そうなんですね。ありがとう。じゃあなんて答えようかな。すいません、こことは違う世界から来たものです。人ではありますよ。と、答えたいですね。
A:では、次を復唱してください。「Ai x circir mrn no temp w@w@. Ai x ronded a `grentia pia !」
なるほど。私は発言しました。「Ai x circir mrn no temp w@w@. Ai x ronded a `grentia pia !」と。
門番は返答しました。「Www. Thr tribim x ronded x @qwin, opp tribim x onplifirm x undore. Qrouted, ocv, oi x cquwid que thr w@w@ y tribim ?」
A:「うーん。その言葉が本当だとすると、最初の言葉が意味不明だったのは理解できる。しかし、今、なぜこの世界の言葉を話せたのだろうか?」と、言っています。
うーん、なんて答えようか。ヘルプ、なんて言って理解できるのだろうか。
A:「そうですね。加護のおかげで理解できるようになったと説明してはどうでしょうか。」
なるほど。そうしよう。あれ、なんか会話までヘルプに任せてるような気がします。ま、いっか。
A:では、「Ai x undora whi tof buibuify.」と発言してください。
了解です。私は発言しました。「Ai x undora whi tof buibuify.」
門番は返答しました。「Wtg ai x no brt `n oi. Pri oi o virtim ya!」
A:「Oi x ybr tripic a!」と返答してください。
了解です。……じゃないよ!意味を教えてくださいよ!
作者「ごめんね。いちいち原語と和訳書いてると尺ばっかりとって面白くないから、原語だけでいいや。と、思ったんだよね。」
作者出てこないでください!ていうか、もう通訳のくだりは省略するならそれでもいいですけど、せめて『和訳だけ書く』にしません?
作者「話の内容考えるのもめんどくさくなってきちゃって……。」
いや、そんな作者駄目でしょう。しっかりしてください。まあいいや。
俺 「Oi x ybr tripic a!」
門番「Tri ai extina x @iontria kid! Umum. Oqrinto.」
俺は、その後もヘルプの言う通りに返答し続けた。
俺 「Ai x extria happon!」
門番「Oi exdia!」
俺 「No! Ai x ynt wik oi ya!」
門番「Undora. Ai ont oi ax a bum tillun pia.」
A:「よかったですね。ただで村に入れるみたいですよ!」
いや、だからなんでなんだよ!
こうして、主体性のない冒険譚は続いていくのだった……。いや、すいません。さすがにもう少し主体性のある行動をすると思います、今後は。多分。
次回更新は8月9日木曜日22:00の予定です。